メニューをスキップ
日本ユニセフ協会
HOME > ニュースバックナンバー2016年 >

世界の子どもたち

モザンビーク
不衛生な水で感染症が蔓延
安全な水の供給が、子どもたちに健康と学習機会をもたらす

【2016年2月23日  モザンビーク発】

アフリカ南部の国モザンビークには、水道設備がなく、遠く離れた水源の不衛生な水に頼って生活するコミュニティが多数存在します。ユニセフの「水と衛生」分野の支援により、子どもたちは安全な飲み水にアクセスできるようになり、健康状態が改善するとともに、学校での学習成果も高まっています。

水を求めて毎日3キロの道のりを往復

安全な水がなかった頃の生活について話すジョーダンくん(仮名)

© UNICEF Mozambique

安全な水がなかった頃の生活について話すジョーダンくん(仮名)

ジョーダン・ミゲルくん(15歳)は6年生の生徒で、一家の長男として、両親と6人のきょうだいと一緒にグルエ地区のムイシャラに暮らしています。ジョーダンくんの家族は、同じコミュニティに暮らす他の家族と同様、水を確保するのに多くの困難を抱えていました。以前は、その貴重な資源を得るため、家から3キロ離れたナムレセ川までの長い道のりを歩かなくてはなりませんでした。

「以前は川に行くために、毎朝5時に起きていました。川に着くとまず水浴びをして、それから家に水を持って帰りました。それが終わってようやく、2キロ離れた学校に行くことができました。いつも授業に遅刻し、くたくたになって学校に着きました。学校の成績は良くありませんでした」とジョーダンくんは悲しそうに話します。

汚染された水による下痢が慢性化

水を汲みに歩く母子

© UNICEF/UNI132505/Matas

水を汲みに歩く母子

下痢性疾患の多くは、特に浄水を供給する仕組みがない地域で、汚染された水を直接摂取することが一因となって生じます。グルエ地区の多くの都市コミュニティと同様、川の水が飲み水や衛生、調理などの用途に使われています。注目すべきなのは川岸など屋外での排泄の習慣で、雨期になるとあらゆる汚物が川に流れ込んでしまうため、川の水は飲用に適さなくなり、水を媒介する感染症を発生させるのです。「家では、川で汲んだ水を飲むといつも私たちは下痢を起こし、それが人から人へ感染しました。下痢のため何度も学校を欠席しました」とジョーダンくんは言います。

ユニセフの支援で健康状態や学習成果が改善

コミュニティに設置されたトイレ

© UNICEF/UNI93216/Williams

コミュニティに設置されたトイレ

ムイシャラのコミュニティでは現在、ユニセフ支援のもとで水源の建設を主とした公衆衛生プログラムにより約70世帯が恩恵を受けています。この取り組みの結果、「屋外排泄のないコミュニティ(LIFECA)」のステータスを獲得する目的で、これらの世帯はトイレの設置を進めています。

「うれしいです!今は休んだり遊んだりする時間があるし、授業の復習をしたり宿題をしたりする時間もあるから学校の成績も上がりました」とジョーダンくんは微笑みながら話します。

「今は近くに水源があるのでほっとしています。清潔な水を飲めるようになり、家族が下痢になることは減りました。トイレと、家族全員が手を洗えるように水道もあります。水源の設置は私の家族とコミュニティ全体の生活に変化をもたらしました。きちんと維持していくために、水管理委員会が設置され、適切に機能しています」とジョーダンくんの父親は話します。

*名前は仮名です

「水は喜び」と書かれたユニセフのポスター

© UNICEF Mozambique

「水は喜び」と書かれたユニセフのポスター

シェアする


トップページへ先頭に戻る