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財団法人日本ユニセフ協会




中国大地震 第15報
震災で被害を受けた子どもたちの生活を取り戻せ!(2)
 

【2008年6月20日 中国・北京発】

写真:ユニセフが支援した学校用品や制服を手にする子どもたち。
© UNICEF/China
ユニセフが支援した学校用品や制服を手にする子どもたち。

甘粛省政府の報告では、先月の大地震でこの省の6,500校が大きな被害を受け、数千もの教室が倒壊しました。120万人が家を失い、甘粛省は四川省と北部で隣接しています。

40名の子どもが犠牲となり、172名が負傷しました。甘粛省の学校はサマータイムを導入しており、地震発生時に子どもたちは長いお昼休みを終えて、午後の授業に出席するため学校に向かっていました。甘粛省は四川省に次いで被害の大きかった省です。

「子どもたちの生活は、震災後劇的に変わりました。この村の全ての子どもたちは、いま避難テントで生活しています。約半数の子どもたちが、学校へ行くことを止めています。」碧口小学校の5年生の英語の教師は話します。

写真:ユニセフが支援した学校用品や制服を手にする子どもたち。
© UNICEF/China
甘粛省の小学校の児童264人も、ユニセフからの服や靴、下着などの支援物資を受け取りました。

甘粛省南部の隴南県は、甚大な被害を受けた地域のひとつで、山岳地帯が特に深刻です。平均収入は、一家族あたり2,000元(約31,400円)ほどで、ほとんどの家は、泥レンガで造られており、地震で倒壊しました。村の水源は、汚染されています。ユニセフの現地スタッフは、隴南県の農村部は、いまだ緊急支援が必要な状態であると警戒しています。

市や省合せて10の地域では、教育部門に甚大な被害が及びました。それでも、ほとんどの学校は、テントやプレハブ教室で授業を再開しています。

6月17日現在、ユニセフは子どもたちの服8,000セット、救急車4台を最も被害の激しかった地域へ届けました。その他にも、学校用テント200張、生徒用キット60,000セット、教師用キット2,000セットの発送準備が整えられており、近日中には届けられる予定です。

地元当局は、教育において、緊急に必要なものは、子どもと教師が使う学校用品、教室用備品、スポーツ用具であると言います。その他にも、携帯用トイレや、安全な給水施設、崩壊した教員用宿舎の対応、震災で心に深く傷を負った特に子どもたちの心のケアが、緊急に必要です。

写真:木の下で臨時の授業が再開。
© UNICEF/China
甘粛省のある村では、木の下で臨時の授業が再開。5キロも歩いて通っている子もいます。

甘粛省は、中国の中でも最も貧しい地域のひとつ。およそ同省の17パーセントにあたる人口450万人が非常に貧しい生活を強いられています。四川省の震源地から200キロメートルも離れている隴南県ですが、マグニチュード7.5を観測しました。同県は、主に山岳地域で、余震と降り続く雨で、落石や土砂崩れが懸念されており、農村地への支援が非常に難しくなっています。

「トイレの状況が、震災後に学校へ戻る際に問題となっています。トイレは深刻な被害を受けており、今にも崩れそうです。でも、わたしたちは、このトイレを使用し続けるしかありません。」小学校校長のマオ・チャンルイ先生は話しました。