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日本ユニセフ協会
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10月24日は「世界ポリオデー」
ポリオ常在国、世界で2カ国のみに
子どもの感染も過去最少に

【2015年10月23日  ニューヨーク/ジュネーブ発】

10月24日は「世界ポリオデー」。生涯にわたり麻痺を引き起こす可能性がある感染症-ポリオの根絶に長年取り組んでいるユニセフ(国連児童基金)は、明日の世界ポリオデーに先立ち、ポリオに感染した子どもの数と、ポリオ常在国の数が、かつてないほど減少したと発表。しかしポリオ根絶の達成まで予断は許されないと併せて強調しました。

ポリオ常在国が2カ国に

ポリオの予防接種の投与を受ける赤ちゃん。

© UNICEF/NYHQ2015-1536/Mugabe

ポリオの予防接種の投与を受ける赤ちゃん。(ルワンダ)

ユニセフ本部のピーター・クローリー事務局長首席アドバイザー(ポリオ担当)は、「ポリオ根絶へ向けた取り組みは、現実に飛躍的な前進を見せています。現在、野生株ポリオウイルスが継続的に確認されているポリオ常在国は、アフガニスタンとパキスタンの2カ国のみとなりました。これは大いなる前進であるものの、世界のすべての子どもたちが、継続的かつ定期的にポリオの予防接種を受けない限り、ポリオの脅威は消えることはありません。予防接種を受けていない子どもが一人もいなくなるまでは、気を緩めることはできず、私たちは活動を続けなければならないのです」と述べています。

わずか3年前、世界のポリオ感染症例の半数以上は、ナイジェリアで確認されていました。しかし、今年7月には、ナイジェリアで史上初めて、最後の野生株ポリオの確認から1年経過したことが発表され、先月「ポリオ常在国」リストからナイジェリアが外れました。その素晴らしい快挙によって、ナイジェリア、ひいてはアフリカ地域が、「ポリオのない世界」への実現にかつてないほど近づいています。

かつて毎年何千人もの子どもたちがポリオによる麻痺に陥っていたインドでは、ポリオの感染症例がゼロになって4年が経過します。世界的に見ても、27年前の1988年には年間35万件だったポリオ感染症例が、2014年には242件までに減少、さらに2015年にいたっては、年初から現在まで確認されたのはたった51件です。

2014年、17億回分のワクチンを提供

戸別訪問でポリオの予防接種を行う移動チーム。

© UNICEF/INDA2015-00025/Biswas

戸別訪問でポリオの予防接種を行う移動チーム。(インド)

これらの成果をもたらしたのは、ポリオの影響を受けている国々における、政治的意思と政府のリーダーシップ、コミュニティによる積極的な活動や参加、最前線で活動する人々の勇気と献身、そして「世界ポリオ根絶のためのイニシアチブ*」(GPEI:Global Polio Eradication Initiative)に関わるパートナーたちの協力の結集なのです。

ユニセフは、このイニシアチブへの協力の一環として、2014年には17億回分のワクチンを提供し、パキスタンからナイジェリアに及ぶ地域で予防接種を行う何万人もの保健員の研修を実施しました。この研修は、子どもたちの両親やコミュニティが予防接種に対する不信感や警戒を無くし、信頼を得る手助けとなっています。その他の成功要因としては、特に最も支援が届き難く、最もリスクの高い地域において、子どもたちの命を守るために、定期的な予防接種や栄養支援、石けんを使った手洗いの普及、母乳育児支援を、ポリオの予防接種キャンペーンに合わせて実施してきたことです。

すべての子どもに予防接種を

ポリオの予防接種をした“しるし”を指に付ける予防接種チーム。

© UNICEF/NYHQ2011-2462/Sokol

ポリオの予防接種をした“しるし”を女の子の指に付ける予防接種チーム。(南スーダン)

この前進にも関わらず、ラオスやウクライナ、ギニア、マダガスカルなどの国々で発生した ワクチン由来ポリオウイルス(vaccine-derived poliovirus;. VDPV)の近年の流行は、多くの国々が、定期的な予防接種の普及率の低さに因るリスクに、引き続き晒されていることを強調しています。これらの流行は、定期的な予防接種システムの強化へ向けた一層の努力が必要不可欠なことと、子どもたちの間で基本的な保健ケアへのアクセスに格差が存在するという事実を、再び私たちに突き付けています。

「来年のポリオデーまでに、世界のポリオ感染をストップさせることを目指しています。そのためには、予防接種率が低い国々において、どんな困難があろうとも、すべての子どもたちに予防接種を届ける一層の努力が必要なのです」(クローリー首席アドバイザー)

* * *

■世界ポリオ根絶のためのイニシアチブ*

各国政府とWHO、ロータリー・インターナショナル、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)、ユニセフによる世界ポリオ根絶のためのイニシアチブは、ビル&メリンダ ゲイツ財団やイスラム開発銀行、そのほかの官民セクターからの支援を受けて活動しています。

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