公益財団法人日本ユニセフ協会
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アフリカ干ばつ緊急募金 第71報
ニジェール:国際社会の支援の最前線に立つ村の女性たち

【2012年5月29日 ニジェール発】

ニジェール全域で、600万人以上の人々が食糧不足に直面している悲惨な食糧危機と栄養危機から家族とコミュニティの人々を守るために、ニジェールの首都ニアメから500キロ以上離れたガリン・ゴウルビ村では、女性たちが率先して活動しています。

国連の専門家は、2005年、2010年、そして2012年と続く一連の干ばつにより、この影響を受けた人々は、危機的な状況に追い込まれていると訴えています。ユニセフとニジェール政府は、繰り返し起こる干ばつと食糧危機からニジェールの人々を守るためには、ニジェールの人々自身に、1日でも早く立ち直るための技術や手段を与える必要があると考えています。

2008年、ユニセフは、子どもたちを取り巻く保健、衛生そして栄養環境を改善させるために、‘(問題解決・予防の)鍵になる生活習慣(Key Family Practices - KFP)’を促進する活動をスタートさせました。人々の行動パターンを変化させる支援は、危機的状況の中、最も弱い立場に置かれる5歳未満児の死亡率と罹患率の削減に最も大きな影響を与えます。ガリン・ゴウルビ村の女性たちは、この実践をリードしているのです。

主導的な役割を果たす女性たち

© UNICEF 2012/Niger/Tidey
ニジェールのガリン・ゴウルビ村で、母親たちに適切な栄養を摂取することの重要性について説明するゾウヘイラ・イッサさん(左)。

このプログラムは、ニジェール南部の人口密集地帯、マラディとジンデルを含む最も厳しい状況に置かれた地域に住む人々に、新しい知識や習慣を取り入れてもらうことに重点が置かれています。この地域の村人たちの間の妊産婦や子どもの死亡率、栄養不良率は、全国で最も高い値を示しています。

ガリン・ゴウルビ村では、5人の女性がKFPプログラムを先導して行っています。彼女たちは、各家庭を訪問して、5歳未満児の死亡を削減させる7つのポイントについて教えて回っています。その7つのポイントとは、① 生後6ヵ月間の完全母乳育児 ②適切な離乳食 ③適切な手洗い ④下痢性疾患の治療 ⑤(必要な時に)医療ケアを受けること ⑥予防接種 ⑦マラリアを予防する蚊帳の使用です。

「数年前に、ユニセフの研修を受けました。他のお母さんたちにも教えたい知識をたくさん習いました」 完全母乳育児に関するグループセッションをリードしているゾウヘイラ・イッサさんは、こう話しました。「ですから、今、このプロジェクトに関わっているのです。私自身、6人子どもがいて、多少経験があります。訪問した家庭に深刻な問題があっても、それが何であるのか見当がつきますし、力になることもできるんです。」

健康維持に不可欠な習慣を学ぶ

© UNICEF 2012/Niger/Tidey
ニジェールのマラディ近くの村で、主な家族が行っている習慣について、ユニセフが支援して行っているセッションで、息子と一緒に話しを聞くネフィサ・タシロウさん。

現在、ニジェールを襲っている危機的な状況の中、子どもたちの栄養不良率を削減するべく、その予防のための取り組みに力が注がれています。ユニセフは、NGOをはじめとするパートナー団体と共に、ニジェール全土にこのプログラムを拡大。現在、ニジェールの全7地域のうち6地域で実践されています。

「このプログラムを通じて、特に、今のような食糧危機の時にわたしたちの助けになる重要なことをたくさん学びました」 こう話すのは、タホウア村のネフィサ・タシロウさん(23歳)です。「息子は、完全母乳育児で育てています。こんなに丈夫で健康に育っているのがわかるでしょう?」

このプログラムの最終的な目標は、5歳未満児死亡率を30パーセント削減することです。ユニセフがコミュニティで活動する人々とともに継続的に実施している調査によると、KFPプログラムを実践している村では、子どもの保健、栄養、衛生の向上のための習慣が普及したことが明らかになりました。生後6ヵ月間の完全母乳育児を行う母親の割合は、2008年の9パーセントから2010年には27パーセントに増加したこともその一例です。

ユニセフは、今後2年間、KFPプログラムを継続するための資金として、約200万米ドルの支援を国際社会に求めています。

(こうした予防策に加え、)現在続いている栄養危機への対応として、ユニセフは重度の急性栄養不良の治療のための治療用給食センターの対応能力も強化しています。ユニセフは、国内の44の病院で、重度の急性栄養不良や合併症に苦しむ子どもたちの治療に必要な物資と器材の約85パーセントを提供しています。また、病気の流行を防ぐため、清潔な飲料水の提供と適切な衛生設備(トイレ)の設置も進め、支援の届き難い女性と子どもたちへの支援も実施しています。

国連は、ニジェールでの人道支援活動に関する共同アピールを発表。総額4億5,100万米ドルの支援を国際社会に要請しました。しかし、これまでに集まったのは、その32パーセントだけです。ユニセフは、パートナー団体と共に、ニジェールの子どもたちの代弁者として、国際社会にさらなる支援の強化を求めています。