公益財団法人日本ユニセフ協会
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アフリカ干ばつ緊急募金 第44報
モーリタニア:GAMが10%に−現地事務所からの報告

【2012年2月14日発】

地図は参考のために掲載したもので、国境の法的地位について何らかの立場を示すものではありません。

干ばつの危機が子どもたちに迫っているアフリカ・サヘル地域8カ国の一つ、モーリタニアのユニセフ事務所から、現地の最新状況が伝えられてきました。

「昨年、いつもなら作物が市場や家庭に充分ゆきわたっているはずの12月に実施された、子どもたちの栄養状態調査の結果、モーリタニアの5歳未満の子どもたちの間の全急性栄養不良率(Global Acute Malnutrition - GAM)は、平均6.8パーセントにも達していることがわかりました。また、ブラクナとゴルゴルの2つの地域では10パーセントを越えており、大きく懸念されています。同月にGAM状態に陥った子どもの数は、約35万3,000人。うち5,200人は、重度の急性栄養不良(Severe Acute Malnutrition - SAM)に苦しんでいます。」

「今年2月、WFP(世界食糧計画)と現地の食糧安全保障局が発表した報告によると、食糧事情や国民の栄養状態は全国的に悪化。特に、農村部や僻地の、社会的に最も厳しい状況におかれている人々の間で顕著であることが報告されています。」

「昨年12月現在、食糧危機の影響を受けている世帯は、モーリタニアの全世帯のおよそ4分の1にも達しています。これは、2010年同月に比べて、3倍もの規模です。南部と東部の状況が、最も深刻です。」

「WFPの調べでは、12月現在、5歳未満の子ども11万人を含む70万人以上の人々が、この食糧危機の影響を受けています。その半数を超える42万人以上の人々が、農村部に暮らしています。さらに、その農村部の人々の約半数の、5歳未満の子ども3万6,000人を含む約20万人が、非常に深刻な状況に置かれています。貧しい世帯では、その日をなんとかやり過ごすような日々が増えています。そうした状況の中では、子どもたちの栄養状態が常に優先されているわけではありません。」

「一部の地域では、井戸の水も枯渇しつつあります。不適切な衛生環境から、コレラが流行する危険性も増加。水不足により(ため池などの不衛生な水を飲まざるを得ない状況となり)、人々が病気に陥る危険性も高まっています。特に子どもたちは最も弱い立場に置かれ、こうした状況は、子どもたちに悪影響を及ぼすだけでなく、栄養状態の悪化にも繋がるのです。」

「1月29日、モーリタニア政府は、食糧の確保や、栄養や保健、水と家畜飼料の各問題に取り組むため、総額1兆2千億米ドルの緊急対策を実施。しかし、必要な資金はまだ確保されておらず、政府は、国際社会に支援を求めています。」

「ユニセフは、2月8日に発表した『人道支援報告書2012』の中で、モーリタニアをはじめとする世界中の様々な緊急事態に対応するための初期活動費用として、約32兆米ドルの支援を国際社会に求めました。ユニセフは、他人道支援団体と連携をとりながら、緊急支援活動を継続しています。」

「食糧危機に襲われている地域のひとつ、ホズ・シャルギでは、武力紛争の影響で隣国マリから避難を余儀なくされた5歳未満の子ども2,500人以上を含む約1万2,000人も生活しています。ユニセフは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とともに、こうした複雑な状況にも対応しています。」