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財団法人日本ユニセフ協会
 



ハイチ地震復興支援募金 第78報
ユニセフ親善大使の黒柳徹子さん、ハイチの子どもたちを訪問

【2011年4月28日 ハイチ/ ポルトープランス発】

注:音声は英語です スクリプトの日本語訳はこちら »

© UNICEF video
ユニセフ親善大使の黒柳徹子さんは、ハイチのポルトープランスにあるヌベール・ソース小学校を訪れました。子どもたちは、地震と津波で被災した日本の子どもたちにメッセージを書いているところでした。

ハイチのポルトープランスにあるヌベール・ソース学校の小さな教室は、ユニセフ親善大使である黒柳徹子さんが訪問したとき、多くの子どもたちでにぎわっていました。子どもたちは、ちょうど、地震と津波の被害を受けた日本の子どもたちのために応援メッセージを書いているところでした。そこに、黒柳親善大使が現れ、みんなと一緒にメッセージを書き始めたのです。

黄色い太陽のもと、子どもたちが手と手を取り合って、微笑んでいる絵、虹色に塗り分けた文字で短いメッセージを書いたものなど、ハイチの子どもたちが書いたメッセージ・カードは、日本の被災児童たちに向けたもので、心からの同情を示したものでした。色鮮やかな文字で書かれているものもあれば、想像豊かな絵を描いたものもあります。ひとつひとつから「希望」が伝わって来ます。

© UNICEF video
黒柳親善大使は、著名な俳優、人気作家であり、テレビのパーソナリティとしても人気があります。過去27年にわたって、世界の子どもたちの人権促進のために貢献してきました。

「ハイチの子どもたち自身、ひどい自然災害に遭ったり、極度の貧困に苦しんだりしているでしょうに・・・。その子どもたちからの気持ちを、是非、日本の子どもたちに伝えたいと思います」と黒柳親善大使は語りました。黒柳親善大使は、著名な俳優、人気作家、テレビのパーソナリティとしても人気のある方です。「ハイチで、日本で、あるいは世界のどこかで、多くの子どもたちが苦しんでいます。国際社会が一丸となって、最も支援を必要としている子どもたちを助け、世界をより平等な社会にしていってくれればと思います」と親善大使。

黒柳徹子さんは、ユニセフ親善大使として、過去27年にわたって、子どもたちの権利の促進のために貢献されてきました。ハイチは、16年前に訪問しており、昔に比べればかなり状況が改善されたとはいえ、非識字率の改善等、開発を促すべき分野が残っており、より多くの支援が必要だと訴えました。ハイチの成人の識字率は、65%ちょうどにとどまっています。

インスピレーションに溢れる歌

黒柳親善大使は、ハイチ滞在の間、カルフール・レジデンシャル・ケア・センターを訪れました。ここでは、「クール・ア・クール(心と心)」というラッパーの10人グループが、日本で被災した子どもたち向けに作ったという特別の歌を披露して、親善大使を歓迎しました。

「心を強く持とう!目に涙はためているし、必要なものはたくさんある。それは事実だが、心は強く持っている! ハイチ、チリ、日本、そのほかの国々も、災害に遭ってしまった、それは否定ができない。でも暮らしは続いていく・・・」

ユニセフ・ハイチ事務所のフランソワーズ・グルルース・アッカマン代表は、ハイチの子どもたちは、人々の支えがいかに大切かを特に知っている、と言います。

「この子たちは、ほんの1年少し前に地震をここで体験しているのよね」と黒柳親善大使。「すべてを失うことがどういうことか知っているの。日本の子どもたちが家族や友達、家を失ったのと同じように」

ハイチの人口の約55%が、国際的な貧困ラインである1日1.25米ドル以下の生活をしています。地震以降、別の緊急事態が起きました。コレラにより、5,000人近くが命を失ったのです。その多くが子どもたちです。ハリケーンや社会的混乱が、さらに復興の障害となりました。所得格差は大きく、子どものニーズに応えるのは難しくなっています。

希望を持ち、楽観的に

課題は山積していますが、ハイチの子どもたちは、祖国の未来をより良くするために、頑張ろうという姿勢を示しています。希望を持ち、楽観視しています。日本の子どもたちに向けたカード、子どもたちのために録音された歌、何の形であれ、世界の人たちと、希望も楽観的な展望も共有したいという気持ちでいっぱいです。

黒柳徹子親善大使は、地震に被災している人たちの避難民キャンプを訪れ、ポルトープランスの大学病院で実施されているユニセフ栄養プログラムも視察しました。「両親のいない14歳の少年に会ったのですが、8歳くらいにしか見えませんでした」黒柳親善大使は、ハイチのユニセフ事務所のスタッフに、語りました。

「その子に、地震は怖かった? と聞いたら、『ノー』と言うので、『揺れている間も?』と聞いてみたの。そうしたら、また『ノー』と言うんです。どうやら、あらゆる困難に遭っているから、ハイチの子どもたちは、地震くらいでは驚かないみたい」