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ユニセフ、ソマリアで44,000人の子どもに食糧供給【2008年5月14日 ナイロビ発】 ユニセフは干ばつが悪化し、食物価格の高騰や紛争で多くの人々が移住を余儀なくされているソマリアの中・南部のモガディシュとアフゴイで、5歳未満児44,000人を対象に、栄養補強食品の供給を開始した。 ユニセフは地元の長老やソマリアの現地NGOと連携し、モガディシュからの国内難民約30万人の中の5歳未満児の約90%以上に支援を行うことにしている。過去3日間に、9ヶ所の配給所でUNIMIXと呼ばれる粥状の栄養補助食が44,000人の子どもたちに提供された。今後3ヶ月あまりにわたり、子ども1人当たり月10kgの栄養を強化したトウモロコシと大豆などを合わせた粉が配給される予定である。 ユニセフ・ソマリア事務所のウンニ・シルコセット栄養担当官は、次のように述べている。「この食糧供給プログラムは、人道的危機のなかで始まった。260万人以上のソマリア人がすでに食糧の入手が不安定な状況にあり、年末までに食糧援助が必要となる人口は350万人(ソマリア人口のほぼ半数)と推定される。我々がとくに懸念しているのは、中でも最も弱い立場にある子どもたちのことであり、あらゆる手段をつくして乳幼児への被害拡大を防ぐつもりだ」。 ユニセフのパートナー機関・団体による報告では、現在モガディシュ・アフゴイの栄養治療プログラムで約2,000人の子どもたちが治療を受けており、重度の栄養不良児の入院が増加している。5歳未満のすべての子どもにUNIMIXを配給することで、ユニセフは重度の栄養不良になる危険がある子どもの数を減らすことができると期待している。 ここ数週間のソマリアの状況は、食物価格の高騰や過酷な乾季が続いていること、4〜6月の雨季の始まりが遅れていることなどで急速に悪化している。その影響が大きく人道支援をもっとも必要としている地域のなかには、人口過多や移動を余儀なくされた人々の地域が含まれる。例えば中・南部の中・下シャベレ、ベナディール、ガルグドゥード、バクール、ベイの各地方やソマリア北東部のムドゥグ地方、ボサソ市などである。またソマリア中・南部の政治と治安の状態が流動的であることが、救援活動の大きな妨げともなっている。 ユニセフは国内および国際NGOと協力し、子どもたちに救命栄養対策活動を実施している。重度の栄養不良児への栄養治療プログラムの支援も行っている。 ユニセフ・ソマリア事務所のクリスチャン・バルスレフ‐オルセン所長はこう述べた。「アフゴイ地 域で展開している我々の栄養対策活動は、国連の中央緊急対応基金(CERF)や複数の国々の政府からの資金でまかなわれている。現状の緊急性を理解してくれた国々および多くのドナーに心から感謝している。数十万という多くの世帯が生存の瀬戸際にあるという事態は近年なかったことであり、我々は治安状態がきわめて難しい状態のなか、支援を提供する更な る方法を探すため24時間体制で動いている」。 ユニセフは、アフゴイの人々が安全な飲料水を利用できるようにするため、貯水池の塩素消毒も行なっている。水のトラック輸送、貯水タンクの復旧作業、汚水による急性下痢疾患の対処、石鹸の配布やトイレの設置などの予防活動も実施されている。さらに、ユニセフはこの地域であらたな井戸の掘削も計画しており、安全な飲み水供給拡大に努めている。現在、およそ20万人がユニセフによる飲料水のトラック輸送や国内難民キャンプ内での支援活動の恩恵を受けている。また、8,000人余の小学校学齢期の子どもたちへの教育の提供、心理社会的ケア、性的暴力や性差による暴力から子どもを保護し予防するための地域社会の動員なども行われている。
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