【2016年3月21日 ボゴタ(コロンビア)/ニューヨーク発】
ユニセフ(国連児童基金)は本日発表の報告書の中で、コロンビア政府と国内の主要な反政府勢力であるコロンビア革命軍(FARC-EP)間での和平交渉が3年前に開始されて以降も、25万人以上の子どもたちが武力紛争の影響を受けていると指摘しました。
© UNICEF/UN013281/LeMoyne |
また、同期間内に武装グループにより使用または徴用された子どもの数が推定1,000人に上ることも、国連及び同国の実証データを基に明らかにしています。
「半世紀にもわたるコロンビアの紛争を終わらせるための和平交渉が続く中、子どもの権利と保護を最優先にすることは非常に重要です」とユニセフ・コロンビア事務所代表のロベルト・デ・ベルナルディは述べています。「今日のコロンビアで、平和な国での暮らしがどのようなものかを知っている子どもは、一人もいません。今こそページをめくる時なのです」
しかしながら、同期間内で、敵対する武装勢力間での蔓延する暴力と止まない戦闘により、子どもたちの命は危機に晒され続けています。国連および国内のデータによると、ユニセフの報告書『Childhood in the Time of War: Will the children of Colombia know peace at last?(戦時下の子ども時代:コロンビアの子どもたちは、いつか平和を知るだろうか?)』は、和平交渉による現地の状況改善について言及しています。2013年から2015年の間で、地雷や不発弾で死傷した子どもの数は半減し、自宅からの避難を強いられる子どもの数は40%減っています。
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しかしながら、同期間内で、敵対する武装勢力間での蔓延する暴力と止まない戦闘により、子どもたちの命は危機に晒され続けています。国連および国内のデータによると、
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強制的な避難や安全面の問題、徴用される恐怖、性暴力の脅威、対人地雷の存在によって、子どもたちが学校に通い続けられないことも、報告書は指摘しています。初等教育および中等教育前期の学齢期でありながら学校に通えていない子どもたちの40%が、紛争地域で暮らしています。
「たとえ和平合意が明日署名されたとしても、子どもたちは徴用や地雷、性的搾取など、あらゆる種類の暴力に晒され続けます。子どもたちが心身ともに必要とする支援を受けない限り、長く続く平和への眺望はつかめないままでしょう」(デ・ベルナルディ代表)
紛争当事者たちに、子どもの権利を優先するよう促すため、ユニセフは下記のことを強調しています。
ユニセフはパートナーとともにコロンビアの子どもたちを支援し、子どもたちが暴力から身を守るためのライフ・スキルの向上、コミュニティ向けの地雷教育、平和と市民教育の促進、子どもたちの司法・真実・賠償へのアクセス向上のため活動しています。
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