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財団法人日本ユニセフ協会
 



フィリピン台風緊急募金 第16報
保健、栄養、教育、水と衛生・・現地で続けられる支援活動

【2013年11月28日 タクロバン/マニラ発】

© UNICEF/PFPG2013P-0347/KENT PAGE
タクロバンの「子どもにやさしい空間」で、絵本の読み聞かせを熱心に聞く避難民の子どもたち

台風30号による災害発生から3週間が経過した11月27日時点において、被災した子どもは594万人、そのうち147万人の子どもが避難を続けていると報告されています。

フィリピンに派遣された水の衛生、栄養、教育など各分野のユニセフの専門官は28日時点で94名にのぼります。そのうち73名がタクロバンやセブ、ロハスを含む被災地に入り、多岐にわたる支援活動を続けています。

■ユニセフの支援活動—11月29日現在のハイライト■

保健

© UNICEF/PFPG2013B-0394/
タクロバンの避難所ではしかの予防接種を受ける3歳の子ども
  • タクロバンで、26日、はしかとポリオの予防接種キャンペーンが始まりました。ユニセフとWHOなどの支援を受けたフィリピン政府によって展開されており、キャンペーンの第一回目となる今回、3万人以上の子どもたちへの予防接種が期待されています。
  • 予防接種とあわせ、子どもたちには、感染症に対する免疫を向上させるビタミンAも投与も実施されます。
  • ユニセフとWHOは協力してコールドチェーン(ワクチンを適切な温度で保ちながら輸送する物流システム)の復旧を急いでいます。

栄養

  • 被災地の135万人の5歳未満児、65万人の妊婦あるいは授乳期の女性に栄養不良のリスクがあると報告されています。ユニセフは、6ヶ月〜5歳未満児の子ども1万2,000人を対象にした、急性栄養不良に対するコミュニティーを基盤とした管理プログラム、また6ヶ月〜2歳未満児の4万人の子どもたちを対象にした補助栄養食プログラム、また19万7,500人の2歳未満の幼児と授乳期の女性を対象にした6ヶ月以上の栄養プログラムを提供しています。
  • タクロバン市内の避難センターに身を寄せているすべての5歳未満児に対し、栄養状態のチェックが実施されました。他の被災地域でも、現在、栄養状態のチェックが行われています。現時点までで、子ども229人が中・重度の栄養不良に陥っており、51人の妊婦あるいは授乳期の女性が重度の栄養不良であると報告されています。

子どもの保護

© UNICEF/PFPG2013P-0350/
タクロバンから避難してきた人々のレセプション・センターであるマニラのビラモア空軍基地
  • ユニセフは、避難民のトランジット・センター(乗り継ぎ拠点)であるマニラ市内のビラモア空軍基地に「子どもに優しい空間」を開設。あわせて、児童労働や人身売買を含めた、子どもへの虐待や搾取を防止するための専門家を配置しています。これは、労働させる目的で子どもを雇おうとしたケースや、子どもに対する人身売買を試みたケースがあったとの報告により実施されているもので、今後、より一層の警戒が必要とされています。人身売買を防ぐための取り組みは拡大されており、現在タクロバン、ロハス、サマール/マトノグ、セブ、マニラ、ビラモア空軍基地、オルモックの6つの主拠点で実施されています。
  • ユニセフは、RapidFTR技術を用いた、家族と離ればなれになった子どもたちを発見・保護し、家族と早期再会させるプログラムを実施。そのハブ拠点をタクロバンに設置。政府の子どもの保護担当窓口となる、フィリピン国家警察の女性と子どもの保護担当や、主要な13の自治体の社会福祉開発担当への教育を提供。来週には、サマール島の9自治体の担当官にも教育が提供されます。

教育

  • フィリピン教育省は、ユニセフとパートナーの支援の下、現地時間12月2日より、被災地の学校にて暫定的な授業を再開します。
  • ユニセフはテント20基をタクロバンに届け、4,000人の就学期の子どもの学習スペースを確保します。また、別のテント5基をロハスに設置中です。さらにカピスでも、一時的な教室となる学校用テント10基を設置し、子ども3,000人が学べるスペースをつくる予定です。
    またユニセフは、西部・東部ビサヤ地方の子どもたちに「箱の中の学校」(スクール・イン・ア・ボックス)375個、レクリエーションキット278個、「箱の中の幼稚園」(早期幼児開発キット)124個を届けました。この支援により、2万3,000人の子どもたちが恩恵を受けます。

水と衛生

  • 被災地の16万8,000人に水処理用品や貯水袋、家庭用貯水器を提供。また2万6,000人に基本的な衛生セットを提供し、タクロバン市内やその周辺の2万2,000人に家庭用衛生キットを配布しました。
  • タクロバン、セブ、カピス、ロハス、および西サマールの3都市で水の供給を復旧。少なくとも42万8,000人以上が安全な水を利用できるようになりました。