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財団法人日本ユニセフ協会



ガザ人道支援 第5報
アン・ベネマン ユニセフ事務局長の声明

【2009年1月14日 南アフリカ・ヨハネスブルグ発】

© UNICEF/2009/El Baba
ガザ地区での爆撃から避難する男の子。「現在のガザ危機の中では、どの子どもも家族も、避難しようにも避難できる場所がありません」と、話すアン・ベネマン ユニセフ事務局長。

2008年12月27日にガザで武力衝突が始まって以来、2009年1月13日の段階で、300人以上の子どもたちの命が奪われ、1,500人以上が負傷しています。日々、さらに多くの子どもたちが傷つけられています。小さな体に傷を負わされ、生活を打ち砕かれているのです。

私はここで単に数値を羅列しているのではありません。これらの数値は、生活を破壊された子どもたちの数なのです。この事態を静観していられる人などいるでしょうか。この状況を見れば、自分の子どもたちは大丈夫だろうかと、子どもたちのところに飛んでいきたくなるはずです。

これは悲劇です。到底受け入れられるものではありません。

潘基文 国連事務総長は、現在、中東を訪問中で、1月8日に決議された国連安保理決議1860に則り、即時停戦するよう働きかけています。この決議は、即時停戦、かつ永続的な停戦を呼びかけるもので、停戦を完全遵守し、ガザ全域での人道支援物資の供給と配布を阻害しないよう求めています。

人道支援活動へのアクセスは、全て、特に非常に弱い立場の人々に対して、妨げられてはならないのです。

この決議は、国際法の原則に照らし、双方の市民を守るべきだとも強調しています。

いかなる状況でも、学校、医療施設は守られ、平和的な場所として見なされ、保護されなければなりません。

現在のガザ危機の中では、どの子どもも家族も、避難しようにも避難できる場所がありません。どこにもないのです。鎖された中で逃げ場所もなく閉じ込められていることを考えてみてください。たとえ平和な中でそのようになっても耐えられないことです。おとなにでさえ無理なことです。では、このような容赦ない暴力の中で、閉じ込められている子どもたちの心はどんなものでしょうか?

ガザの人口の大部分は子どもたちです。子どもたちは、彼らが始めたわけではないこの戦争の矢面に立たされ、耐えているのです。武力衝突が、人口が密集している都市の中心部に迫っていますが、殺傷力の高い兵器の衝撃は、子どもたちに、より大きな傷を負わせます。子どもたちの保護を何よりも優先しなければなりません。

ユニセフは、この厳しい状況の中、パートナーと共に、でき得る限りの支援活動を実施しています。子どもたちと家族の緊急のニーズに対応して、さらなる支援物資が提供されています:飲料水、教育キット、蘇生キットなど・・・これらはその一例にすぎません。

家をなくし、飲料水、電気、医薬品へのアクセスがない子どもたち。身体に受けたひどい傷やケガ・・・。これら以上に心配なのが彼らの心の傷です。心の傷を治すには長い時間がかかり、困難を極めます。

敵意をむき出した戦いが終わらない限り、子どもたちは、彼らの最も基本的な権利を享受することはできません。戦いが終わったとき、彼らは初めて、「身体的・精神的な暴力のない生活」を享受する権利・・・これを取り戻すための長い旅を始めることができるのです。

ユニセフは、子どもを守るため、全ての関係者に、可能な限りの手段をとるよう求めています。