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ハイチ地震緊急・復興支援募金 第53報 ハイチ地震から半年 ユニセフ最新レポート発表
状況の要約
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© UNICEF/NYHQ2010-0246/Noorani |
1月12日夕方、200年ぶりの巨大地震がハイチの西部を襲いました。震源は、人口が集中している首都ポルトー・プランスの南西17キロと推定されています。マグニチュード7.0を記録したこの大型地震はたった数秒の揺れでおさまりましたが、ハイチの子ども達は生涯忘れることがないでしょう。
今回の地震では 222,000人以上が死亡、300,000人以上が負傷しました。1,190を超える仮設施設に150万人が暮らし、661,000人が住むところを失うなど、約200万人が影響を受けたとされています。
国連開発計画は2009年の人間開発指数ランキングにおいてハイチを182か国中149位と位置づけました。ハイチは西半球の中では最貧国であり、弱体な政府や行政機能が貧困の要因とされています。
地震前の指数
総人口: |
9,876,000 |
18歳未満の人口/5歳未満の人口: (2008)* |
4,211,000/ 1,250,000 |
出生時の平均寿命: (2008)* |
61 |
人間開発指数 (国連開発計画 2009) |
149 |
1人あたりのGNI (2008)* |
US$ 660 |
妊産婦死亡率 ( 100,000 の出産につき): (2003-2007)* |
670 |
5歳未満児死亡率 (1,000の出産につき)* |
78 |
低体重(栄養不良)の5歳未満児* |
22 |
母乳のみで育てられる6ヶ月未満児* |
41 % |
改善された水を利用する人の比率: (2006) * |
58 % (都市 70% 農村 51%) |
適切な衛生施設を利用する人の比率: (2006)* |
19 % (都市 29% 農村 12%) |
若者 (15-24歳) の識字率 (2003-2007)* |
76 (男), 87 (女) |
3種混合予防接種を受けた1歳児の比率(2008)* |
53 % |
はしかの予防接種を受けた 1歳児の比率 (2008)* |
58 % |
成人のHIV感染率 (2007)* |
2.2 % |
HIVと共に生きる人の推定人数 (2007)* |
120,000 |
HIVと共に生きる子どもの推定人数 ( 0-14 歳) (2007)* |
6,800 |
児童労働者(5〜14歳) (EMMUS IV 2006) |
12,500 |
家事使用人として働く子ども (Pan American Development Foundation 2009) |
225,000 |
* 引用:世界子供白書 特別版
<地震後の状況**>
- 300万人が被害を受けた
- 推定死亡者 220,00人以上
- 負傷者300,000人以上
- 160万人が自発的仮設集落で生活、内800,000人が子どもと推定
- 54の自発的仮設集落で住むところを失った人口の29%を収容
- ポルトー・プランスの外では600,000人以上が避難し、内302,000人は子どもと推定
- 188,000軒以上の世帯が全壊もしくは半壊
- 3,978校の学校が破壊もしくは多大な被害を受けた
- 55,793人の教師や教育関係者が被害を受けた
- 医療施設の22%が全壊または多大な被害を受けた
- 巨大地震による損害は合計78.6億米ドルとされ、これは2009年におけるハイチのGDPの 120%に値する
** 引用: Humanitarian Bulletin #5 OCHA and Milestones and looking forward at six months, UNICEF
ユニセフの活動
<子どもの保護>
- ユニセフが支援している225の「子どもに優しい空間」がポルトープランス内外の62,800人を超える子ども達に遊戯活動や心理社会的サポートを提供しました
- ユニセフは子どもの保護分野のサブクラスターと協力して家族と離れ離れになった子どもの特定、登録、そして家族探しを拡大して行っています。6月末までには2,000人以上の離れ離れになった子どもがキャンプや保護施設に登録され、337人は家族との再会を果たすことができました
- ユニセフやNGOによって支援されている子どもの保護団体は約6,000件もの子どもの連れ去りを空港や国境付近で取り締まりました
- ユニセフと協力パートナーの元、政府の様々な機関のスタッフ100名以上が子どもの人身売買、子どもへの暴力の防止策についてトレーニングを受けました
<栄養>
- ユニセフは「赤ちゃんに優しいテント」に通う23,000人以上の母親に母乳育児についてのサポートやカウンセリングを提供しています
- 母乳育児を受けることのできない乳児(子どもが母親と離れた場合、母親が亡くなった場合、母親が何かしらの理由で母乳をあげることができない場合などの)3000人にはユニセフ主導の栄養クラスターが開発した粉末の乳幼児用調整粉乳が提供されています
- 被災地域で、重度な栄養不良状態にあった子ども2000人に、緊急な治療を必要とする子ども用の28の入院施設での治療が行われ、また、外来治療的な食餌療法や栄養サプリメントを提供するサービスが126箇所で展開されました。
- 地震によって被害を受けた西や南西地区に住む9ヶ月〜7歳の子ども186,000人以上にビタミンAのサプリメントが配給されました
<教育>
- 185,000 人の生徒がペン、鉛筆、ノートなどの基本的な学用品が支給され、155,000人のために1,297の学校テントも配給されました
- 被害地の片付け、一時的教室の設置、基本的な必需品の配給、先生へのサポートなどを通じて100万人以上の生徒や55,000の教師が支援されました
- ユニセフとパートナーは2,300人の教師、3,000人の教育関係者に対して適したカリキュラムや生徒への心理社会的サポートについてのトレーニングを行いました
- ユニセフは45,520人の子どものために子どもの早期成長を促す機会を支援しました
- 学校環境をさらに改善するため、ユニセフはパートナーと共に学校の給水設備や衛生施設を整備しています。6月末までには18校が支援を受け、8月までにはさらに29校が支援を受ける予定です
<保健>
- 727のキャンプの275,000人以上の子ども達が 予防可能な主な感染症に対する予防接種を受けました
- 子どもの主な死亡要因となっている下痢性疾患や肺炎に対処する薬を含む177の緊急医療キットの配布によって170万人の医療ニーズが3ヶ月間カバーされました
- 出産中に問題が発生した母親の命を救う手術にも対応できる24の妊産婦医療キットが支給されました
<水と衛生>
- ユニセフとパートナーは約333,000人に安全な水を輸送し、供給しています。子ども1人につき1日5リットルの水を確保するため、毎日166万リットルの水が配給されています
- ユニセフは安全な飲料水の提供、トイレの設置、浄水錠剤や他の水と衛生製品の配布を通じて140万人をサポートしています
- ユニセフはパートナーと協力して9,000のトイレを設置しました。これは水と衛生クラスターが110万人のために設置した11,000のトイレの82%を占めます
- 2,200人の衛生推進活動者やコミュニティメンバーが石鹸を使った手洗いなど安全な衛生習慣についての啓発活動を行っており、被災した村や地域に重要な衛生に関するメッセージを広く発信しています
- 石鹸、生理用ナプキン、歯ブラシや歯磨き粉、洗剤、トイレットペーパーなどの製品を含んだ42,450の大人用衛生キットによって213,000人以上が恩恵を受けました
- 学校での手洗い所、トイレ、貯水槽、石鹸の配布を通じて約20,500人の生徒が恩恵を受けています
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