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公益財団法人日本ユニセフ協会
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エボラ出血熱緊急募金 第29報
エボラ出血熱・リベリア
家庭用防護キット5万セットを提供へ
首都モンロビアに9,000セットが到着

【2014年9月25日 モンロビア(リベリア)発】

配布された衛生用品を受け取った女性たち。(リベリア)
© UNICEF Liberia/2014/Ajallanzo
配布された衛生用品を受け取った女性たち。

エボラ感染者数が増加の一途をたどり、3,500名を越えたリベリア。24日、首都モンロビアにデンマーク・コペンハーゲンのユニセフ物資供給センターから空輸された家庭用防護キット9,000セットが到着しました。

家庭用防護キット、計5万セット提供へ

今回空輸された9,000キットを含め、今後計5万キットが到着し、配布される予定です。この支援は、USAID(米国国際開発庁)とアメリカに拠点を置くポール・G・アレン家族財団の資金提供を受けて実現しました。

キットには防護服、手袋、マスク、石けん、消毒用の塩素とスプレー、使い方の説明と安全な廃棄方法を記した文書が入っています。ユニセフのパートナー団体はリベリア保健社会福祉省やUSAIDと調整を行いながら、今回到着した9,000セットを、今後数週間内にエボラの感染率が最も高い5つの県に配布する予定です。

国内でエボラの治療を専門に行うことができる病院は限られており、必要とされるベッド数は圧倒的に不足しています。このため、国内にはエボラに感染した家族を自宅外で可能な限り安全に家族が看病するためのエボラケアセンターが設置されることになりました。防護キットは、エボラケアセンターを通じて、看病を行う家族に提供されます。

エボラの感染連鎖を断ち切るために

コペンハーゲンの物流供給センターでリベリアに空輸するための支援物資の準備を行うスタッフ。
© UNICEF Liberia/2014/
コペンハーゲンの物流供給センターでリベリアに空輸するための支援物資の準備を行うスタッフ。

USAIDのティム・コールガン災害支援対応チームリーダーは「感染者が安心して治療を受けられる場所を作るべく、懸命に活動しています。今回空輸された防護キットは、エボラケアセンターとコミュニティが感染した人を安全に看病するために必要な情報と道具です。今後も国際的なパートナーや感染国の政府とともに、歴史上まれにみる感染拡大を食い止めるために、創造的かつ世界的な取り組みの調整を続けていきます」と述べました。

ベッド数が限られるエボラケアセンターは、まずは、国内の指定された保健施設のそばに設置される予定です。ケアセンターでは、キットに含まれる防護備品や衛生用品、使用済みの備品の安全な廃棄方法を用いながら、看病する家族に「ふれないで」行う基本的なケアを含めて研修を行います。感染者が自宅から隔離された後、家の消毒を行うため、家族に提供することも検討されています。

ユニセフ・リベリア事務所代表のシェルドン・イエッテは「今回の感染拡大はかつてない規模であり、特別な取り組みが求められています。最優先事項は、エボラ治療施設の設置と訓練を受けたスタッフの配置です。しかし、実現までには時間を要することから、それまでの間、感染の恐れがある人を安全に看病し、致死率の高いエボラの感染連鎖を断ち切るために、コミュニティの取り組みを支援することが必要です」と述べました。

啓発活動や心のケアも実施

ポール・G・アレン家族財団の共同設立者で、Vulcan Inc.の最高経営責任者であるジョディ・アレンは「エボラは感染が起きているアフリカだけの問題ではありません。世界的な危機であり、世界中からの支援とリソースが必要です。今回の支援によって、エボラの感染拡大を食い止めることが可能です」と述べました。

リベリア政府主導の下、ユニセフは予防メッセージを広めるために、情報発信チームの展開や印刷物の製作、リベリア中のコミュニティで感染への意識を高めるためのラジオプログラムの開発を含めた、大規模な広報啓発活動を実施しています。さらに、エボラに感染した子どもたちへの心のケア、水と衛生の支援、消毒用の塩素やスプレー、感染のコントロールを支援するための衛生用品の提供も行っています。ユニセフはこれまでに、医療従事者向けに保健物資ならびに防護用品計300トンを提供しています。

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