シリア緊急募金 第136報
国外への避難続く/新学年度スタート
ユニセフ情勢レポート
【2014年9月16日 ヨルダン・アンマン発】
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© UNICEF Syria/2014 |
シリアからトルコへ避難してきた親子。 |
情勢の厳しさが増すシリアとイラク。国外へ逃れ難民となったシリアの方は300万人以上。この1週間ほどで、シリア国内への空爆により、トルコへ避難する方が急増しています。
緊迫した情勢が続くイラクでは、今年初めに再発が確認されたポリオの集中予防接種キャンペーンが実施されました。
中東地域は、9月中旬より新学年度が開始。夏休み中に補習を行ったり、学用品を提供したり、治安の問題から通学が困難な地域では在宅学習を実現するなど、子どもたちを「失われた世代にしないために(No Lost Generation)」、さまざまな取り組みが行われています。
灼熱のような暑さが和らぎつつある中、厳しい冬の防寒対策の支援が進行しています。
ユニセフ情勢レポート(報告期間:2014年8月16日〜2014年9月15日)から、最新のユニセフの支援活動についてお伝えします。
ユニセフ活動ハイライト(報告期間:2014年8月16日〜2014年9月15日)
- シリアの紛争は依然として混迷した状況が続き、シリア周辺国(レバノン、ヨルダン、イラク、トルコ、エジプト)に逃れたシリア人難民の数は300万人を超えた。
- イラクにおける人道危機は周辺国にも影響を与えている。現在、シリアのハサケ(Al-Hassakeh)地域にある避難民キャンプに5,000人、トルコの南東部のシュルナク(Sirnak)には1万6,000人のイラク人難民が避難しており、人道支援を必要としている。
- シリアおよび周辺国は新学年度を迎え、「バック・トゥ・スクール(学校へ戻ろう)」キャンペーンを実施。ユニセフは、シリア国内において100万人の生徒を対象とした学用品の提供を計画。レバノンでは困難な状況下にある4万5,000人の生徒を対象として支援を行う予定である。ヨルダンとイラクにおいては夏期補習が終了。ユニセフは他のパートナー機関とともに緊急下における教育の重要性を引き続き訴える。トルコでは、21の避難民キャンプおよび5つの難民受け入れ校で、学用品と通学かばん9万7,950セットを配布。
- WHOとユニセフはイラク、イラン、ヨルダン、エジプト、パレスチナ、トルコ、シリアおよびレバノンの各事務所を招集し、第2期ポリオ対策について検討。10月から11月に予定されている予防接種キャンペーンの予防接種実施地域などを協議。
- 2014年第4 四半期を迎え、ユニセフは約4億米ドルの資金不足に直面している。シリアでは、水と衛生、教育、冬季の防寒対策が最優先事項。ユニセフは冬が来るまでにシリア国内のホムス、タルトゥース、アレッポおよびハサケの国内避難民の子どもたちに4万着の防寒着を配布するために、10月半ばまでに1,000万米ドルの資金を緊急要請。レバノンでは劣悪な水と衛生状況から発生する衛生問題に対処するために、3,900万米ドルが緊急に必要。ヨルダンでは低コストのインフラ整備のため、1,800万米ドルを要請。資金のない状況ではインフラ整備は遅れる一方であり、避難民キャンプにおける水と衛生危機に対処するためにより費用がかかることとなる。
◆2014年12月31日までの難民予測値と比較した難民数(9月18日時点)
2014年12月31日までの難民予測値と比較した難民数 (9月18日時点) |
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グラフ:シリア難民予測値と難民数の比較
|
数値で見る情勢
◆シリア国内で支援を必要とする
子どもの数: 5,090,000人
人々の数:10,803,500人
(SHARP 2014年7月)
◆シリア周辺国で難民として登録
または登録待機中の
子どもの数:1,551,450人
人々の数:3,030,653人
(2014年9月18日)
◆必要とされている資金(2014年)
シリア国内: 1億9,379万米ドル*
シリア周辺国:5億7,028万米ドル*
*2014年1月-12月:中期評価反映
◆資金要請のうち不足している割合
<各国の支援活動に必要な資金> |
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グラフ:シリア緊急支援に必要な資金要請に比べた、各国の不足額 52%が不足している(緑:充足分、赤:不足分) |
参考情報
【シリア危機:避難民等の数(2014年9月18日時点)】
■シリア国内
影響を受けた人々* |
10,803,500人 |
影響を受けた子どもたち(18歳未満) |
5,090,000人 |
国内避難民の数* |
6,455,000人 |
国内避難民となった子どもの数 |
3,033,850人 |
アクセスが限られている場所に住む人々 |
430万人 |
包囲されている場所に住む人々 |
255,000人 |
アクセスが限られている場所に住む子ども |
最大100万人 |
出典:*OCHA、2014
他の数値は、人口の46%が18歳未満の子どもであるという2011年の調査及びUNHCRの推計値に基づく
■周辺国
|
難民として登録された人 |
難民の子ども (18歳未満) |
難民の子ども (5歳未満) |
レバノン |
1,155,928人 (登録待機中:30,968人) |
614,954人 |
224,250人 |
ヨルダン |
618,086人 |
323,259人 |
110,637人 |
イラク |
213,736人 (登録待機中:1,567人) |
88,273人 |
32,060人 |
トルコ |
847,266人 |
451,593人 |
150,813人 |
エジプト |
139,734人 |
60,505人 |
18,305人 |
出典:UNHCR、2014年9月18日
※レバノン:別途、地域が受け入れているシリアの人々 150万人と推定 (RRP6推計より)
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