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財団法人日本ユニセフ協会
 



シリア緊急募金 第42報
国連がシリア危機に対する共同声明を発表

【2013年4月15日 ニューヨーク/ジュネーブ/ダブリン発】

長引くシリア危機に対し、シリア国内で活動する国連の人道支援機関の代表者たちが共同で声明を発表しました。

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もうたくさんです。

シリアで武力紛争が勃発してから2年が経過。何千人もの子どもを含む7万人以上が命を落としました。

500万人以上が住む場所を追われ、そのうち100万人以上は近隣諸国への避難を余儀なくされ、厳しい生活を強いられています。

多くの家族が引き裂かれ、コミュニティは崩壊。学校や病院は破壊され、上下水道は機能していません。

これだけのことが起こってもなお、シリアでの残虐行為と大量殺戮を終わらせることができるはずの政府や関係当局の緊迫感は乏しいように見受けられます。

我々は、国連機関の代表者として、この悲劇の犠牲者を悼み、政治的指導者に対し、シリアの人々とこの地域の将来に対する責任を果たすよう求めます。

すでに転換期を迎えているこの地域で、これ以上多くの人々が故郷を追われ、命と未来を失ってしまう前に、彼らのもつ影響力を発揮し、この恐ろしい紛争を政治的な解決に導いてほしいと思います。

我々国連機関とパートナー団体は、やれるべきことを全て行っています。多くの政府や民間の皆様のご支援に支えられ、100万人以上の難民に避難場所を提供。紛争によって避難を余儀なくされた数百万人のために、食料や生活必需品を支援。また、シリア国内と近隣諸国に避難している550万人以上のために、水と衛生設備(トイレ)を設置。150万人以上の子どもにはしかとポリオの予防接種を実施したほか、数百万人のシリア難民のために基礎保健サービスを提供しています。

しかしながら、こうした支援は十分なものではありません。ニーズは増加している一方で、シリア国内の安全の確保や様々な制限、また資金不足によって、人道支援活動の対応能力は低くなっています。今後数週間以内に、いくつかの人道支援活動が滞ってしまうことが懸念されています。

今日、我々が訴えていることは、より多くの資金援助ではなく、今必要なことそのものなのです。資金以上に重要なことを求めているのです。この残虐な武力紛争の影響を受けた全ての人々のために、そしてそうした人々に影響を与えることができる全ての政府に訴えます。

いま苦しんでいる全ての人々に代わって、そして将来の不安にさらされているさらに多くの人々に代わって:もうたくさんです!皆さんの力を結集させ、今こそ、シリアの人々を守り、この危機からこの地域を救い出すときなのです。

本声明は、ヴァレリー・エイモス国連人道問題調整事務所緊急援助調整官、世界食糧計画のアーサリン・カズン事務局長、アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官、ユニセフのアンソニー・レーク事務局長、世界保健機関のマーガレット・チャン事務局長による共同声明です。

 

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