|
ハイチ地震緊急・復興支援募金 第24報
|
© UNICEF/NYHQ2010-0161/Noorani |
ポルトープランスにあるノートルダム・デ・ビクトワー孤児院で、子どもを抱いた女性と話すユニセフのアン・ベネマン事務局長。今回の大地震で、少なくとも数千人の子どもたちが親を失ったり離れ離れになったとみられている。 |
2月4日、ユニセフのアン・ベネマン事務局長は、ユニセフが他の人道支援団体とともに食糧や安全な水、基本的な保健サービスなどを提供している首都ポルトープランスの仮設避難所の状況を視察。震災以前から不安定な状態にあったハイチの社会インフラが、この震災によって大きな被害を受けたため、支援活動が困難を伴うものになっていることを指摘しました。しかし同時に、ユニセフの支援活動について、「支援を最も必要としている人々、特に女性と子どもたちのところに人道支援物資が届けられる様子を見ることができ、非常に心強く思います。」と述べています。
ユニセフは、他の国連機関やハイチ政府、NGOなどと協力して、1月12日の大震災発生以降、休みなく支援活動を続けています。避難所やキャンプでの生活を余儀なくされている孤児や保護者とはぐれてしまった子どもたちに必要な支援を届けることが、ユニセフの最優先課題です。
ハイチの現在の状況は、子どもたちの命を脅かす緊急事態です。子どもたちに必要な支援を届けることは非常に重要です。人口の40%近くを14歳未満の子どもが占めるハイチでは、多くの子どもたちが未だ命の危険にさらされています。
ベネマン事務局長は、先日スタートした大規模な予防接種キャンペーンをその好例として紹介しています。この予防接種キャンペーンは、子どもたちを病気の流行による二次災害から守ることを目的としており、はしか、風疹、ジフテリア破傷風、百日咳の予防接種を、約50万人の7歳以下の子どもたちが受けることになります。
© UNICEF/NYHQ2010-0151/Noorani |
ハイチの首都ポルトープランス近郊のリラボイスで、ユニセフが支援している孤児院で、子どもたちに配られた石けんを手に持つラモンシア・ローレントちゃん(4歳)。 |
多くの死傷者を出したこの震災は、物理的な破壊の他にも、ハイチの人々に恐ろしいほどの被害をもたらしました。数千人の子どもたちが、愛する人々と離れ離れになったり、孤児になったりしました。友人や親戚が震災で亡くなるところや、負傷した様子を目の当たりにし、多くの子どもたちは心にも深い傷を負っています。
「震災前から、驚くほど多くの子どもたちが、肉親と離れ離れの生活を送っていました。」ベネマン事務局長は話します。「そして今、より多くの子どもたちが家族と離れ離れになっています。」
ユニセフは、こうした子どもたちを保護・登録し、最終的には家族や親類縁者と再会させることを目的に、「子どもたちが安心できるセンター(Safe Centres)」を設置しています。このセンターでは、子どもたちに、心理社会的なケアも提供しています。ユニセフはまた、他の人道支援団体と協力して、現地の児童養護施設にも同様の支援を提供しています。
© UNICEF/NYHQ2010-0158/Noorani |
ポルトープランス市内の震災で崩壊した建物の前を歩く女性。 |
ベネマン事務局長は、今回、現在休校中の学校の敷地内に設置されたセンターを訪問しました。ポルトープランスや周辺部の学校の90パーセントは、今回の地震で倒壊、あるいは深刻な被害を受けています。ベネマン事務局長は、初等教育レベルの就学数が、震災前でも学齢期の子どもたちのわずか半数程に過ぎなかったハイチで、教育システムの再建は最優先事項であり、同時に非常に困難な課題であることを指摘しました。
ベネマン事務局長とハイチのジャン・マックス・ベルリーブ首相との面会の際にも、この問題の重要性が確認されました。「教育への投資は、ハイチの未来への投資です。」(ベネマン事務局長)
緊急支援活動が続く中、ハイチの人々は、少しずつ未来に目を向け始めています。今回の地震によって打撃を受けたハイチの状況を、震災前よりも良いものにするために、国際社会の長期的な復興支援が必要です。ハイチの人々は、既に驚異的な回復力を見せています。
「アメリカ大陸の中で最も貧しい国であるハイチは、壊滅的な悲劇に苦しんでいます」と、ベネマン事務局長。「しかしながら、希望の兆しもあります。路上では、人々が食糧や衣服を売り始めています。倒壊をまぬがれた建物で店を再開しているところもあります。人々は、瓦礫の中から文字通り生活を立て直し始めているのです。」