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財団法人日本ユニセフ協会
 



東日本大震災緊急募金 第29報
遊びを通した心のケア

【2011年4月9日 東京発】

© 日本ユニセフ協会
ユニセフハウス(東京)で実施された心のケア研修の様子。

日本ユニセフ協会は、最も弱い立場に置かれている被災地の子どもたちのために、「子どもに優しい空間」づくりを展開しています。「子どもに優しい空間」を通じた心のケア支援のために、「空間」の運営に関わる先生方やボランティアさんたちの研修が続けられています。

9日、ユニセフハウス(東京)では、日本プレイセラピー協会の協力を得て、先生やボランティアさんたちに研修を行うプレイセラピストを対象にした研修が実施されました。

研修に参加した皆さんは、災害時の子どもたちのケアを注意深く確認しあうと共に、自分自身も被災している先生をはじめとするおとなのケアの必要性も指摘していました。こうした災害時には、普段子どもと接している先生に対しても、子どもたちの心のケアについて、一つひとつ丁寧に伝えていくことが重要です。また、被災する前の子どもたちを知っている先生方にしかできない支援も期待したいとの声もありました。日本プレイセラピー協会の代表・理事の湯野貴子さんは次のように話します。

© 日本ユニセフ協会
仙台市の研修の様子

「子どもたちは、体験したことを遊びで表現します。子どもたちが震災に関係した遊びをしていると、まわりは心配しますが、子どもたちはその遊びを通して気持ちを整理し、困難を乗越えるべく対処しているのです。優しく見守ることが必要です。」「先日被災地から戻りましたが、現地の状況は行って見ないと分からないものです。現地のニーズに応じて臨機応変に、想定外のことがあっても対応できるよう、研修を実施しています。」

仙台でも、本日(9日)、ボランティアさん向けの研修が実施されている他、明日は、岩沼市の幼稚園で先生や保育士の方々を対象にした研修が実施される予定です。

© 日本ユニセフ協会
岩手県釜石小学校に設置された「子どもに優しい空間」。

被災地各地の「子どもに優しい空間」の活動に参加したユニセフ職員の井本直歩子さんは、「子どもたちや保護者、先生方の感想は非常に良く、子どもたちは、この活動を首を長くして待っているようです。保護者の方も、子どもたちのストレスがかなり軽減されていると感じていらっしゃるようで、『今後も、できる限り続けてほしい』と声をかけてくださいます」と話し、中学・高校生向けの支援についても検討が必要だと指摘しました。

子どもたちは、震災によって大きな影響を受けています。子どもたちの自然な表現方法である遊びを通して、子どもたちが自分の気持ちや考えを表現し、気持ちの整理や体験の対処法を学んでいきます。子どもたちの心のケアを目的としたこうした活動は、多くの方々のご協力の下、被災地のニーズに合わせて続けられています。

*プレイセラピーとは・・子どもとセラピスト(治療者)の適切で特別な 対人関係の中で、安全な環境と遊び道具を使って、子どもが自分の 気持ちや考えや行動を表現したり探索したりするのを、プレイセラピストという 大人が促進し手伝うものです。(日本プレイセラピー協会より、http://www.ja4pt.org/

現在の支援物資到着状況

支援先
(県別)
支援物資 到着日 数量 寄贈企業 備考
宮城 3月19日 12,288本 VanaH(株) 2Lペットボトル
福島 3月22日 12,672本 VanaH(株) 2Lペットボトル
宮城 男児・女児用下着 3月22日 20万枚    
岩手 男児・女児用下着 3月23日 3万枚    
福島 3月23日 4680本 キリンMCダノンウォーターズ(株) 2Lペットボトル
宮城 子ども用靴 3月23日 10000足  
宮城 子ども用おむつ 3月24日 80パック P&G  
岩手 子ども用下着 3月24日 9700枚    
福島 3月24日 12,288本 VanaH(株) 2Lペットボトル
岩手 3月26日 1404足 アキレス(株)  
岩手 男児・女児用下着 3月27日 28,266枚    
岩手 長靴 3月27日 7462足    
岩手 お尻ふき 3月28日 1200個 P&G 赤ちゃん用
宮城 レクリエーションキット
「箱の中の幼稚園」
4月2日 各50   ユニセフ物資供給センターより調達
岩手 レクリエーションキット
「箱の中の幼稚園」
4月2日 各50   ユニセフ物資供給センターより調達

※一部支援物資については、各県の物資集積倉庫より他県の避難所または被災者に配布されている場合もございます。

2011年4月4日午前9時現在 (広報室まとめ)