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財団法人日本ユニセフ協会



パキスタン大地震
急がれる緊急支援 子どもたちに医薬品を!

【2005年10月10日 ニューヨーク発】

image1 パキスタン北東部で8日に発生した地震により、何万人もの人が命を落とし、多くの家屋、学校、病院、モスクが破壊、損壊の被害を受けました。また、子どもを含む多くの負傷者が出ており、一刻も早い治療を必要としています。今回の地震被災地では、人口の半数が子ども。支援の手が急がれます。

自然災害としては百年に一度の大きな被害を受けたパキスタンで、ユニセフは、パキスタン政府、他の国連機関などのパートナーと共に、すでに緊急支援活動を開始しています。マンセラの地域中央病院には、毎日、何千もの生存者が運び込まれているとの報告が、現地に入ったユニセフ・スタッフから入っています。

「たくさんの人たちがマンセラになだれ込んでいます」と語るのは、ユニセフの保健担当官のタムール・ムイーヌアッディン博士です。「多くの人たちが骨折、あるいは鈍的外傷<打撲などの外傷>で運び込まれています。何よりもこうしたケガ人を治療しなければなりません」

image1 「家の倒壊で子どもたちが下敷きになって負傷しています。校舎が壊れて子どもたちの上に崩れたという報告も入っています。整形外科的な処置を必要とする子どもがたくさんいます。また、切り傷等、そのままにしておくと傷口から感染を引き起こしてしまう可能性のある子どもたちもたくさんいます」

これから先は雨や寒さも課題

ムイーヌアッディン博士によると、パキスタン軍が毎日200人近い人たちをヘリコプターで病院に搬送していると言います。ほかの負傷者は、別の輸送手段で、あるいは自らの足で病院にたどりついているそうです。地震により道路が寸断され、あるいは地すべりが起きているために、被災地の村や町に到達する手段はヘリコプターだけという状態です。

今回の地震では、何千もの家族や子どもたちが家を失っていますが、夜が寒くなるにつれ、テント、毛布、食糧、温かい衣服、栄養補給剤、浄水用の機器や薬品の早急な到着が急がれます。

ユニセフは、応援スタッフを近隣地域からパキスタンに派遣し、ヘリコプターで支援物資を送り込んでいます。「雨や暑さ、寒さをしのぐためのシェルターを被災者に送る必要があります。今まで、天候的には、暑くも寒くもなく、どうにかやってきていますが、シェルターや毛布もない状態で、冷たい雨が降り出すと、厳しい状態になります」

子どもたちはどこに?!

今回の地震で孤児になったり、家族と離れ離れになってしまった子どもの数が何人になるのか…その数はまだ不明です。親とはぐれてしまった子どもたちを親や家族と再会させるのは、ユニセフの優先課題のひとつとなります。

「家族を失ったり、親・家族とはぐれてしまった子どもたちがたくさんいます。親や家族も、子どもたちを必死に探しています」とムイーヌアッディン博士。「明日からは、親とはぐれてしまった子どもたちを親・家族と再会させる活動にとりかかりたいと思います。また、子どもたちが平常時の生活をいち早く取り戻せるように、学校の再建にもさっそくとりかからなければなりません」


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◇ 募金のお願い ◇

 日本ユニセフ協会では、被災地域におけるユニセフ活動を支援するための募金を、下記の方法で受け付けています(当協会への募金は寄付金控除の対象となります)。皆様のご協力をお願い致します。