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UNICEF コソボ速報No.21999年4月16日 <NEWS 1>
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郵便振替 | 00110-5-79500 |
口座名義 | 財団法人 日本ユニセフ協会(通信欄に「コソボ」と明記 ) |
ユニセフ(国際連合児童基金)事務局長のキャロル・ベラミーは4月11日、コソボ地域から難民の流入が続くアルバニア・ククスの難民キャンプを訪れた。ベラミー事務局長は子どもの生命、健康、保護、発育の分野におけるユニセフの緊急援助の視察や、難民の家族と直接対話を行うなど積極的に現地の状況を調べた。この後ベラミー事務局長はアルバニアのマイコ首相や政府高官と会談し、子どもや女性の状況を改善するために、全国レベルでの予防接種や難民キャンプにおける子どもの心理カウンセリグの促進、教育活動の再開支援などを協議した。
4月15日現在、アルバニアに流入した難民総数は31万8000人にのぼった。子どもや女性の難民のためのユニセフの新たな救援物資15トンが、4月15日アルバニア・ティラナ空港に到着した。ユニセフは難民が多く集まっている地域にある6つの保健センターを支援しており、空輸された水タンクや水の浄化キット、毛布、テント43セット(500人用)、母子のための保健キット、助産婦用器具、基礎医薬品などの配布をユニセフスタッフが早速始めた。また、ユニセフによる訓練を受けた教員やソーシャルワーカーのチームは各難民キャンプを訪れ、紛争によって精神的外傷を負った子どもの心理カウンセリングや教育活動の再開を支援している。
女の子はおそらく1歳半、名前は分からない。ユニセフの支援するモスク周辺の保健センター近くで、迷子になっているところをスタッフに発見された。彼女は極度のトラウマ(精神的外傷)を負っており、自動車や制服を着た男性が近づく度に泣き叫び、体の震えが止まらなくなる。彼女の口から出る言葉は3つだけ…「ママ」、「トラック」、「UCK(?)」。現在若いカップルが彼女の面倒を見ており、ユニセフの心理カウンセリングチームも支援を行っている。スタッフは彼女を「Atdhetare=故国の愛」と名づけた。混乱の続く難民キャンプには、拡声器を使い必死になって彼女の家族を探すスタッフの姿があった。
ユニセフは救援活動を行っているアルバニア、マケドニア、モンテネグロ、ボスニア、ベオグラードにある現地事務所のスタッフを増強しているが、その中のマケドニアで救援活動を続ける日本人ユニセフスタッフ・杢尾雪江氏は、NATO空爆開始以前コソボ・プリシュティナにあるユニセフ現地事務所にて勤務していた。コソボからの国連職員引き上げに伴い、隣国マケドニアのスコピエに移り、難民の援助活動を行っている。
ユニセフ・マケドニア事務所では、予防接種の普及、基礎医薬品の配布、家族の再会支援、心理カウンセリングの実施や学校教育再開支援に重点を置いた活動を行っている。4月15日には3万1000人分のポリオ・ワクチン、2万1000人分の3種混合ワクチン(はしか、おたふくかぜ、風疹)が現地に新たに到着した。また、洗濯可能なおむつ4000個や、歯ブラシ・石鹸などが入った衛生キットを3つの難民キャンプで配布するとともに、難民を受け入れている一般家庭に対しても離乳食、缶詰、Tシャツなどの生活必需品の提供を進めている。4人の専門家を含めた心理カウンセリングチームが派遣され、3歳から10歳までの子どもたちが学校でのように学び、遊び、おしゃべりをすることができる環境が整うようにアドバイスを行っている。
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