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南アフリカ、初のビタミンA補給キャンペーンを開始【2008年9月9日 プレトリア発】 南アフリカは初めてのビタミンA補給キャンペーンを開始した。400万人の子どもを対象に9月20日までの12日間実施される。 ユニセフによると、南アフリカの保健省がビタミンA補給率を高めることを目的に全州でこれほど大規模な活動を実施するのは今回が初めてである。このキャンペーンはいくつかの州では、ビタミンAの補給とともに駆虫や「上腕周囲径測定帯(MUAC)」という器具を使っての成長審査も実施される。 ユニセフ・南アフリカ事務所のジョアン・マトヒ上級栄養専門官は次のように述べた。「子どもたちに年2回ビタミンAを補給すれば、世界全体で子どもの死亡率を23%減らすことができると推測されている。ユニセフは、ビタミンAの補給によって子どもの死亡率を減らすための効果を最大限に高めるため、南アフリカの子どもの少なくとも70%を対象に半年ごとにビタミンAを補給する必要があると考えている。」 ユニセフは過去何年にもわたって保健省と連携し、国内の最も弱い立場にある子どもと女性の微量栄養素欠乏症の悪化を防止するため、大きな効果が得られる活動を全国規模で実施してきた。「その1例が、全国で行われる栄養が強化された小麦粉支援プログラムである。現在は近隣の国々でも導入されつつある。」(マトヒ上級栄養専門官) 南アフリカで初めて実施された6〜71ヶ月の子どもを対象とした全国栄養調査で、子どもの33.3%がビタミンA欠乏症であることが明らかになった。この数値は、ビタミンA欠乏がこの国の健康にとって深刻な問題であることを示唆している。子ども1人当たりビタミンAを一錠補給すると4〜6ヶ月有効であることから、保健の専門家たちは5歳未満児に半年おきに年2度のペースで投与することを勧告した。 2008年ビタミンA補給キャンペーン 1999年の南アフリカ全国食糧消費調査で、大多数の子どもの食事がエネルギー量や蛋白質、微量栄養素などの点で不十分であることがわかった。また1〜9歳の子どもの半数がビタミンAを必要量の半分も摂取できていないこともわかっている。そのため、2003年から政策のひとつとして、保健施設で6〜59ヶ月の子どもと出産後の女性への定期的な栄養補給が実施されている。 ユニセフは、今回初めて実施されるビタミンAキャンペーンをあらゆる段階で積極的に支援している。例えば計画段階から技術専門家を投じたり、ビタミンAカプセルやハサミ、油性インクなどを確保したり、微量栄養素イニシアティブやカナダ国際開発局などのパートナー団体をまとめたり、実際にサービスが提供された子どもの数と経費およびその効果などの実施状況を記録したりしている。 「ユニセフは、今後、南アフリカ全土で大きな効果を得られる支援を一層推進し、子どもの生存をまもるための、より総合的なビタミンA補給プログラムの実施を行うことを楽しみにしている。」マトヒ上級栄養専門官はこのように述べた。 今回のキャンペーンは、ハウテン州にあるJ.ドゥマネ地域保健センターにおいて保健大臣が開始を宣言した。
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