公益財団法人日本ユニセフ協会
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アフリカ干ばつ緊急募金 第93報
ジャネット・ジャクソンさん サヘルで栄養危機にある子どもへの支援を呼びかける

【2013年6月3日 ニューヨーク発】

ジャネット・ジャクソンさん出演の公共CMはこちら(英語)

世界的に有名な歌手のジャネット・ジャクソンさんが、自らの名声を生かし、西部・中部アフリカのサヘル地域でユニセフが行っている人道支援活動への支援を訴えてくださっています。サヘル地域では、140万人の子どもが重度の栄養不良の危機にあり、適切な治療を受けられなければ、命を失いかねない深刻な状態に陥ることが懸念されています。

「私たちは“静かな緊急事態”に直面しています。サヘル地域では、食べる物がないために多くの子どもたちが命の危険にあります。自然災害や紛争などの緊急事態下でなくとも、現在と未来のために、我々は、ただちに行動し、栄養不良の子どもたちの命を守り、子どもたちを保護しなくてはいけません。私は、この活動に尽くします。みなさまのご支援とユニセフのリーダーシップがあれば、西部・中部アフリカに変化をもたらすことができるのです」と、ジャクソンさんは述べました。

ジャクソンさんは、ユニセフの公共CMにも出演し、支援を訴えてくださっています。また、サヘル地域や世界中で最も困難な状況にある子どもたちが、生きていくためには十分な食べ物や基礎的な社会サービスを利用できなければいけないと、ツイッターやフェイスブックでメッセージを発信しています。

サヘル地域(サハラ砂漠南部の半乾燥地域)を襲う慢性的な干ばつと食糧価格の高騰、そして武力紛争に巻き込まれている子どもたちへの支援活動を行うために、ユニセフは本年、2億4,800万米ドル(約248億円/1米ドル=100円で換算)の支援を国際社会に要請しています。

ユニセフは、サヘル地域での緊急支援活動を行っており、最も厳しい状況にある子どもたちへの支援が最優先に行われています。一例として、栄養不良の治療食や基礎的な保健サービス、感染症や下痢性疾患の予防に有効な清潔な水の提供などがあがられます。昨年、こうした支援活動により、サヘル地域の重度の栄養不良の80万人の子どもたちの命が守られました。ユニセフは、ブルキナファソ、チャド、マリ、モーリタニア、ニジェール、カメルーン、ガンビア、ナイジェリア、セネガルへの支援を実施、これまでにサヘル地域で行った支援活動のなかで、最も大規模な取り組みとなりました。

栄養不良は、世界の5歳未満児死亡の3分の1以上に関係しています。適切な栄養素が不足すると、特に2歳までの子どもたちは、身体や脳に一生涯に渡る後遺症を負う恐れがあります。さらにこの身体と精神への影響は、発育阻害、失明、免疫力の低下、知的障がい、その他の障がいも引き起こす可能性があるのです。こうした後遺症は治療できませんが、妊婦や新生児、幼い子どもたちが、たんぱく質や脂肪、ビタミン、ミネラル、鉄分、亜鉛を摂取することで予防できるのです。

「全ての子どもたちが適切な栄養を摂取できる資源や方法があるにもかかわらず、21世紀になっても、飢えで命を落とす子どもがいる現実を受け入れてはいけません。栄養不良やその他の予防可能な病気が原因で亡くなる子どもが‘ゼロ’である世界を実現できると信じています。そのためにも、私はこの活動を通じて、支援を訴えていきます。世界中の人々が変化を起こすために耳を傾け、参加してくれるようにすることを、子どもたちに約束します。ユニセフは、この変化を起こすための最高のパートナーです」と、ジャネットさんは語りました。

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ジャネット・ジャクソンさんは、HIV/エイズ研究を率先して推奨し、エイズ研究財団の親善大使も務めています。グラミー賞を6度獲得し、1億以上のレコード・セールスを記録しているポップカルチャーの伝説的人物のひとりです。