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日本ユニセフ協会
 



東日本大震災復興支援 第200報
“UNITED FOR UNICEF”
マンチェスター・ユナイテッド選手ら福島の子どもたちと交流

【2013年7月22日 横浜発】

© 日本ユニセフ協会/2013/M.Miura
選手と子どもたちは、最後にお互いへのエールを交換。子どもたちからは、今日の訪問への感謝と新シーズンのチームの健闘を祈るメッセージが寄せ書きされた横断幕と、マンチェスター・ユナイテッドのユニフォームを模した装飾が施された福島の「起き上がり小法師」が贈られました。

“UNITED FOR UNICEF”を合言葉に、長年、ユニセフとのパートナーシップを通じて世界の子どもたちを支援し続ける英国プレミアリーグの名門チーム「マンチェスター・ユナイテッド」。 プレシーズンマッチのため、今月21日から来日中の同チームは、2005年と2007年に続き、今回も、ピッチ内外から、世界の子どもたちへの支援を呼びかけています。

サッカー界初のパートナー

1999年にサッカー界では世界で初めてユニセフとパートナーシップを組んだマンチェスター・ユナイテッド。14年間と、こうした形態のものとしては最も長く続いているこのパートナーシップを通じてマンチェスター・ユナイテッドがユニセフに提供した資金は、300万英国ポンド(約4億5,000万円)に達します。また、ユニセフが、アジアやアフリカを中心とした開発途上国でこの資金を活用して実施した保健(基礎的な医療)や教育、水と衛生などの分野での支援活動の恩恵を受けた子どもの数は、340万人にのぼります。

© 日本ユニセフ協会
2005年、2007年に続き今年も、ピッチ内外から、世界の子どもたちへの支援を呼びかけているマンチェスター・ユナイテッド。親善試合のピッチ脇広告ボードにも、日本のサポーターやサッカーファンへのメッセージが掲出されました。

マンチェスター・ユナイテッドの貢献は、こうした資金面でのサポートに留まりません。世界的に高名なその地位や影響力をフルに活用し、様々な機会を通じ、ユニセフが訴える子どもの基本的権利の一つとしてのスポーツや遊びの重要性を訴えるとともに、様々な困難に直面する世界の子どもたちの現状を広く一般に伝えています。

毎年世界各地で実施している「プレシーズンツアー」でも、各国のユニセフ現地事務所やユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)と協力して、選手によるユニセフの支援先や児童福祉施設などへの訪問や各種イベントを開催。2005年と2007年の来日時にも、チャリティ・オークションや選手出演の公共CMのスタジアムや各地の屋外ビジョン等での放映、選手による小児病棟訪問への訪問などの活動を展開しました。

© 日本ユニセフ協会/2013/M.Miura
浴衣をまとった女の子たちにお茶とお菓子を振舞われた選手たち。取材に集まった記者の方々から感想を聞かれると、エヴァンス選手は、「少し苦ったけれど、おいしかったよ。普段飲んでいる紅茶とはまた違った味わいだね」っと、笑顔を浮かべていました。

6年ぶりの来日となった今回は、日本ユニセフ協会が実施している東日本大震災復興支援活動に連動し、22日(月)、横浜市内「ふくしまカフェ」で、神奈川県内で避難生活をされている福島の子どもたちと交流。横浜と大阪の公開練習と親善試合に、福島の子どもはじめ親子120名を招待。両スタジアムのピッチ脇に「守れる命がある。変えられる未来がある。」のメッセージを掲げ、世界の子どもたちへの支援を呼びかけています。

「ふくしまカフェ」

日本ユニセフ協会は、震災発生直後から、他の被災地とは異なる状況に置かれた福島の子どもたちを対象に、放射線の心配をせずに外遊びが出来る機会を提供する『おもいっきり!そとあそび』プロジェクトを展開。幼稚園や保育園の園庭や近所の公園で遊ぶことが出来なかった4万7,500人あまりの子どもたちに、“外遊び”の機会を提供。その後、各道府県のユニセフ協会をはじめとする多くの団体やボランティアの方々の手で、「福島子ども保養プロジェクト」として継続されています。また、こうした活動と並行し、それぞれの地域で避難生活を送られている福島県の方々へのサポート活動などに参加されている道府県のユニセフ協会も少なくありません。

