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公益財団法人日本ユニセフ協会
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緊急支援情報
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シリア緊急募金
2015/12/30
第185報
靴や暖房なしで冬を過ごす子どもたち 100万人以上に命を守る越冬支援を実施
2015/12/29
第184報
シリア 大切な思い出が笑顔を取り戻す力に 子どもたちへの心のケア支援、シリア国内で継続
2015/12/7
第183報
厳しい冬を乗り越えるために ユニセフ、260万人のシリアの子どもたちへ 衣類や毛布など集中的な越冬支援
2015/11/20
第182報
11月20日は「子どもの権利条約」採択記念日 公平な機会を求める欧州難民危機下の子どもたち ユニセフ、格差に関する新報告書発表
2015/11/13
第181報
ヨーロッパ難民危機 保護を求める子ども、毎日700人 例を見ない難民流入に、新たな支援の形を模索
2015/11/4
第180報
ヨーロッパ難民危機 保護を求める子ども、前年の2倍に ユニセフ、心のケアや母子支援を提供
2015/10/25
第179報
暴力が広まるシリア・イドリブ ユニセフ、子どもたちの命を守る支援を再開 多くの壁に直面する支援活動
2015/10/13
第178報
ヨーロッパ難民危機 海を渡る子どもたちが増加 様々な事情、支援の不足
2015/10/1
第177報
シリア危機 ユニセフとEUが連携強化 200万人以上に安全な教育環境を シリア、トルコ、レバノンで
2015/9/30
第176報
オーランド・ブルーム親善大使 セルビアで難民の子どもたちを訪問「私が見たのは、悲劇の一端」
2015/9/28
第175報
民間人居住区で子ども17人が殺害 無差別攻撃の即座の停止を ユニセフ・シリア事務所代表 表明
2015/9/23
第174報
ノバク・ジョコビッチ ユニセフ親善大使 祖国セルビアで難民の子どもたちを訪問 過酷な状況の子どもたちの保護を訴える
2015/9/22
第173報
ヨーロッパ難民危機 クロアチアへの難民急増で対応急ぐ 先週だけで、1万人の女性と子どもが入国 子ども支援を優先するEU首脳会議の方向性を評価
2015/9/16
第172報
アレッポの民間人居住区で追撃砲攻撃 子ども19人が犠牲 “子どもにやさしい空間”までも攻撃対象に ユニセフ事務局長が強い非難を表明
2015/9/15
第171報
シリア危機/教育 200万人以上が新学期を迎えられず 子どもたちの学習機会の創出を加速
2015/9/10
第170報
欧州難民危機の最大要因 長引くシリア紛争、逼迫する周辺国 ユニセフ、人道支援の資金不足に警鐘
2015/9/5
第169報
欧州への難民流入 いま、子どもを守る連携を 子ども最優先の施策が急務
2015/9/3
第168報
欧州への難民流入 いかなる時も、子どもの保護を ユニセフ事務局長声明 難民を生む紛争の終結を求める
2015/9/1
第167報
欧州に押し寄せる難民危機 マケドニア経由の女性と子どもの難民 過去3カ月で3倍に 着の身着のまま、数カ月間も移動を続ける子どもたち
2015/8/27
第166報
難民危機 「普通の生活」を夢見る子どもたち 祖国を離れて欧州を目指す難民の人々
2015/7/15
第165報
ヨルダン 家族のために働くシリア難民の子どもたち 教育が唯一の希望
2015/7/22
第164報
シリア危機 アレッポへ、最大規模の給水支援 給水施設への攻撃停止を訴える
2015/7/10
第163報
シリア危機 厳しい暑さと安全な水の不足 子どもたちの下痢性疾患等、増加の恐れ
2015/7/2
第162報
シリア危機のもうひとつの側面 過酷な児童労働の増加に警鐘 ユニセフ、国際NGOとの共同報告書発表
2015/6/11
第161報
ヨルダン:家族のために働くシリア難民の子どもたち 代替的教育で、すべての子どもに学ぶ機会を
2015/4/27
第160報
シリア はしか予防接種キャンペーン 260万人に命を守るワクチンを
2015/4/14
第159報
トラック43台分の救援物資 シリア北東部カミシュリに到着 支援を待つ230万人のもとへ
2015/3/12
第158報
シリア危機4年 いまなお苦しむ1,400万人の子どもたち 若者たちに、未来を築く支援を
2015/3/2
第157報
シリア北東部・新たに流出した避難民 ユニセフ、命を守る支援物資を提供
2015/2/14
第156報
レバノン:シリア難民の子どもたちへ冬服を提供 バーコード入り引換券で迅速・正確な配布が可能に
2015/2/15
第155報
2014年ユニセフ活動レポート更新 シリア難民の受入国が直面する課題
2015/2/11
第154報
レバノン:激しい冬の嵐でさらなる緊急事態に ユニセフ、緊急保健チームや移動式診療所を配備
2015/1/10
第153報
冬の嵐を耐え抜く、三つ子の小さな命 厳寒のシリアと周辺国で暮らす避難民 ユニセフ、冬対策支援を強化
2015/1/13
第152報
中東を襲う寒波 冬対策支援対象の130万人の子どもたち
2014/12/22
第151報
紛争で子どもの発育に大きな影響 支援で回復に向かう3歳の男の子
2015/1/6
第150報
学校への攻撃で67万人の子どもが学校に通えず 現地事務所代表による声明
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シリア緊急募金 第151報
紛争で子どもの発育に大きな影響
支援で回復に向かう3歳の男の子

