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公益財団法人日本ユニセフ協会
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東日本大震災復興支援 第244報
パワーアップした子どもたち
「子どものまち・いしのまき」2014

【2014年10月5日 石巻発】

© 日本ユニセフ協会

子どもたちがお店でさまざまな仕事を体験し、仕事の対価として得た仮想通貨で他の子どもたちの仕事が生む物やサービスを買うことを通じて、まちや社会の仕組みを学ぶ「こどものまち」というまちづくり学習の取り組みが、近年、全国各地で展開されています。震災で広範な市街地に大きな被害を受けた宮城県石巻市の商店街の方々は、日本ユニセフ協会をはじめさまざまな形で支援活動に取り組む20を超える団体の協力を得て、2012年10月、地元の子どもたちに町に親しみ、町に誇りを持ち、ふるさとの創造に主体的に関わってもらえる機会をつくるため、この「まちづくり学習」の要素を取り入れた「子どものまち・いしのまき」を開催しました。

会場も拡大

© 日本ユニセフ協会

3年目の今年は、昨年までの「あいとぴあ通り」と「寿町通り」のふたつの商店街に加え、「しんこう通り」、「橘通り」、「立町大通り」、そして、昨年12月に完成した石巻市子どもセンター「らいつ」にも会場を拡大。台風18号の影響が心配されましたが、「子どものまち」になった商店や空き地、駐車場、そして「らいつ」では、2日間で1,000人以上の子どもたちが、ファッションデザイナー、モデル、歌手、カメラマン、大工、革職人、ジュース屋、ピザ屋、花屋、トリマー、銀行員、ラジオ局スタッフなどなど、さまざまな仕事を体験。“仕事”で貯めた小石でできた仮想通貨“マキー”(“石のマキー”=「いしのまき」)で、みんなの“仕事”でつくられた物やサービスを利用・購入。遊びを通じて、社会の仕組みや「仕事」の意味・意義などを楽しく学んでいました。

イベント2日目の10月5日は、今年も、一部の道路を封鎖して一面を人工芝で覆った遊びの広場“ストリートパーティー”が登場。子どもたちは、“仕事”の合間の時間をのんびりと過ごしたり、端材を使った木工や、手作りのおもちゃで自由に遊んだり、色とりどりのチョークで道路に絵を描いたりと、普段はなかなかできない遊びに興じていました。また今年は、この広場にフリーマーケットも登場。子どもたちがこの日のために集めたり作ってきたアクセサリーや雑貨が “マキー”で売買されました。

パワーアップした子どもたち

© 日本ユニセフ協会

この日のため、子どもたちは3カ月前から準備をしてきました。“店長”に応募した子どもたちは、どんなお仕事があるか、どんなものを売りたいのか、何が必要かなどを考え、何度も話し合いを重ねました。夏休みを利用し、実際のお店に見学に行ったり、試作品を作ったりした子たちもいたようです。

今年の店長の8割は“リピーター”。前年の反省を踏まえて改善点が提案されたり、新しいアイディアが次々と出されたり、おとなが入らなくても多様なアイディアを一つにまとめていきます。イベント当日も、常に改善や工夫がなされ、午前よりも午後、1日目よりも2日目と、より素敵なお店になるように、みんな真剣です。お昼を食べるのも忘れて働く姿も見られました。

1年目は事前の準備会議に参加することさえままならなかったある男の子は、3年目の今年、どんなお店を作るのか、何をいくらで売るのか、どんな求人を出すのかなど、すべて自分で考え、書き出し、当日も立派に店長としてやり遂げました。その顔はとても誇らしげでした。

第1回目の「子どものまち・・・」から実行委員会会長を努める「あいとぴあ商店街」の戸田勇也さんは、「今はおとなが手伝いながらの実施だけれど、今参加している小学生が中学生、高校生になった時に中心となり、子どもたちの手で作り上げるものになってほしい」と話します。

© 日本ユニセフ協会

日本ユニセフ協会は、今年もボランティアブースを出展。今年8月から9月に掛けて「TAPプロジェクト」で展開した、パソコンの画面上で水を運ぶ絵を描くとアフリカ・マダガスカルでユニセフが取り組む「水と衛生」分野での支援活動を支える募金になる仕組みを使い、「お絵かきボランティア」を募集。他の“お店”と違い、“お仕事”をしてもお給料(マキー)は出ませんが、絵を描くのが好きな子や、「もうマキーはいらない」と集まってくれた多くの子どもたちが、ボランティアに挑戦してくれました。

子どもたちのボランティア活動の成果(8,500円相当)は、日本ユニセフ協会職員有志がポケットマネーで換金。現金でお預かりした募金238円と合わせ、総額8,738円がマダガスカルの「水と衛生」募金に寄付されました。

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