【2016年8月12日 ニューヨーク発】
若者の10人に9人以上が自身のコミュニティ内でいじめが広がっていると考えていることや、若者の3分の2がいじめを直接経験していることが、ユニセフ(国連児童基金)がパートナーと行った新たな調査で明らかになりました。
© UNICEF/UN017648/Ueslei Marcelino |
この調査は、U-Report(ユー・レポート)と呼ばれる携帯電話を使ったメッセージ・アプリを活用して行われました。U-Reportを通じて意見を交換したりアンケートに回答したりするU-Reporter(ユー・レポーター)と 呼ばれる若者たちは、世界20カ国以上で200万人を超えています。
今回の調査は、若者たちに、SMSやフェースブック、ツイッターを通じて、自身のコミュニティ内におけるいじめの影響や、個人的ないじめの経験、いじめという暴力をなくすために何ができると思うか、等についてのアンケートを行いました。そして、セネガル、メキシコ、ウガンダ、シエラレオネ、リベリア、モザンビーク、ウクライナ、チリ、マレーシア、ナイジェリア、スワジランド、パキスタン、アイルランド、ブルキナファソ、マリ、ギニア、インドネシア、ザンビアなどの、10万人以上(推定年齢13~30歳)のU-Reporterたちが、この調査に参加しました。
「ネットいじめを含めたいじめは、子どもや若者の幸福に対するリスクとなっていますが、その実態は正しく理解されていません」と、ユニセフの子どもの保護シニア・アドバイザーのテレサ・キルベインは指摘します。
「この種の暴力を終わらせるためには、いじめが引き起こす有害な影響に関する社会の認識を広げ、教師や親、子どもたちに、リスクを見つけ報告するスキルを身につけてもらい、被害者に対してケアや保護を提供しなければならないのです」
その他の調査結果は下記を含みます。
ユニセフは、U-Reportやソーシャルメディア・キャンペーン(#ENDViolence)を通して、子どもや若者たち自身に、「子どもへの暴力撤廃」キャンペーンに参加してもらおうと活動しています。ユニセフはまた、パートナーとともに、学校の教育システムの強化と、子どもの福祉のための強固な連携の仕組みづくりにも取り組んでいます。
* * *
© UNICEF/UNI174447/Campo |
U-Reportは携帯電話のテキストメッセージ(SMS)を基盤としたシステムで、現在、世界24カ国で利用されており、U-Reporterと呼ばれる利用者は200万人以上に上ります。若者はU-Reportを通じて調査に回答したり問題を通報したりすることができ、それらの情報は、社会的および政治的変化を起こすための声として活用されます。また、U-Reporterたちは、それらの調査結果のほか、ユニセフやパートナー、U-Reporterの仲間からの情報やアドバイスなども受け取っています。
第1回「国際青少年デー」は2000年8月12日に実施されました。8月12日という日は、1985年に国連が初めての「International Year of Youth(国際ユース年)」を開始した日です。今日、国際青少年デーは、若者に関連する様々な文化的、法律的な課題への関心を集める日となっています。いかにして若者に関する分野における各国の能力を強化し、また、若者が完全で効果的、建設的に社会参加するための機会を増やせるのか、等が議論されています。
シェアする