【2016年1月12日 サヌア(イエメン)発】
2015年3年に激化した紛争が続くイエメンでは、幼い子どもたちが自宅を追われ、命や希望を失っています。イエメン事務所代表のジュリアン・ハーネスが声明を発表しました。
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© UNICEF/UNI196751/Mahyoob |
イエメンの激しい紛争は終わりが見えず、イエメン国内で暮らす1,000万人近い子どもたちは今、新たな苦しみの年を迎えています。
途絶えることのない爆撃や市街戦によって、子どもたちやその家族たちは、暴力や病気、貧困といった何重もの苦しみに晒されています。
紛争が子どもたちに及ぼしている直接的な影響を測るのは困難です。国連が確認している統計数値(昨年3月以来、子どもの死者は747人、負傷者は1,108人、何らかの軍事活動を強いられた子どもは724人)が示すのは、その一部でしかありません。しかし、これらの数値だけでも十分に衝撃的です。
© UNICEF/UNI184988/Hamoud |
暴力が幼い市民に与える影響は、さらに広範囲にわたります。紛争によって家を追われた推定230万人の、そして水を得ることもままならない毎日を送る1,900万人の、少なくとも半数は子どもです。また、130万人に上る5歳未満児が、急性栄養不良や急性呼吸器感染症の危険に晒されています。学校に行けない子どもは、少なくとも200万人に達しています。
保健、水、衛生といった公共サービスは崩壊し、苦しむイエメンの人々の増え続けるニーズを満たすことはできません。740万人の子どもたちが、暴力の影響に対する心理社会的支援を含む保護を必要としていますが、実際にそうした支援を受けられる子どもはほとんどいません。
こうしたこと全てが紛争以前から既に中東最貧国であったイエメンにもたらす長期的な影響は、推し測ることしかできません。
© UNICEF/UNI196758/Mahyoob |
ユニセフをはじめとする各機関は、非常に危険な環境の中、できる限りの支援をしています。その結果、2015年には、400万人以上の5歳未満児がはしかやポリオの予防接種を受け、16万6,000人の子どもが入院して栄養不良の治療ケアを受けることができました。紛争で被害を受けた350万人以上の人々が安全な水の支援を受け、サヌアとタイズでは最も貧しいコミュニティの6万3,520人が、人道支援給付金の支援を受けました。
しかし、支援はまだまだ足りません。イエメンの子どもたちは、今、一刻も早い支援を待っているのです。
戦闘地域では、病院が機能せず、医薬品も不足し、人々が命を落としています。子どもたちは予防可能な病気で亡くなる危険に直面しています。もしも全ての紛争当事者が、国際人道法のもとに守るべき責務として、こうした地域への無制限のアクセスを約束するなら、支援機関は活動を拡大させることができます。
しかし、何より必要なのは、紛争を終わらせることです。それ以外に、イエメンの子どもたちがこの2016年に絶望ではなく希望を見出す道はありません。
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2015年3月26日から12月までに
これにより・・
内戦に加え、11月に2回発生したサイクロンが地滑りを引き起こし、3,322世帯が現在も避難中。
© UNICEF Yemen/2015 |
<保護>
<保健・栄養>
<水と衛生>
© UNICEF Yemen |
少なくとも1,930万人が水の支援を必要としている一方で、燃料不足と安全面での危険が支援活動を制限している。
<教育>
情報元:ユニセフ・イエメン情勢レポート(2015年12月15日発行、29日発行)、但し*はOCHA Humanitarian Snapshot Jan. 3, 2016
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