© 日本ユニセフ協会/2013/M.Miura
「日本で一番人気のあるスポーツは?」との問いに、「日本ではサッカーも人気だけど、僕自身は野球をやっています」との答えが返り、笑い声に包まれた会場。QAコーナーでは、「一日にどれくらい練習していますか」「夢をあきらめたことはないのでしょうか」など、子どもたちから矢継ぎ早に寄せられる質問に、選手たちも、「毎日、朝9時から練習していて、ほぼ毎日練習はしています」「夢をあきらめることは、努力をやめること。何事も、努力の先にだけ成功があると信じています」と、一つ一つ丁寧に答えていました。

今回、マンチェスター・ユナイテッドの選手たちが訪れた横浜市内中心部の馬車道駅に隣接する「ふくしまカフェ」は、神奈川県ユニセフ協会はじめ、県内に避難された方々を支援する多くの団体が参加する「守りたい・子ども未来プロジェクト」が、本年2月12日にオープン。福島から避難された方々が交流し福島や神奈川県内での生活情報を得られる場として、多くの方々のご協力と避難されている方々の参加で運営されています。

「ハロー! ウェルカム・トゥ・ジャパン!」 この日、覚えたての英語でジョニー・エヴァンス選手とベン・エイモス選手、ジェシー・リンガード選手、そして80年代に英国代表としても活躍したギャリー・ベイリー氏を「ふくしまカフェ」で出迎えた子どもたちは、3歳から18歳までの30人。「どんな話ができるのかな?」「どんな質問をしていいの?」「何か聞いちゃいけないことってある?」。震災後2年以上も経つ現在も避難生活を続ける子どもたちと出会うことに、とても緊張していた様子の選手たちでしたが、『世界にひとつだけの花』の合唱と、振舞われた福島県の銘菓やお抹茶に、そんな緊張も一瞬にして吹き飛んだ様子でした。

エールの交換

© 日本ユニセフ協会/2013/M.Miura
子どもたちから選手に渡された福島県会津の名産品「起き上がり小法師」。マンチェスター・ユナイテッドのユニフォームと同じ赤色に、左胸にはチームのエンブレム。マンチェスター・ユナイテッドのユニフォームと同じ赤色に、左胸にはチームのエンブレム。マンチェスター・ユナイテッド仕様となった縁起物の起き上がり小法師に、選手たちも興味津々。実際に手にとりながら、来るシーズンでの健闘を願うプレゼントに感謝の辞を述べました。

40分と限られた時間ながら、交流を深めた選手と子どもたち。選手たちからオフィシャルグッズをプレゼントされた子どもたちは、会の最後に、今日の訪問への感謝と新シーズンのチームの活躍を祈るメッセージが寄せ書きされた横断幕、そして、マンチェスター・ユナイテッドのユニフォームを模した装飾が施された福島の名産品の『起き上がり小法師』を選手たちに贈りました。

交流を終えた選手たちからは「ここに来れたことを嬉しく思うし、子どもたちのために役立てたなら光栄です」(ジェシー・リンガード選手)「日本で、ユニセフがここまで大きく活動しているとは知りませんでした。子どもたちと実際に触れ合うことができてよかった。」(ベン・エイモス選手)「子どもたちと楽しい時間を過ごせました。新たなシーズンは挑戦になると思うが、気を引き締めてがんばります」(ジョニー・エヴァンス選手)と感想を述べてくれました。また、避難生活などで制限のある生活を強いられている福島の子どもたちへのメッセージを 聞かれたリンガード選手は「夢をあきらめないでください!夢をあきらめることは、努力をやめること。何事も、努力の先にだけ成功があると信じています。」と改めて夢を持つ大切さを教えてくれました。

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