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シリア緊急募金 第169報
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© UNICEF/UNI195496/Klincarov |
ギリシャとの国境を接するマケドニアのゲヴゲリヤの一時受け入れ所に辿り着いた女の子。 |
ユニセフ(国連児童基金)は5日、冬の到来を控え、ヨーロッパには祖国を逃れた何万人もの子どもたちを保護しケアする好機が到来していると述べました。今年、避難先を求めてヨーロッパにやって来た人々の4人にひとりは、子どもです。今年の前半の6カ月間だけで、10万6,000人の子どもが亡命を求めており、昨年から75%増加しています。
ヨーロッパに辿り着いた難民・移民の子どもたちの多くは、過密状態で暴力や搾取の危険と隣り合わせの不適切な環境の中で暮らしています。冬が近づく中、路上で眠る子どもも多く、幼い子どもは特に肺炎などの病気にかかるリスクが高い状態にあります。これからの数カ月の間でさらなる子どもの犠牲を食い止めるには、子どもたちに住む場所とケアを提供するための、連携した支援がいま必要なのです。
危険を伴いながら、ヨーロッパへ、またはヨーロッパ内を移動する子どもたちが増加するなか、EU内の公平な責任分担による協同が必須です。それには、子どもたちやその家族の安全を守るための次のような保護策が含まれなければなりません。
© UNICEF/NYHQ2015-2082/Georgiev |
マケドニアのゲヴゲリヤから、電車に乗るための列に並ぶ人々。 |
たとえ故郷を離れていても、海や陸地を移動していても、目指す国の海岸にあっても、すべての子どもへの保護は子どもの権利条約に則っています。
ユニセフは紛争終結のためのより強力な外交努力を通じて、子どもたちに悲劇をもたらすこの巨大な流れの根本原因に取り組むべきであること、そして難民たちの祖国への開発支援と人道支援が必要であると国際社会に対して訴えています。
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■参考情報
ヨーロッパへの難民流入において、ユニセフは、シリア、イラク、アフガニスタンなどからの難民の中には、親や保護者となるおとなの同伴なく、子どもだけで移動しているケースも多く、そういった子どもたちはより暴力や搾取の危険に遭いやすいことに警鐘を鳴らしています。
ギリシャを目指すシリア難民が通過するマケドニア旧ユーゴスラビア共和国のユニセフ事務所代表は、9月4日の記者会見で、「数カ月前までは、難民は若い男性が中心だったが、今は女性や子どもの割合が急増している。先にヨーロッパに逃れた父親を追って、母親と子どもたちが移動するという流れがある。幼い子どもたちの多くは家族と共に移動しているが、16歳から18歳くらいの年長の子どもたちが、保護者を伴わずに移動しているケースも増えている」と述べています。
また、他国連機関も、シリアの周辺国の難民キャンプが混雑や資金不足から受け入れが難しくなっていることが、人々が直接ヨーロッパを目指す要因の一つになっていると指摘し、支援を訴えています。