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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

UNICEF コソボ速報No.6

1999年6月14日
《報道各位》

<TOPIC 1>
ユニセフ、コソボでの帰還難民の支援開始へ

国連機関の調べによると、6月3日現在コソボ周辺国・地域に避難している難民の総数は78万2100人にのぼり、コソボ自治州内の国内避難民とあわせると、非自発的要因で故郷を追われた住民は100万人を超える。周辺国地域に流出した難民の内訳は以下の通り。

6月10日の和平合意によるコソボ自治州内の治安回復に伴い、周辺国・地域に避難していたコソボ住民の短期間での帰還が予測され、ユニセフは国連機関、NGOと協力して帰還難民に対する人道援助活動を本格的に開始する。
コソボ自治州ではこれまでに100万人以上が家を失い、アルバニア系住民の78万人が隣接国・地域に難民として流出した。紛争により州内のほとんどの都市が破壊され、40万〜80万人もの国内避難民が、生活に必要な食料や物資に不足しながらも、避難施設の無い僻地の山岳地帯に身を潜めているとみられる。ユニセフは来るコソボ難民の大量帰還に備え、本格的な援助計画の実施準備を進めており、コソボへのアクセスが確保され次第、備蓄している緊急援助物資のコソボ内への輸送作業を開始する。特に保健、教育、地雷教育等の分野において、ユニセフは包括的な援助活動を実施する。

保健・栄養

ユニセフは地域NGOとなどと共にコソボ内に巡回医療チームを派遣し、国内避難民に対する保健サービスの提供を行う。コソボへのアクセスを確保次第、保健・衛生に関する相談、基礎医薬品の提供などの保健支援を開始すると同時に、必要な車両、器具、緊急救援物資の調達を行う。また、基礎医薬品、緊急医療キットなどの迅速な配布を通じて、各村での保健所の再開を支援する。冬の到来に備え、5歳未満児を中心に、はしかなどの疫病に対する予防接種活動を重点的に行うために、巡回予防接種チームの派遣も行う。また水質試験キット、脱水症を防ぐ経口補水塩などの提供と共に、保健教育の普及を図り、紛争によって崩壊した保健サービスの復興支援を積極的に実施する。また、特に乳幼児に対する緊急食料の配布も行う。

初等教育と地雷教育

初等教育の早期復興のために、ユニセフは「箱の中の学校」と呼ばれる基礎教材・教具セットの提供と教員の再訓練の実施、冬に備えた教室の修復、教育用備品や学校用衛生器具の提供を行う。地雷や不発弾に対する意識を高めるため、現地の言語による地雷・不発弾の事故を防ぐ安全教育用教材の提供を小学校に行う。

特に困難な状況にある子ども支援

トラウマ(精神的外傷)を負った子どもや女性に対する心理社会的支援を行うため、ユニセフはNGOと協力して、地域に密着した形で心理社会的ワークショップの実施を計画している。これには紛争の間、性的暴力や虐待の標的となった女性に対する医学的、心理社会的な支援も含まれる。また家族と離れ離れになった子どもの再開支援を、赤十字国際委員会などと協力して行う。ユニセフは支援の必要性の高い国内避難民の子どもや女性に対しては、生活必需品や緊急救援用品、衛生用品、毛布などの順次配布を進める。

<TOPIC 2>
ユニセフ、7月−12月の援助活動に対する支援を要請

6月9日、ユニセフは7月から12月の期間にコソボ自治州内、隣接国・地域にて主に子どもと女性を対象に行う援助活動のための資金4,065万米ドルを国際社会に要請した。計画ではコソボに帰還する予定の難民の援助を重点的に行うとともに、この期間にも残ると予想される周辺国・地域の難民の子どもと女性に対する支援も継続して行う。

活動地域 活動内容 必要資金(米ドル)
コソボ 保健・栄養
初等教育・地雷教育
特に困難な状況にある子ども支援
事業支援費
6,550,000
6,500,000
2,500,000
2,900,000
合計 18,450,000
モンテネグロ 保健・栄養
初等教育・地雷教育
特に困難な状況にある子ども支援
事業支援費
900,000
600,000
300,000
200,000
合計 2,000,000
セルビア・ボイボディナ 保健・栄養
初等教育・地雷教育
特に困難な状況にある子ども支援
事業支援費
3,000,000
2,000,000
1,000,000
1,000,000
合計 7,000,000
アルバニア 保健・栄養
水・衛生
初等教育・地雷教育
特に困難な状況にある子ども支援
事業支援費
2,100,000
800,000
1,500,000
600,000
1,000,000
合計 6,000,000
マケドニア 保健・栄養
初等教育・地雷教育
特に困難な状況にある子ども支援
事業支援費
1,100,000
1,600,000
700,000
600,000
合計 4,000,000
ボスニア・ヘルツェゴビナ 保健・栄養
初等教育・地雷教育
特に困難な状況にある子ども支援
アドボカシーと社会動員
事業支援費
650,000
550,000
400,000
150,000
250,000
合計 2,000,000
クロアチア 保健・栄養
初等教育・地雷教育
特に困難な状況にある子ども支援
子どもの権利保護とアドボカシー
事業支援費
80,000
60,000
30,000
10,000
20,000
合計 200,000
広報   1,000,000
合計   40,650,000

以上の援助予算は、今までの援助アピールによる予算は含まれず、新たにこの地域で必要とされる援助資金である

<TOPIC 3>
コソボ緊急募金のお願い

ユニセフの緊急アピールを受け、日本国内では財団法人日本ユニセフ協会(本部:東京都新宿区、会長:澄田 智)が、ユニセフの緊急援助を支援するためコソボの子どものための緊急募金受け付けを行っている。
ユニセフは今年5月に国連調査団の一員としてコソボ自治州を調査した際、特に困難な状況にある子どもに対してベビーフードや衛生用品を配布した。ユニセフはこれまでに和平を視野に入れて、コソボ自治州での迅速な援助活動を実施する準備を進めてきた。教育では、小学校50校の補修、150の仮教室開設のため、教材・教具を近隣国で備蓄している。

コソボ緊急募金口座
郵便振替   00110-5-79500
口座名義  財団法人 日本ユニセフ協会(通信欄に「コソボ」と明記 )

・送金手数料は郵政省のご協力で免除されます。
・当協会への募金は寄付金控除が認められます。

お問合せ先
(財)日本ユニセフ協会
[報道関係者]
広報室 :03-3355-0161
[一般]
協力事業部 :03-3355-3222

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