【2014年12月22日 アレッポ発】

2011年3月に勃発したシリア危機。その2カ月前、ハレドくんはアレッポ東部で生まれました。2人の男の子と4人の女の子のいる一家に、新たな家族が加わったのです。誕生時の体重は3.8kg。健康な赤ちゃんでした。しかし武力衝突は激化の一途をたどり、一家は身の安全を守るため、アレッポ市西部に避難しました。当時、ハレドくんはまだ1歳7カ月でした。

紛争の影響を受ける子どもたち

ハレドくん(支援前)
© UNICEF Syria/2014
ハレドくん(支援前)

紛争が続くなか、一家は自宅からの避難を余儀なくされ、収入もなく、先の見通しが全く見えない中での生活を強いられました。ハレドくんの母親は、精神的なストレスを感じていました。

「生活が厳しくなり、母乳が出なくなってしまいました。とても心が痛みました。私たち家族の人生を一変させたこの危機を何とか乗り越えようとするなか、常に頭によぎるのは、この4人の娘と3人の息子をどうやって食べさせていったらいいのだろう、ということでした」と、母親が語ります。

母乳が出なくなり、必要最低限の食料さえも手に入れられないなか、ハレドくんは1年以上にわたって慢性的な下痢や脱水症状に苦しみました。両親はハレドくんの身体に何が起こっているのかも、誰にどうやって助けを求めたらいいのかも分かりませんでした。

3歳になったハレドくんの体重はたった6kgと、まさに骨と皮だけのような状態でした。適切な栄養を摂取し、避難生活によるストレスの影響を受けていないこの地域で暮らす子どもの体重は、13kgほどです。ユニセフのパートナー団体により、ハレドくんは重度の急性栄養不良であるとともに、慢性的な栄養不良、発育阻害に陥っており、命に関わる状態だと診断されました。

ユニセフのパートナー団体は7カ月以上にわたってハレドくんのケアを行い、母親には栄養面での支援や薬の提供、アドバイスなどを行いました。その結果、ハレドくんの体重は6キロから11キロにまで増加しました。

避難民の子どもの22%が発育阻害

ハレドくん(支援後)
© UNICEF Syria/2014
ハレドくん(支援後)

しかし残念ながら、ハレドくんのようなケースは稀だと言わざるを得ません。「終わりが見えない紛争のなか、危機以前から懸念されていたシリアの子どもたちの栄養状態は、悪化の一途をたどっています。栄養のある食料が入手できないことや食料価格の上昇、食料生産の崩壊が、シリアの子どもたちの栄養状態に壊滅的な影響を与えています。特に子どもたちと女性の健康状態や栄養状態は、ますます危うい状態になっています」と、ユニセフ・シリア事務所代表のハナア・シンガーが語ります。

最近発表されたシリア保健省の報告書によると、シリアの5歳未満の子どもの全体的な急性栄養不良率は7.2%となっています。そして、ユニセフが支援している、シリアの国内避難民の家族に関する調査では、22%ものシリアの子どもたちが発育阻害に陥っていることが報告されています。

2014年、ユニセフはアラブ首長国連邦などから支援を受け、50万人の子どもに栄養不良の検査を実施することができました。子どもたちへの早急な治療や、必要不可欠なビタミンやカルシウムが豊富に含まれる、すぐ口にすることができる栄養補助食の提供も行っています。また、母親を対象にした研修を行い、子どもの栄養不良を予防するための対応方法や食事の与え方などを伝えています。栄養不良に関する支援を必要する子どもの人数の増加に対応するため、パートナー団体を通して治療施設にも支援を届けています。しかし、通常の機能を果たせている病院は、全体の43%に留まっているのが現状です。

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