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エボラ出血熱緊急募金 第72報
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© UNICEF/NYHQ2014-1777/Kesner |
教会の入口に置かれたプラスチック製のバケツ。中には殺菌作用のある塩素を薄めた溶液がはいっており、人々は教会の中に入る前に、エボラから身を守るためにこのバケツの溶液で手を洗う(リベリアのJoe Blow町) |
ユニセフは、9日に発表されたリベリアでのエボラの感染者ゼロ宣言を歓迎するとともに、新たな感染を断ち切るためにコミュニティが果たした役割はとても重要であると称えました。しかしながら、エボラ感染が確認されている近隣諸国で感染の危険性がなくなるまでは、エボラの脅威が消えることはないとして、ユニセフは警戒を続けています。
ユニセフ・リベリア事務所代表のシェルドン・ヤッテは、「本日、私たちは多くの死と苦しみを引き起こしたエボラとの闘いに勝利したリベリアを祝福しています。この勝利は、エボラとの戦いにおいて中心的な役割を果たしてきた、コミュニティの多大な努力の賜物です」と語りました。
しかし、「感染者ゼロを達成したのは最初のステップであり、この感染者ゼロの状態を継続することがこれからの課題です。近隣国であるシエラレオネとギニアでも感染者がなくならない限り、エボラの脅威は消えません」と、ヤッテ代表は警告します。
エボラ感染が確認された国では、ウイルスの最大潜伏期間の2倍に当たる42日間、新たな感染が確認されなければ、エボラの流行が終息したとみなされます。リベリアで最後のエボラ感染者とされる人は、3月28日、感染の危険性がない方法で、安全に埋葬されました。しかし、特に国境地域に沿って監視は今なお続けられており、新たな流行があれば直ぐに行動に移せるよう準備ができています。
その準備の一環として、ユニセフは、エボラ患者の早急な隔離と治療に必要な物資一式を整え、新たなエボラの感染地域で利用できるように配備する支援を行っています。そして、コミュニティのリーダーを対象に、安全を守るために必要な行動変容を人々に促すための研修を実施しました。
特に危機的状況であった昨年8月後半から9月上旬にかけて、リベリアでは週に400を超える感染ケースを記録しました。しかし、その後年末にかけて行われたリベリアの“方向転換”が功を奏しました。葬儀の際に遺体と接触しない、感染の疑いのある場合には報告する責任を持つ、などいった安全を守るための行動をコミュニティが受け入れ主体的にエボラ危機に対処するようになったのです。
ユニセフは、エボラ危機に対応している主な組織のひとつとして、エボラの流行によって深刻な被害を受けている保健や教育などの基本的なサービスを強化するための取り組みを支援しています。
「長い目で見れば、エボラだけでなく、はしかや百日咳などの将来的な大流行に対応するための、より良い医療制度を再構築する必要があります。現在行っている、分散型でコミュニティを基盤とした監視や、社会的動員、対応システム構築を、わたしたちは今後も継続する必要があり、そのための継続的な資金調達も必要とされています」(ヤッテ代表)
ユニセフは、リベリアが前向きな社会的行動で得たことを活用し、国の復興に向けた、社会的動員とコミュニティの関与を促進する支援を続けます。その一例として、5月8日から14日にかけて、はしかとポリオの予防接種キャンペーンが、ユニセフの支援の下、何千人ものコミュニティの活動員によって実施されています。 ユニセフはパートナーとの協力の下、40万以上の世帯を戸別訪問するとともに、コミュニティ内での会合などを通じて、100万人以上に支援を届けています。ユニセフはまた、リベリアにおけるコミュニティ参加を支援するため、19,000人近くの伝統的な宗教指導者と、7,000人以上の最前線の活動する活動員を対象に研修を実施しています。
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