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ガザ人道支援 第7報
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© UNICEF video |
父親と二人のきょうだいを亡くした砲撃で一命を取り留めたアミーラさん(15歳)。 |
アミーラさん(15歳)は、ガザの武力衝突で一命を取り留めたひとりです。アミーラさんの二人のきょうだいと父親は、この武力衝突の犠牲となり命を落としました。アミーラさんは、崩壊した自宅から這って脱出し、三日後、隣人の家で発見されました
「アミーラは、路上に三日間ひとりでいたんです。その間、近隣の人々は誰も通らなかったと言います。」アミーラさんの母親はその時のことを振り返って話します。
アミーラさん自身も覚えていることを話してくれました。「おとうさんは『おまえたちが安心して眠れるように、外で友達と一緒にコーランを唱えてくるよ』」といって出て行きました。」その後間もなく、ミサイル砲撃を受け、父親たちは亡くなったのだと、アミーラさんは話してくれました。
今週実施された停戦。しかしながら、3週間にわたった武力衝突は、数千世帯の家の全半壊を含め、壊滅的な痕跡を残してしまいました。停戦が宣言される前は、約5万人が国連の用意した避難所に避難していました。今やっと、ガザの多くの人々が家に戻りつつあります。
© UNICEF/NYHQ2009-0044/El Baba |
容器に水を入れるパレスチナ人と順番を待つ少女(ラファで)。 |
「ユニセフは、積極的に早期復興を進めるつもりです。」ユニセフ・パレスチナ自治区事務所のパトリシア・マックフィリップス特別代表は話します。
「また、私たちは、身を寄せるところがない子どもたちへの支援もするつもりです。」マックフィリップス特別代表は続けます。「私たちは、こうした子どもたちのために青少年センターと保護センターを30カ所に設置するため働きかけを始めています。家族が普通の生活を取り戻すよう頑張っている間に、子どもたちが身を寄せられようにするためのコミュニティ・センターです。」
この戦争により、約1,300人が死亡、数千人が負傷しました。子どもたちへの肉体的、精神的な影響は計り知れません。
「正直に言いますと、非常に悪い状況にあります。このような子どものケガに対処するのはまったく初めてなのです。」ガザのシファ病院の外科医、イマッド・アル・マダラウィ博士は指摘します。
© UNICEF/NYHQ2009-0042/El Baba |
ガザ南部、ラファ避難キャンプで、倒壊したビルの瓦礫を見つめる子どもたち。 |
ガザの人道支援団体にとっての当面の課題は、非常に弱い立場にある家族と子どもたちへの心理的なサポートをどの程度提供できるのかということと、人道的なニーズをどのように迅速に、しかもしっかりと調査、分析できるかということです。
ユニセフのパートナーは、いくつかの国連が運営する避難所への限られた訪問調査をすると共に、すでに一軒一軒家を回り、訪問調査を行っています。こうした活動は、今後数週間、ないし数ヶ月間続けられる予定です。
「私たちは、心理社会的なニーズに対応すべく、迅速に活動しています。カウンセラーチームも現在活動していますし、学校が再開できるよう準備も進めています」と、マックフィリップス特別代表。
「子どもたちは、今回の武力衝突の重荷を背負わされることになります。」マックフィリップス特別代表はこのように述べ、この武力紛争の短期、長期的な影響を受けているアミーラさんのような女の子と男の子たちについて言及しました。「子どもたちが、自分たちが生活している場所の政治的背景によって、犠牲者になることがあってはならないのです。」