【2016年3月29日 ニューヨーク発】
ユニセフ(国連児童基金)は今日、世界規模で移動する数千万人もの子どもたちや若者に対する前向きな見方を促すためのアニメーション映像を発表しました。
© UNICEF/UN013565/House of Colors |
「Unfairy Tales(現実の物語)」と題した、紛争から逃れる子どもたちの実話を描いた3編のアニメーションは、なぜ子どもたちが逃れているのか、その背後にある恐怖を明らかにしています。物話風にアニメ化されたこれら3編は、同じく「Unfairy Tales」と題する対話型の電子書籍でも登場する予定です。
本アニメーションは、「#actofhumanity(人道的な行動を)」イニシアティブの一環で、どこから来た子どもであろうと、子どもは子どもであるということ、またすべての子どもは権利を持ち、公平な機会を与えられるべきであるということを強調しています。
© UNICEF/UNI197019/Romenzi |
「世界のどこにいても、難民・移民の子どもたちが目的地に着いたとき、それは旅路の終わりではなく、さらなる旅の始まりなのです」とユニセフの広報部長パロマ・エスクデロは話します。
「毎日、至るところで、人々はささやかな人道的行動により難民・移民を支援しています。そのような行動はほとんど報道されませんが、個々の難民・移民の子どもの世界を一変させているのです。ユニセフは人々の行動を呼び起こし、前進への道を示すために、この『人道的な行動を』イニシアティブを紹介したいと思います」とエスクデロは述べました。
© UNICEF/UN013567/Consulado |
物話の一つ「イビネとピロー」は、14歳のイビネさんと彼女の枕ピローの実話を描いています。シリアからの危険な避難を経て、イビネさんはドイツの難民キャンプで暮らしていますが、新たな問題に直面するばかりです。「マラクとボート」は、水漏れするボートで旅をする少女の物語です。3つ目のアニメーションは、自宅から避難して友だちが一人もいなくなり、誰と友だちになればいいのかと問うムスタファくんの話を描いています。
「3人の子どもたちの物話は、珍しいものではありません。世界で少なくとも6,500万人の子どもたちや若者が、紛争、貧困、異常気象から逃れ、より安定した生活と家と呼べる場所を求めて移動しています」とエスクデロは付け加えました。
© UNICEF/UN014896/Chop Shop and Gilles and Cecilie Studio |
ユニセフは、アニメーション制作会社Consulado、House of Colors、Bubba’s Chop Shop、Gilles+Cecilie Studio、対話型電子書籍を制作したMedia Monksの支援の下このシリーズを企画し、全面的に制作を担った広告代理店180LAに対して敬意を表しました。
180LAのエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターのラファエル・リズト氏とエドワルド・マルケス氏は、「『Unfairy Tales(現実の物語)』は、心が痛むような詳細の描写とともに、そのような状況下で子どもであることがどれほどのことなのか、子どもたちが決して経験するべきでない物語を描いています。一人ひとりにこのことを考えてもらうために、私たちはこのようなストーリーを語る必要があったのです」と話します。
ユニセフは、ソーシャルメディアのメッセージを通して視聴者に働きかけ、さらに多くのアニメーションを制作する予定です。ユニセフからのお願いはシンプルです。難民・移民の子どもたちと若者に対する人道的な行動を見せてください。ハッシュタグ(#actofhumanity)を使ってそのストーリーを共有し、私たちや他の人々に希望を与えてください。
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■ アニメーションの題材となったストーリーはこちらからご覧いただけます。(日本語)
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