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公益財団法人日本ユニセフ協会
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エボラ出血熱緊急募金 第30報
エボラ出血熱・死者3,000人を超える
治療・予防・啓発活動の拡大を

【2014年9月30日 東京発】

9月26日、WHO(世界保健機関)は、これまでに6,553人がエボラ出血熱に感染し、3,083人が死亡したと発表しました(9月23日時点:ギニア、リベリア、シエラレオネの各保健省の発表による)。また、医療従事者375人が感染し、うち211人が死亡したことも明らかになりました。

また、これまでにナイジェリアでは20人が感染し、8人が死亡。セネガルでも1人が感染しています。

感染3カ国の状況やユニセフの取り組みなどをご紹介します。

シエラレオネ

エボラから回復したものの、両親をエボラで失った兄妹。地域の女性が里親となった。(シエラレオネ)
© UNICE Sierra Leone /2014/Jo Dunlop
エボラから回復したものの、両親をエボラで失った兄妹。地域の女性が里親となった。(シエラレオネ)

9月19日〜21日にかけて、ユニセフの支援のもと、エボラの予防・感染拡大防止のための戸別訪問キャンペーンが実施されました。国内の150万全世帯の訪問を目指し、研修を受けたボランティア4人からなるチームが家庭を訪問し、エボラの感染経路や症状、予防法の説明、質疑応答を行いました。また、棒状の石けんのほか、ポスターなども配布されました。

感染者の発見も目指した本キャンペーンでは、130人の感染を確認。さらに、39人が血液検査の結果を待っています。保健省によると、3日間のキャンペーンで150万全世帯のうち、75%以上への予防・啓発活動が行うことができたとのことです。

9月21日時点の報告によると、エボラに感染した人の22%(361人)が17歳未満の子どもでした。また、エボラによって1,138人の子どもたちが、隔離(670人)、孤児(310人)、治療や入院で家族と別々に生活(94人)によって、厳しい状況にあります。両親をエボラで亡くした子どもの中には、一時的に保護されていたり、親族や地域の人などを里親として、引き取られているケースもあります。また、回復した子どもたちが、社会から孤立・拒絶されるといった新たな問題も生じています。

さらに、子どもたちは、養育放棄や暴力、搾取、虐待のリスクの高まりに直面しています。学校が閉鎖されていることから、働いている子どもたちもいます。

シエラレオネ政府発表(9月27日時点)での感染者数:2,000人、死亡者数:518人、致死率25.9%

リベリア

ユニセフが市場で配布したエボラの啓発用ポスターを読む住民。(リベリア)
© UNICEF/UNI167512/Jallanzo
ユニセフが市場で配布したエボラの啓発用ポスターを読む住民。(リベリア)

9月17日時点で、リベリア国内全県での感染を確認。首都モンロビアのあるモントセラド県のほか、中央部のボングケンとグランド・バッサ県での感染が広がっています。

アメリカ政府は支援物資の空輸に加え、アメリカ軍3,000人を派遣。地方への物流支援と医療支援を行うほか、1週間で最大500人に研修を行うことができるエボラ治療センターの設置を行う計画。また、支援調整のために、首都モンロビアに共同の指令センターを設ける予定です。

リベリア国内では学校の閉鎖が続いていることから、ユニセフは教育省を支援し、10月初旬からの開始を目指し、ラジオによる教育プログラムの準備を進めています。全国での放送を予定しており、年少者から12年生までを対象に、毎日2〜3時間、心のケアを含む教育プログラムの実施を検討しています。

リベリアに届けられた家庭用防護キット。防護服、手袋、マスク、石けん、消毒用の塩素とスプレー、使い方の説明と安全な廃棄方法を記した文書が入っている。
© UNICEF/UNI171843/Aaen
リベリアに届けられた家庭用防護キット。防護服、手袋、マスク、石けん、消毒用の塩素とスプレー、使い方の説明と安全な廃棄方法を記した文書が入っている。

また、9月24日、首都モンロビアにデンマーク・コペンハーゲンのユニセフ物資供給センターから空輸された家庭用防護キット9,000セットが到着しました。今回空輸された9,000キットを含め、今後計5万キットが到着し、配布される予定です。キットには防護服、手袋、マスク、石けん、消毒用の塩素とスプレー、使い方の説明と安全な廃棄方法を記した文書が入っています。

国内でエボラの治療を専門に行うことができる病院は限られており、必要とされるベッド数は圧倒的に不足しています。このため、国内にはエボラに感染した家族を自宅外で可能な限り安全に家族が看病するためのエボラケアセンターが設置されることになりました。防護キットは、エボラケアセンターを通じて、看病を行う家族に提供されます。

リベリア政府発表(9月26日時点)での感染者数:3,635人、死亡者数:1,986人、致死率60.6%

ギニア

手洗いの大切さを子どもたちに教える啓発活動を実施。塩素による手洗いを教える様子。(ギニア)
© UNICEF Guinea/2014
手洗いの大切さを子どもたちに教える啓発活動を実施。塩素による手洗いを教える様子。(ギニア)

9月19日時点で、ギニアでエボラに感染した18歳未満の子どもは178人、うち112人が死亡しました。

国内では5,000人以上の子どもがエボラの影響を受けており、このうち1,400人は両親または両親の一方をエボラで亡くしています。

国内ではエボラの予防・啓発活動が続けられていますが、9月18日、活動を行っていたスタッフと同行していた記者や行政職員を含めた7人の遺体が発見されました。

ユニセフは引き続き、予防・啓発活動のための戸別訪問を実施し、消毒剤やせっけんの提供なども行っています。また、医療や啓発活動に必要なトラックや救急車、オートバイも調達する予定です。

ギニア政府発表(9月25日時点)での感染者数:1,103人、死亡者数:668人、致死率60.6%

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