公益財団法人日本ユニセフ協会
HOME > 世界の子どもたち > 緊急支援情報 > アフリカ干ばつ緊急募金


アフリカ干ばつ緊急募金 第50報
モーリタニア:建国以来の二重の危機

【2012年3月12日 ジュネーブ発】

地図は参考のために掲載したもので、国境の法的地位について何らかの立場を示すものではありません。

モーリタニアは、現在、建国史上はじめての二つの危機に直面しています。干ばつのために、特に、国の南部の地域の住民の間に食糧不足や深刻な栄養不良の問題が出始めていました。そこに、隣国マリで勃発した武力紛争を逃れた難民が流入し続けているのです。

今年1月25日以降これまでにモーリタニア南部に流入したマリからの難民の数は3万3000人を超え、その数は、現在も、一日800人程のペースで増え続けています。こうした難民を受け入れている地域の住民は、難民の流入以前から食糧不足や貧困などの困難に苛まれていました。首都から遠く道路も未整備で治安も不安定なこの地域に、人道支援を届けるのは容易なことではありません。

ユニセフは、他の人道支援団体と協力し、安全な水の提供や衛生環境の確保、医療や保健ニーズへの対応、子ども達が安心できる空間の設置などを通じた教育の機会(日常)の確保や子どもの保護などの分野での支援を進めています。現時点で、約3万5000人の子どもたちが、全急性栄養不良(Global Acute Malnutrition - GAM)状態。うち、5000人以上が、重度の急性栄養不良(Severe Acute Malnutrition - SAM)に苦しんでいます。そして(もし適切な対応が取られなければ)、今年1年で、GAMの子どもは9万人に達し、うち1万2600人がSAMになると見込まれています。

WFPの調査では、農村世帯の25%が、食糧危機に直面していると見られており、(穀物生産等のサイクルを考慮すると)この状況は、少なくとも今年9月までは改善する見込みはありません。

© UNICEF/Mauritania/2012

ユニセフをはじめとする支援団体は、この食糧危機、栄養危機の悪影響を最小限に抑えるため、様々な予防のための施策をモーリタニア政府が実施できるよう支援しています。ユニセフは、この中で、栄養不良状態の子ども達の発見と治療、安全な飲料水の提供や適切な衛生環境の確保等の分野での活動を担っています。

ユニセフが、モーリタニアのこれらの二重の危機に対応するために当面必要としている資金は、食糧危機・栄養危機への対応に320万米ドル(約2億6400万円)、マリからの難民への支援に265万米ドル(約2億1800万円)です。これらの金額は、今後、状況によって更に膨れ上がることが見込まれていますが、それにも関わらず、現在までに国際社会から寄せられた資金は、それぞれ現状で必要とする金額の28%と11%に過ぎません。

みなさまの一層のご支援をお願いいたします。