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避難民の数は最大47万人に
日本ユニセフ協会、東ティモール緊急募金の受付開始
1999年9月21日
東ティモールの独立を問う住民投票後の急速な治安悪化に伴う東ティモール内外の避難民に対し、ユニセフ(国際連合児童基金)は約5億5000万円の緊急援助を開始します。財団法人日本ユニセフ協会(本部:東京都新宿区、
会長:澄田 智)は、1億円を目標に東ティモール内外の子どもや女性に対するユニセフの緊急援助を支援する「東ティモール緊急募金」を開始しました。
西ティモールに避難した東ティモール住民は約17万人にのぼり、うち10万人以上は子どもと女性です。短期間による大量の避難民流入により、難民キャンプでは多くの子どもたちが食糧不足や保健、衛生環境の悪化、下痢、マラリア、急性呼吸器感染症などの危険に直面しています。また、東ティモールでは19万人から30万人にのぼると見られる避難民が、食糧や社会サービスを受けられない状況にあります。
ユニセフはすでに西ティモールへ避難した子どもや女性に対して、テントやトイレ、衛生用品、栄養補助食提供など緊急援助を行っています。東ティモール内では、ユニセフは国連機関として1982年より唯一行っていた援助活動を、多国籍軍の駐留後に再開し、当面は毛布や飲料水、基礎医薬品などの緊急援助物資の航空機による投下を行います。また、陸上輸送の安全性が確保され次第スタッフが東ティモールに戻り、テント、給水設備、調理器具、医療用具等の提供や巡回医療チームの派遣を行います。ティモールに対する中長期的な復興支援として、破壊された学校の修復や子どもへの心理カウンセリング等も実施する予定です。
このようなユニセフの活動を支援するため、皆様のご理解・ご協力をお願い申し上げます。
東ティモール緊急募金
郵便振替: |
00110-5-79500 |
口座名義: |
財団法人 日本ユニセフ協会
(通信欄に「東ティモール」と明記 ) |
・当協会への募金は寄付金控除の対象となります。
お問合せ先
(財)日本ユニセフ協会 |
[報道関係者]
|
広報室:03-3355-0161
|
|
[一般]
|
協力事業部:03-3355-3222 |
|
[報道資料]
東ティモールへのユニセフの緊急援助
現在、東ティモール内の避難民の数は19万人から30万人にのぼると見られる。ユニセフは多国籍軍の駐留による治安回復後、東ティモール内での緊急援助を開始する。援助活動は、1)航空機による緊急援助物資の投下、2)治安回復後3ヵ月の緊急援助、3)1年間にわたる復興支援の3段階に分けて行う。支援内容と活動予算は下記の通り。
1.第1段階…航空機による援助物資の投下
分野 |
支援内容 |
予算(米ドル) |
避難施設 |
毛布 |
75,000 |
水 |
飲料水 |
15,000 |
食糧 |
栄養補助食 |
11,500 |
保健 |
医薬品 |
45,000 |
小計 |
|
146,500 |
2.第2段階…治安回復後3ヵ月間の緊急援助
分野 |
支援内容 |
予算(米ドル) |
避難施設 |
テント、蚊帳、衣服、輸送経費、モニタリング |
220,000 |
水 |
タンク、コンテナ、ポンプ、パイプ、塩素、浄化タブ、輸送費など |
233,000 |
食糧 |
栄養補助食、調理器具 |
92,000 |
衛生 |
工具、手押し一輪車、プラットフォーム、労働力確保など |
72,500 |
保健 |
基礎医薬品(はしか、マラリア、急性呼吸器感染症など)、巡回医療チーム用車両など |
346,000 |
心理的カウンセリング |
人材訓練、専門家派遣など |
30,000 |
教育 |
学校用テント、教材・教具の入った「箱の中の学校」セット、玩具など |
125,000 |
その他 |
燃料、発電機、輸送経費など |
130,000 |
小計 |
|
1,248,500 |
3.第3段階…1年間の復興支援
分野 |
支援内容 |
予算(米ドル) |
避難施設 |
屋根、セメント、建物修復など |
45,000 |
水 |
タンク、ポンプ、パイプ、塩素、浄化タブなど |
126,000 |
食糧 |
栄養補助食 |
74,000 |
衛生 |
セメント、労働力確保 |
30,000 |
保健 |
基礎医薬品、保健所用器具など |
125,000 |
社会的カウンセリング |
専門スタッフ派遣 |
25,000 |
教育 |
学校校舎の修復、教材・教具 |
100,000 |
運営支援 |
活動運営費、輸送費、燃料など |
1,685,700 |
小計 |
|
2,210,700 |
合計:東ティモールへの援助活動・・・・・・3,605,700 |
西ティモールへのユニセフの緊急援助
9月14日現在、西ティモールに避難した住民は約17万人にのぼる。うち10万人は子どもと女性であり、2万2000人が5歳未満児、9000人が2歳未満児である。東ティモールの独立を問う住民投票開始後、避難民の流入は1日に2000人以上にのぼり、住民投票の結果発表後その数は1日1万人以上に達した。
ユニセフは西ティモールに避難した住民に対して、クパンにあるユニセフ現地事務所のスタッフを増員し、緊急援助(4ヵ月)及び復興支援(8ヵ月)の2段階に分けて支援を行っている。第1段階では避難民のニーズに基づいて、緊急援助物資の提供を中心に支援を行い、第2段階では主に社会サービスの復興と充実を目標とした中長期的な復興支援が中心となる。支援内容及び活動予算は下記の通り。
1.第1段階…緊急援助(4ヵ月間)
分野 |
支援内容 |
予算(米ドル) |
避難施設 |
テント、プラスチックシート、調理器具など |
358,500 |
水と衛生 |
家庭用衛生キット、飲料水用コンテナ、飲料水タンク、トイレ、輸送費、モニタリングなど |
127,000 |
食糧と栄養 |
栄養補助食、輸送経費 |
76,000 |
保健 |
巡回医療チーム派遣、医薬品セット |
83,000 |
教育と
カウンセリング |
教材・教具、教員訓練、トラウマカウンセリング、カウンセラー養成など |
114,000 |
評価、運営、モニター |
コンピュータ、職員訓練など |
7,000 |
小計 |
|
765,501 |
2.第2段階…復興支援(8ヵ月間)
分野 |
支援内容 |
予算(米ドル) |
食糧と栄養 |
栄養補助食 |
50,000 |
保健 |
巡回医療チーム派遣、医薬品セット |
48,000 |
教育と
カウンセリング |
教員とカウンセラーの給与、モニタリング、指導、監督など |
24,000 |
評価、運営、モニター |
職員訓練、調整費など |
4,000 |
運営支援 |
活動運営費、輸送費、燃料など |
429,900 |
小計 |
|
555,900 |
合計:西ティモールへの援助活動・・・・・・1,331,403
|
総合計 (東ティモール及び西ティモール)・・・4,937,103
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