“学校へ行こう”キャンペーン記念日
教育の恩恵を受けたスーダン南部の子どもは100万人以上
【2008年4月1日 ジュバ発】
スーダン南部の子どもたちは、ユニセフの支援で実施されてきた「学校へ行こう」イニシアチブの2度目の記念日を迎えた。2005年にはたった34万人しかいなかった生徒数は、今年130万人になると期待されている。
このイニシアチブは、包括的和平合意が結ばれた1年後にスーダン南部政府の教育科学技術省によって始められ、すでに学校にいた子どもへの支援と同時に、200万人以上の子どもを就学させることを目的としたものである。
スーダン南部政府教育省ジョブ・ドルアル大臣は、次のように述べた。「スーダン南部政府およびパートナー団体・機関の献身に支えられ、我々は総合的な教育制度を構築する力を得ることができた。これまでの前進を振り返り、私はとても感動している。今後の課題は、スーダン南部のすべての子どもが質の高い教育を受けることができるよう努力することである。」
何百万もの通学用バッグや教科書、鉛筆、その他の基本的な学習教材(教師用も含む)が、しばしばインフラの限られた遠隔地にある地域社会にトラックや船、時には徒歩で届けられた。
スーダン南部の「教育の日」に際し、ユニセフ・スーダン事務所テッド・チャイバン所長は、教育の質を高めるために達成されてきたこれまでの成果を基礎として前進しなければならないと強調し、次のように述べた。「スーダン南部にとって、教育はもっとも重要な投資である。スーダン南部の子どもがだれでも学校に通い、質の高い教育をうけられるようにすることを、我々はここに固く決意する必要がある。」
現在就学している130万人の子どものうち、34%は女の子である。これは、教室に女の子を入れないというタブーを覆したきわめて画期的な出来事である。戦時中、初等教育を修了した女の子は1%未満であった。また2006年に実施された学習スペースに関する調査で、スーダン南部にある2,922校のうち正規の校舎があるのは16%にすぎなかった。
就学率を推進することのほか、ユニセフは過去2年間にわたってスーダン南部政府を支援し、200以上の正規の教室を建設し、また既存の約300教室を修復した。400以上の教室用テントも提供され、正規の教室が建設される間、青空学校に仮の教室を提供してきた。
ユニセフはまた、スーダン南部の教師5,000人の研修を行い、英語によるカリキュラムの開発と実施、現在も行なわれている教員対象の集中英語コースなどを支援している。
「今年の中核となるのは、より多くの教室の建設、教員研修の継続、今年になってモニタリングと計画作成のツールとして開発された情報管理システムの強化などである。スーダン南部政府やパートナー機関・団体と緊密に協力することで、より多くの子どもが良い環境で質の高い教育を受ける権利を享受すると、我々は確信している。」チャイバン所長はこう述べた。
しかしながら所長は、この目標を達成するためにさらに多くの資金援助が必要であることにも言及した。「ユニセフは、今年スーダン南部の教育プログラムに1500万米ドルが必要であると呼びかけている。これは、子どもたちが学校に継続して通うために必要な学習教材や教員研修、正規の校舎の建設や重要な能力構築などに必要な経費である。」
「学校へ行こう」イニシアチブは、デンマークやアイルランド、オランダ、日本などの各国政府、ドイツやスイス、イギリス、アメリカなどのユニセフ国内委員会など数多くのドナーによって支援されている。