公益財団法人日本ユニセフ協会
HOME > 世界の子どもたち > 緊急支援情報 > ソマリア干ばつ緊急募金


ソマリア干ばつ緊急募金 第12報
日本政府、ユニセフを通じエチオピアで栄養不良の治療を支援

【2011年8月9日 エチオピア、フェディス地区発】

© UNICEF ETHIOPIA/2011/Getachew
ザラ・アーメドと生後10ヶ月の彼女の娘ナイレ・ケリファ。エチオピアのフェディスにあるベリーナ・アルバ保健所での毎週の外来栄養治療プログラムにて。

ザラ・アーメドさんは途方にくれていました。彼女の7人の子どもたちの中で一番幼い生後10ヶ月のナイレ・ケリファちゃんは食欲がなく体重も激減していました。エチオピア東部の干ばつによって、トウモロコシ、ピーナッツ、キャベツ、ジャガイモやその他の野菜など、子どもたちに食べさせる作物の収穫が遅れています。

ザラさんの家族は、市場で購入できるものに頼って生きています。しかし食糧価格の継続的な高騰に伴い、それらは不十分になってきています。 地域の保健所で、ナイレちゃんは重度の栄養不良と診断されました。ナイレちゃんはベリーナ・アルバ外来治療食プログラムで一番最近の患者で、ここでは重度の栄養不良の子ども41人を治療しており、昨年の同時期の13人に比べ増加しています。

「今年は状況が違います」とベリーナ・アルバ保健所で保健員を務めるレムレム・ウォルクさんは言います。「雨が降るのが遅かったのです。本来なら、この時期には収穫しているはずなのに。普通は、これほど子どもが来ることはありません。食べ物があるはずですから。」

すぐに使える栄養治療食品

© UNICEF ETHIOPIA/2011/Getachew
週に一度の外来栄養治療プログラムで、ナイレ(生後10ヶ月)の体重を量る保健員レムレム・ウォルクさん。エチオピアのオロミア州ベリーナ・アルバ保健所にて。

エチオピア政府は、2011年には30万人以上の子どもたちが重度の急性栄養不良の治療を必要とすると見積もっています。重度の急性栄養不良となった子どもの数が、フェディスや東部エチオピアの東ハレルゲ地区など近隣の地域で増加していることから、地区の保健事務所は、ユニセフが日本政府からの支援で購入した、すぐに使用可能な栄養治療食品が入った箱を発送します。

急性栄養不良への対応のために日本政府が援助している740万ドルは、エチオピアで大いに役立っています。日本の支援により、アファール州、アムハラ州、オロミア州、ソマリ州、ベニシャングル・グムズ州、ガンベラ州、南部諸民族州などにおいて、より多くの人々が支援を受け、命を救われているのです。

保健所を初めて訪れたときのナイレちゃんの体重は4.8キロ。体重が5.5キロに増えるまで、治療は続きます。現在、ナイレちゃんは食欲もあり、回復の見込みが大いにあります。保健所を去る前に、ウォルク保健員は赤ちゃんの母親に、アモキシシリン抗生物質を一瓶と、すぐに使用可能な栄養治療食一週間分を手渡します。

「娘のことをとても案じていました。」とアーメドさんは言います。「レムレムさんが、ナイレのためのお薬と、栄養価の高いパック入りの食品をくれました。私は、これで娘が救われると信じています。」

「私たちは彼らのために祈る」

© UNICEF ETHIOPIA/2011/Getachew
日本政府からの資金協力により調達された、すぐに使用可能な治療食を援助関係者が届けている。エチオピアのオロミア州で。

ユニセフは、干ばつの影響を受け、食糧の供給が不安定となっている地域において、8,800以上の拠点でエチオピアの人々が自ら重度の急性栄養不良を治せるよう、ユニセフは対応能力の向上を支援してきました。外来栄養治療のための保健員の訓練に加え、ユニセフは治療食や補充栄養、医薬品、体重計やメジャー、その他のプログラムに必要なものを提供しています。

日本政府の支援によって、重度の栄養不良状態にある子ども54,000人が、治療食品の適時調達および配布、管理の恩恵を受けることになります。