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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

戦後も残る地雷や爆発物が子どもを脅かす
「地雷に関する啓発および地雷除去支援のための国際デー」

【2009年4月3日 ジュネーブ発】

地雷と爆発性戦争残存物(ERW)は、今も世界各地で子どもの大きな脅威となっている。ユニセフは3日、4月4日の「地雷に関する啓発および地雷除去支援のための国際デー」を前にこの問題に言及した。

世界の多くの国々で、戦争終結から何年も経過した現在も、民間人が日常的に地雷やその他の戦争残存物で死傷している。2007年だけでも、武装勢力によって残された地雷やERWで死亡したり障害を負った人の数は約5,426人にのぼる。

おもちゃだと間違える子ども、とくに男の子が被害に合うことが多く、地雷とERWの被害者全体の30%以上を占めている。

2007年のERWによる負傷者のおよそ60%が子どもだった。またそのうち49%が男の子で、12%が女の子である。

負傷すると手足や視覚、聴覚を失ったり、生涯にわたって障害を負う場合も多い。被害者には緊急治療と長期的な支援の両方が必要とされている。しかしながら、このようなことが起きている国々では医療やリハビリテーションの手段が欠如しており、子どもたちは学校に通えなくなり、将来の見通しも限られたものとなっている。

親が地雷で死亡したり障害を負った場合も、子どもの生活は深刻な打撃を受ける。片親または両親がいない子どもは十分な栄養を与えられなかったり、予防接種を受けられない。また搾取や虐待から保護されなかったり、家計を助けるため早期に中途退学することもある。

地雷やERWが除去されないと、地域社会全体にも支障が出る。個人の家庭や学校、保健サービス、社会サービスなどを利用することが困難になり、農地の場合には家庭の幸せや暮らしにもダメージを及ぼす。

地雷禁止条約から10年が経った2008年8月の時点で、まだ70ヵ国以上が地雷の影響を受けていた。また25ヵ国あまりに爆発する可能性のあるクラスター爆弾や小型爆弾が放置されている。

これらの国々の子どもたちが持っている能力を十分発揮できるようになるためには、地雷とERWの除去、犠牲者のニーズへの対応能力の改善と社会復帰支援が欠かせない。国際社会やドナーは、地雷とERWによる影響を軽減するために活動している国々と組織を支援することが求めらている。

ユニセフと地雷関連活動

ユニセフは地雷やその他の無差別兵器を禁止するための広報活動として、対人地雷禁止条約(APMBT)、クラスター爆弾禁止条約(CCM)など関連条約の締結、批准、施行を推進している。ユニセフは過去15年間にわたり、約35ヶ国において地雷リスク教育を中心とする地雷対策活動事業を開発、実施するための技術的、財政的支援を提供するなど、地雷問題に取り組んできた。また、地雷/ERWの生存者や障害を持つ人々(とくに18歳未満の子ども)のための広報活動、彼らとともに展開する広報活動も行ない、彼らの声を聞き、権利を尊重し、基本的なニーズに対応して彼らが完全に社会参加できるようにしている。

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