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財団法人日本ユニセフ協会
 



シリア緊急募金 第68報
ユニセフの支援物資、チャーター機でレバノンに到着

【2013年10月24日 シリア・ダマスカス発】

© UNICEF Lebanon
ユニセフのトラックに積み込まれる支援物資(写真はイメージです)

ユニセフのチャーター機が、24日、レバノンの首都ベイルートに到着しました。積まれていたのは、シリア国内で緊急に必要とされているワクチンと、子どもたちのための補助食です。到着した物資は、ここからトラックで、シリア国内へと運ばれていきます。

命を守る物資

チャーター機が今回空輸した物資の総量は、約28.6トン。26万5千回分の3種混合ワクチン(はしか、おたふく風邪、風疹)や、『スーパーシリアル』と呼ばれる生後6〜23ヶ月の子どものための補助栄養食がその中身です。

© UNICEF Video
避難先のキャンプではしかの予防接種を受けるシリア難民の子ども(写真はイメージです)

ワクチンは、ユニセフなどの支援を受けシリア保健省がすでに展開している予防接種キャンペーンで使われます。

「この予防接種キャンペーンは、特に重要な意味をもっています。なぜなら、紛争によって定期予防接種を受けられなかった子どもたちに、ワクチンを届けるのですから」とユニセフ・シリア事務所のアブデル・ジェリル代表は言います。

「緊急に必要とされているワクチンを一刻も早く確保するために、今回は、一番早い航空機を使いました。一緒に届いたスーパーシリアルがあれば、シリアの中でも最も困難な状況に置かれている幼い子どもたちが緊急に必要としている栄養支援を届けることができます」(ジェリル代表)

悪化する栄養状態

© UNICEF/NYHQ2013-0205/IMAN MOROOKA
ホムスの避難民区キャンプで診療を受ける、避難民の幼い子ども (写真はイメージです)

紛争が長引くにつれ、悪化の一途をたどるシリアの子どもたちの栄養状態が懸念されています。ユニセフ職員が先日訪れた病院では、2年前と比べ、中度や重度の急性栄養不良と診断される子どもたちの数が増加傾向にあると報告されていました。他の支援団体からも、ダマスカス郊外やアレッポ、ホムスを含む地域で、同様の傾向が見られるとの報告が寄せられています。

「避難生活や食料価格の高騰、さらに、場所によっては食料自体手に入らない状況も見られます。こうしたことすべてが、子どもたちの栄養状態に悪い影響を及ぼしています。迫り来る冬が、この状況をさらに悪化させてしまうのではと懸念しています」(ジェリル代表)

主原料の麦と大豆に必須ビタミンやミネラルを強化した『スーパーシリアル』は、重要な成長・発達期にある子どもたちに、栄養満点のおかゆとして提供されます。ユニセフ・シリア事務所は、他の人道支援団体などと協力し、今後3ヶ月間かけて、紛争の影響が最も深刻な地域に住む子どもたち5万人に、こうした物資などを使って、栄養支援を届けていきます。

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