【2015年10月15日 ニューヨーク発】
本日10月15日は「世界手洗いの日」です。ユニセフは、石けんを使った手洗いは子どもの健康に有効であることが証明されているにも関わらず、その普及率は多くの国で危険なほど低いと報告しています。
© UNICEF/BANA2013-00167/Haque |
先月、「持続可能な開発目標(SDGs)」が国連総会で採択されました。衛生の問題を初めて国際的課題として扱ったSDGsは、その目標の一つに、2030年までに適切で公平な衛生施設へのアクセスを実現することを掲げています。
「飲料水の確保やトイレへのアクセスと合わせて、石けんを使った手洗いなどの衛生習慣は、水と衛生分野の目標実現を支える重要な柱です」と、ユニセフの水と衛生部門部長のサンジャイ・ウィジェセケラは述べました。「たとえば助産師が手を洗っていなかったら、恐ろしい病原菌をうつしてしまうことがあるように、誕生のときから乳幼児期、学齢期、さらにその先も、子どもの健康に手洗いは不可欠です。手洗いは、私たちにできる、最も安価で、シンプルで、有効な健康を守る方法なのです」
© UNICEF/INDA2009-00004/Khemka |
世界的に見ても、最も子どもの死亡率が高い地域であるサハラ以南のアフリカでは、手洗いの普及率は非常に低く、ユニセフとWHOの最新の報告書によると、有効なデータを持つ38カ国中、最も高い国でも50%に留まっています。
保健施設でさえ、手洗い場が設置されていないこともあります。アフリカ地域において、500メートル圏内に利用可能な水源がない保健施設は、全体の42%に上っています。
また、国連の最新の推計によると、毎日下痢で亡くなる1,400人の子どものうち800人以上の死は、安全な水やトイレ、衛生習慣に起因していると見積もられています。生まれて1カ月未満の新生児は、手洗いをしていない汚れた手から感染する病気に特にかかりやすいのです。
© UNICEF/BANA2015-00066/Khan |
今年で8回目を迎えた「10月15日の世界手洗いの日」を記念して、世界各地で特に子どもたちに石けんを使った正しい手洗いの大切さを伝えるさまざまな取り組みが行われます。
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国際衛生年の2008年、ユニセフなど水と衛生の問題に取り組む国際機関や大学、企業など13の組織から成る「石けんを使った手洗いのための官民のパートナーシップ」により、制定されました。世界では、年間590万人もの子どもたちが5歳の誕生日を迎えずに命を失い、その原因の約半数は肺炎や下痢、マラリアなどの予防可能な病気です。石けんを使って正しく手を洗えれば、下痢や肺炎を防ぎ100万人もの子どもたちの命が守れるといわれています。
日本ユニセフ協会は、日本の子どもたちに正しい手洗いの大切さを楽しく伝え、世界の子どもたちが直面する保健や衛生の問題を知っていただくために、2009年プロジェクトを発足。「手をあらおう。手をつなごう。」の合言葉のもと、ダンサーの森山開次さん振り付けによる「世界手洗いダンス」を制作し、森山さんと同じくボランティアとして協力いただいているルー大柴さんはじめ多くの著名人の方々のご協力もいただきながら、楽しく手洗いの習慣を身につけてもらうための活動を行っています。
2015年も、10月~12月にかけて、10県40カ所以上で、正しい手洗いを伝えるイベントを行います。
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