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公益財団法人日本ユニセフ協会
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シリア緊急募金 第149報
学校に通えていない子ども 210万人以上
2014年のユニセフの支援成果、活動ハイライト

【2014年12月19日 ヨルダン・アンマン発】

ユニセフの情勢レポートから、ユニセフの支援活動のハイライトと避難民・難民(国別)数、などをご報告します。

* * *

食事をするシリア難民の家族。
© UNICEF Syria/2014
食事をするシリア難民の家族。

地域全体で厳冬対策への取り組みが続けられています。また、シリア国内では160万人の子どもを対象に自己学習の機会を提供するための準備も進められています。

一方で、ユニセフ中東・北アフリカ地域事務所(アンマン・イエメン)代表のマリア・ダルビスは18日声明を発表し、「2015年末までに避難を余儀なくされる子どもの数はシリア及びシリア周辺国全体で860万人を越えると想定されています」と、子どもたちへの一層の支援が必要な状況を説明しました。

またダルビス代表は、安全な水と衛生の供給、学習の機会へのアクセス、ポリオ発生を防ぐ予防接種キャンペーンの継続、冬用衣服の提供など、9億300万米ドル規模の2015年活動計画を発表し、国際社会にさらなる支援を訴えました。

2014年ユニセフの取り組み(2014年12月13日時点)

ユニセフは2014年にシリアと周辺国への支援に必要な資金の36%が依然として不足している。なかでも、トルコが最も資金不足に直面しており、要請額の50%が不足。シリアは40%以上が不足している。最も資金が不足している分野は教育で、約50%が不足。

子どもたちやその家族が寒い冬を乗り越えることができるよう、最も支援が必要なシリアの国内避難民のために21万7,600の冬服キットが提供されている。シリア難民を受け入れている国中で、62万5,000人の子どもが防寒服や引換券を受け取った。

支援が必要な人々


シリア国内

シリア難民
560万人の子どもを含む
1,220万人
167万人の子どもを含む
330万人

支援が必要な子ども

ユニセフ 資金要請額 7億7,000万米ドル

不足している金額
2億7,730万米ドル
受け取った金額
4億9,270万米ドル

2014年 ユニセフの支援成果(2014年12月13日時点)

水と衛生

シリア国内:
水処理用の支援物資の提供で、1,655万人以上が水を手に入れることができるようになった。

周辺国:
134万5,587人が飲料水や家庭用水へのアクセスが可能に。

教育

シリア国内:
200万人分の学習教材を2014/2015学年度のために配布。

周辺国:
32万495人のシリア難民の子どもが、公的教育へ入学するための支援を受けた。

*レバノンとトルコの公的教育入学者数は2013/2014学年度のデータ。2014/2015学年度のデータは集計中。

保護

79万2,456人の子どもに心のケアを提供。

保健

2014年、2,551万8,376人の子どもにポリオの予防接種を実施。

*22回の国家規模と17回の地域規模、合計39回のキャンペーンを実施。

国別の資金状況(受け取った資金%)
分野別の資金状況 (受け取った資金%)
拠出額上位の10ドナー(米ドル)

資金に関する情報:2014年12月14日時点。 難民数:出典UNHCR、2014年12月13日時点。 (2014年12月15日作成)

活動ハイライト(報告期間:2014年11月13日〜2014年12月12日)

  • 2014年から2015年の冬期間、シリア全土において、ユニセフは40万人 の子どもを対象に、冬用の防寒着の提供を予定している。この対象地域の中には、十分にサービスが行き届いていないアレッポ、デリゾール、ラッカ、ハサケ、ダマスカス郊外及びイドリブなどが含まれる。これまでのところ、ユニセフは2万4,249人分の防寒着および1万枚の毛布を子どもたちに提供している。
  • ユニセフレバノン事務所は、36万5,000人以上の子どもを対象とし、衣類交換券や物資支援、暖房用燃料の提供、洪水軽減対策を行っている。
  • ヨルダンでは、1万7,800人の子どもを対象とした防寒着の直接支給を行っている。これに加え、 (避難所ではなく)地域社会に身を寄せる0〜16歳の子ども10万2,000人を対象とし、防寒着購入のための現金支給も行っている。最も困難な状況下にある2万1,000世帯のうち0〜12歳の子どものうちのいる家庭にひとりあたり25米ドルの現金支給があり、3万7,847人の子どもが対象となった。
  • シリア国内の教育セクターの定量分析によれば、210万から240万人のシリアの子どもが学校に通えていない、あるいは学校に通うのが不定期になっていることが明らかになった。この中には2年から3年にわたって学校に通えていない子どもたちもいる。この危機下において子どもたちを「失われた世代」としないために、ユニセフは国連パレスチナ難民救済事業機関及び教育省との協働の下、2015年の1学期に展開するべく「自己学習プログラム」を開発した。このプログラムは、学校に通えていない160万人の子どもたちに、学習の機会を提供する。

◆2014年12月31日までの難民予測値と比較した難民数 (12月13日時点)

数値でみる情勢

◆シリア国内で支援を必要とする 子どもの数: 5,600,000人 人々の数:12,184,000人 (HNO 2014年11月)

◆シリア周辺国で難民として登録 または登録待機中の 子どもの数:1,670,000人 人々の数:3,300,000人 (2014年12月13日)

参考情報

シリア危機:避難民などの数(2014年12月13日時点)

■シリア国内

支援を必要とする人々 * 12,184,000人
支援を必要とする子どもたち(18歳未満) 5,600,000人
国内避難民の数 * 7,600,000人
国内避難民となった子どもの数 3,500,000人
アクセスが限られている場所に住む人々 4,800,000人
包囲されている場所に住む人々 212,000人
アクセスが限られている場所に住む子ども 最大200万人

出典: *OCHA 201 4
他の数値は、人口の46.27%が18歳未満の子どもであるという2011年の調査の推計値の基づく

■周辺国

  難民として
登録された人
難民の子ども
(18歳未満)
難民の子ども
(5歳未満)
レバノン* 1,135,454人
(登録待機中:12,234人)
604,062人 220,278人
ヨルダン 620,441人
(登録待機中:0人)
325,732人 112,300人
イラク 228,484人
(登録待機中:0人)
106,931人 39,756人
トルコ 1,060,279人
(登録待機中:105,000人)
565,129人 207,420人
エジプト 137,504人
(登録待機中:0人)
60,227人 18,563人

出典:UNHCR、2014年12月13日
*レバノン:別途、地域が受け入れているシリアの人々150万人と推定(RRP6推計より))

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