財団法人日本ユニセフ協会




バグダッドのユニセフ職員は、
治療に不可欠な医療機器と医薬品を市内の病院に配る

[アンマン 2003年4月21日]
 ここ2日間、バグダッドのユニセフ職員は、市内の病院、孤児院、教育施設、そして上下水道施設を訪れ、視察を実施しました。

 現在、アルサラム基礎保健センターでは、従来いた職員の7%しか働いていません。しかし、地元のコミュニティのボランティアが医療スタッフを助けています。病院は水不足と、下痢止め薬、注射できる抗生物質や経口抗生物質の不足に直面しています。また、汚物の処理に非常に困っています。通常、この病院は、郊外に住む4万5,000人の人々をカバーしていますが、この地域の他の病院は手術を行えないため、現在、アルサラム基礎保健センターは10万人以上の人々をカバーしています。

 中央子ども病院では、下痢の症例が急増しています。病院を訪れる子どもたちの90%が下痢に苦しんでいます。病院は、1日に2,000人の患者を抱えています。これまでに、病院の庭に100人の遺体を埋めました。そのうち、10%は子どもでした。

 サダム・シティのアルハビビヤ産科病院は略奪の被害にあっておらず、戦争中も機能していました。しかし、職員不足のため、病院は通常の50%のレベルで運営されています。

 バグダッドのアルジャディダ保健センターでは、医療スタッフが1日に1,500人の患者を診ています。同保健センターには、まだ一ヶ月分の医薬品がありますが、発電機を動かすために燃料は、この先2週間分しかありません。紛争の初めに電力が途絶えた際、保管していたすべてのワクチンが使えなくなってしまいました。

 昨日、バグダッドのユニセフ職員は、ヨルダンからアルキンディ病院に送られた、治療に不可欠な医療機器と医薬品を配給しました。現在、病院の状況はようやく改善しています。

 水と衛生分野に関して、浄水設備の発電機を修理し維持するために、ユニセフはいくつかの移動チームを作りました。各チームは、紛争中も発電機が機能するよう保障することができました。しかし、燃料が切れ始めており、より多くの燃料を緊急に手に入れる必要があります。また、バグダッドの主要な浄水設備に必要な燃料をすぐに提供するため、ユニセフは関係者と調整を行っています。一部地域では、ゴミ収集車も動き始めましたが、その数はまだ少なく、街をきれいにする作業は非常に膨大です。

 南部では、ユニセフの水と衛生チームがウムカスルとズバイルを訪れ、地元当局の職員との協力が進んでいると報告されています。これは、多くのエンジニアや他の人材が、これらの街の基礎的な公共設備で働くために戻ってきています。ユニセフは、パイプラインなど、インフラの修理を助けるために、水施設の職員に道具の提供をしています。

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ユニセフは、バグダッドの病院に、
麻酔薬、毛布1,000枚、ORS(経口補水塩)30万パッケージ、
そして1万人分の緊急保健キットを運ぶ

[アンマン 2003年4月20日]
 今日、イラク南部のサフワンでは、1ヶ月前に戦争が始まって以来、初めて小学校が再開しました。街では、8つの学校が再開し、ユニセフは学校に戻る子どもたちを支援するために、40個のスクール・イン・ア・ボックス(教育教材キット)を配給しました。

 それぞれのキットには、子ども80人分と先生2人分の教材が含まれています。こうしたユニセフによるキットの配給により、学校に戻る子ども3,200人、先生80人に支援を行うことができます。

 これは重要なステップです。教育は、子どもが戦争のトラウマを克服するのに役立つツールのひとつです。教育は、特別な環境下にいる子どもたちに、安定と正常感を提供してくれます。教育は、子どもが戦争に悪影響を与えないよう、子どもの心を捉えて離しません。また、教育は、子どもが社会生活に適応したり遊んだりする機会を与えます。これもまた、ストレスや戦争の苦しみを忘れるために、子どもにとって鍵となります。

 これらの学校は、イラク南部がより安定化したために、再開することができたに過ぎません。何度も強調しますが、治安の向上と安定により、支援を必要としている人々に、支援することができます。生活を再開したい人々が、普通の生活を取り戻すことができます。そして、イラクの子どもと人々に、再び希望をもたらすことができるのです。

 保冷設備のついたトラックは、麻酔薬、毛布1,000枚、ORS(経口補水塩)30万パッケージ、そして1万人分の緊急保健キットを運んで、今朝、ヨルダンを出発し、バグダッドのアルキンディ病院に向かいました。バグダッドまでの道の悪さに邪魔されたものの、今夜にはトラックが物資を届けることができるはずです。

 ユニセフの支援物資のうち、きれいな水50万リットルがバスラに配給されました。また、11トンに及ぶ医療機器と給水ポンプが、ここ2日間のあいだに、イラク北部に届けられました。

 また、急性栄養不良の子どもたちを治療するために、合計6トンの高たんぱくビスケットがサフワン、ウムカスル、ズバイルに配給されました。

 昨日、調査団がナシリヤに行きました。地元の人々は、戦争中、基礎保健局や保健省の倉庫がミサイルにより破壊されたと言います。これらの倉庫には、6ケ月分の高たんぱくビスケットを含む保健物資が保管されていました。良いニュースは、ナシリヤの保健施設自体は機能しているということです。

 また調査団は、ナシリヤでは電力が限られていると報告しています。浄水設備は、1日6時間だけ、発電機で動いています。また、浄水剤はわずかしか残っておらず、予備の部品などは略奪されました。ここでは、治安の欠如が続いています。

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募金のお願い

 ユニセフによるイラクへの緊急支援を求める発表を踏まえ、日本ユニセフ協会では、今後さらに必要とされるイラクの子どもたちへのユニセフの人道支援活動を支援するため、イラク緊急募金の受付を開始します。多くの皆様のご支援をお願い申し上げます。