ユニセフがソマリアで実施する支援事業へ
日本政府が400万米ドルを拠出
【2009年12月16日 ソマリア・ハルゲイサ発】
日本政府の寛大な支援により、18万人を超えるソマリア全土の子どもたち及び3000人の教師が、教科書やその他の学習資材を受け取りました。この式典は先週、ソマリア北西部にあるハルゲイサで行われ、日本政府や現地当局の代表列席の下、真新しい支援物資が公式に引き渡されました。
日本政府から2009年の初めに寄せられた400万米ドルにより、ユニセフとパートナー団体は、ソマリアのコミュニティに対し、保健、教育、水・衛生の分野において基本的なサービスを提供し、ソマリアの人々が、高騰する食料価格や気候変動により深刻化する干ばつ、そして厳しさを増す生活の影響に対応できるよう支援しています。
ユニセフ・ソマリア事務所のハンナン・スリーマン副代表は、「長期化する紛争や干ばつ、食料価格の高騰の影響を受けている人々は、家族の必要とする基本的ニーズを満たそうと苦心しています。そんな中では、子どもたちの学校教育は往々にして犠牲となっているのです。」と述べています。「日本政府からの資金は、最も困難な状況に置かれた子どもたちも質の良い教育を受けられるようにするための、我々の活動を支える重要な支援となっています。ソマリアでは多くのコミュニティが、教育を最優先課題に挙げています。」
ユニセフは現在、ソマリアの小学校に教科書や学用品を支援する唯一の提供者となっています。また、教師や地域の教育委員会を対象に研修を行うとともに、学校が開校していられるよう、教師に対する報酬も支払っています。日本からの資金によって調達・配布された学校キットと教室キットには、黒板、チョーク、ペン、鉛筆、練習帳、記録簿、地図、遊具など、一年間に必要となる基本的な物が全て含まれています。このような学習資材と教科書の提供を通じて、ユニセフは、子どもたち、特に女の子の中退率を減らし、就学率を高める努力を続けています。
在ケニア日本国大使館の岡田誠司参事官は、贈呈式において、ハルゲイサのシェイク・ヌール学校の子どもたちに向けて行ったスピーチの中でこう述べました。「日本でもかつては異なる勢力が対立していたこともありましたが、今では先進国となり、天然資源が乏しいにもかかわらず、製品の主要輸出国となりました。これは、教育と優れた学校制度により、日本がさまざまな技術を有しているからに他なりません。皆さんが良い教育を受けられるよう、そして社会の将来を担っていく準備ができるようにするため、皆さんの学校を支援できることを喜ばしく思います。」
また、ユニセフは、通学していない若者たちに、教育・就業機会に基づくライフ・スキルを身につけてもらうことで、さまざまな形の暴力・虐待・搾取に対する彼らの脆弱性を緩和するため、日本政府から350万米ドルの資金協力を得ています。
スリーマン副代表は、次のように述べました。「2009年、日本はユニセフのソマリアでの支援活動に対する最大のドナー国となりました。ソマリアの人口のほぼ半数である364万人が人道危機に直面しており、その半数は子どもたちです。ソマリアに対する日本政府の支援の強化は、まさに重要な時期になされたのです。ソマリアの子どもたちの生存と福祉を守るためには、これからも、よりいっそう強力な国際社会のパートナーシップが必要不可欠です。」
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