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財団法人日本ユニセフ協会




バングラデシュ・サイクロン第5報
国連ミッションがサイクロン生存者を訪問

【2007年11月23日 バングラデシュ、ダッカ発】

© UNICEF video

バングラデシュ、パトゥアカリ県。サイクロンの被災者、11歳のポリーは妹を抱いて崩壊した村の中に立っています。彼女の家族はいくつかの鍋とやかんを除いてすべてを失ったと言います。

サイクロン「シドル」がバングラデシュを襲ってから一週間、生存者達はなんとか生活をつなぎ合わせています。屋根のある家や食料、水と衛生設備が今、最も必要とされています。

バングラデシュ政府は、国連機関とNGOの支援により救援活動を加速しており、いくつかの農村地区を除き、ほとんどの地域へ支援を届けています。

「繰り返す自然災害にもかかわらず、バングラデシュの人々はまたその回復力を証明しました。」ユニセフ・バングラデシュ代表のルイ・ジョージ・アーセノーは最悪の被害を受けた地域の訪問を次のように振り返ります。「人々は、復興のために最大の努力をしています。」

国連共同ミッションには、国連常駐調整官のレナタ・ロック・デサリエンとWFP(世界食糧計画)代表ダグラス・ブロデリック、FAO(食料農業機関)のバーク・ベレマン博士も参加し、パトゥアカリ県とバルグナ県、バジェハト県内の農村を訪れました。

生存の物語

© UNICEF video

サイクロン・シドルで被災した地元の住民を訪問する国連ミッションのメンバー。

国連ミッションのメンバーは、地元の救援センターに列を作る人々に食料袋を配布する仕事に参加しました。そこで、チームはサイクロンの生存者の話に耳を傾けました。

一人の生存者、ハミッドはチャクハリ村にある自分の家とすべての持ち物を失ったと話しました。「西から突風が来ました。そして15分後には水が押し寄せて、波が後から後から来ました。」彼は住んでいた場所を思い出して語ってくれました。「そして次の波が私たちをあの木のてっぺんにまで押し上げたのです。夜中じゅう私たちはそこにしがみついて、水が引くまで降りては来られませんでした。」

バジェハト県では、海岸から約6km離れた場所で、平らに潰れされた店や家屋の上に巨大な鉄の桟橋がのっかっていました。いかに、沿岸地方を襲った嵐の脅威が強かったかがわかります。「海が全体をすくい上げて、叩き落したかのようです。」地元に住むラシド・ミアさんは言います。

国連ミッションは勇敢な物語も聞きました。ロウシャン・アラさんという女性は、サイクロンがミリアゴニ県とパトゥアカリ県を襲ったその壊滅的な夜、12人以上もの村人を救ったのです。

ユニセフの緊急支援活動

© UNICEF/HQ07-1822/Noorani
サイクロンによって崩壊した村で。
自分の家近くに立つ少女リサ、9歳。

サイクロン「シドル」の被災後、飢えや病気、冬の寒さなどの脅威に打ち勝つために、数十万人もの被災者に対して支援する必要があります。子どもはユニセフの緊急支援の中心に置かれています。ユニセフは、栄養、水と衛生、必須医薬品や子どもの保護といった支援活動をいっそう拡大しています。

ユニセフは、最も被害を受けた地域のうち6県において、15,400人の子どもと11,600人の妊娠または授乳中の女性に対して、栄養価の高いBP5ビスケットを92トン提供しています。子どもたちへの混合食配給は翌週から始まります。その間、病気の蔓延を防ぐために必要な薬が備蓄されました。

また、ユニセフは二つの移動式浄水基を被災した地域に設置し、さらに二つがその設置途中です。ユニセフの提供した資金により、公衆衛生工学局安全は、安全な水の入った貯水容器110,000個を購入し、給水所の設置を行っています。

冬が近づいているため、ユニセフは支援を必要としている子どもたちのために、10万枚の毛布や、6万着の子ども服、6万セットの家族キット、一時的な避難所のためのビニルシートなどを調達しています。

子どもにやさしい空間

© UNICEF/HQ07-1809/Noorani
自分の家の残骸の横に座る60歳の未亡人、アラー・ディン。バリサル県、アムアの被災した村にて。

数え切れないほどの子どもたちが、サイクロンで一方の親または両親を亡くしました。「親と離れ離れになった子どもたちは、保護も、安全もサポート施設もない中で暮らしています。」ユニセフ子ども保護の専門家、アイサ・ソウは言います。「このような子ども達は虐待や搾取の対象となりやすいのです。」

ユニセフとセーブ・ザ・チルドレンなどのパートナー団体は、最も被害を受けた3県において「子どもにやさしい空間」を設置しており、子どもたちの追跡と登録を始めています。

校舎が崩壊したり避難場所として使われたりしているために、サイクロンによる被害を受けた約100万人の小学生のうち、約60万人が授業を受けられない状況にあります。

学校の再建にはより長い時間がかかるため、ユニセフは、政府やパートナー団体を支援して、子どもたちがいち早く勉強を再開し日常を取り戻せるよう、仮設学習センターを設置する予定です。

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ユニセフは、当面の活動を展開する費用として、2,355,000ドル(約2億6000万円)の支援を国際社会に求めています。 この要請を受け、日本政府は、22日、1,091,400ドルの拠出を決定しました。日本ユニセフ協会も20万ドルを緊急拠出する準備を進めています。

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◇ 募金のお願い ◇

ユニセフは、世界各地で発生している洪水や地震などの自然災害の被災者のために、緊急・復興支援活動を行っています。日本ユニセフ協会では、ユニセフが各地で実施する自然災害への緊急・復興支援活動を迅速に支援するため、自然災害緊急募金を受け付けています。
皆様のご協力をお願い申し上げます。