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日本ユニセフ協会
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南スーダン
子どもの徴用、今年あらたに650人
紛争再燃で子どもの兵士解放の努力が後退
ユニセフ、組織的な性的暴行の増加も指摘

【2016年8月19日  ジュバ(南スーダン)/ナイロビ(ケニア)発】

本日、ユニセフ(国連児童基金)は、南スーダンにおいて今年に入ってあらたに武装勢力に徴用された子どもたちの数は650人以上にのぼる、と発表しました。

紛争勃発以降、子ども1万6,000人が武装勢力に徴用

今年初め、武力グループから解放された14歳の男の子。現在は、南スーダンのユニティ州で、ユニセフが支援する学校に通っている。

© UNICEF/UN028367/Rich

今年初め、武力グループから解放された14歳の男の子。現在は、南スーダンのユニティ州で、ユニセフが支援する学校に通っている。

紛争の再燃が何万人もの子どもたちをさらなる危険に晒すことを懸念し、ユニセフは武装勢力に対して、子どもたちの徴用の即時停止と子どもたち全員の無条件の解放を要請しました。

南スーダンでは、最初に紛争が勃発した2013年12月以降、武装勢力に徴用された子どもの数は1万6,000人と推定されます。ユニセフは、子どもの徴用を停止するとした政治的取決めがあるにも関わらず、武装勢力による子どもたちの徴用は続いているとしています。

「私たちが、この若い国の子どもたちのために描いていた夢は、悪夢となってしまいました。南スーダンの短い歴史のこの不安定な状態の中で、子どもたちの徴用がさらに急増する事態が迫っているのではないかとユニセフは懸念しています」と、南スーダンのベンティウとジュバへの訪問から戻ったユニセフ事務局次長ジャスティン・フォーサイスは語りました。

子どもの兵士解放の努力

南スーダンのベンティウの小学校を訪問するユニセフ事務局次長ジャスティン・フォーシス(2016年8月撮影)

© UNICEF/UN028388/Rich

南スーダンのベンティウの小学校を訪問するユニセフ事務局次長ジャスティン・フォーサイス(2016年8月撮影)

ユニセフは2015年に、過去最大の動員解除の一つとなった、1,775人の子どもの兵士たちの解放に立ち会いました。南スーダンでの紛争の再燃と徴用の再開は、こうした前進を後退させてしまいます。

さらにユニセフは、世界で最も若い国である南スーダンによる深刻な人権侵害、特に以前から横行しているジェンダーに基づく暴行が、現在の危機によりさらに激しくなっていることを指摘しました。

「子どもたちは恐ろしい体験を強いられ続けています」とフォーサイスは続けます。「最新の報告では、女の子や女性への性的暴行が蔓延していることが指摘されています。強姦や性的搾取、誘拐を紛争の武器として組織的に利用することは、加害者が刑罰を免がれていることと併せ、中止されなければなりません。

ユニセフは、南スーダン全土の子どもと女性に対する支援と保護を進めるため、一刻も早く、全ての地域で無条件に人道的支援を行えるようにする必要があると指摘しました。

「人道支援が十分に実施されなければ、子どもたちとその家族が壊滅的な被害をうけることになります」(フォーサイス事務局次長)

* * *

2013年の紛争が発生以降、南スーダンの子どもたちがおかれている状況

「軍隊を離れて学校に戻れて嬉しい」と語る、武装勢力から解放された15歳の男の子。(南スーダン、ベンティウ、2016年8月撮影)

© UNICEF/UN028378/Rich

「軍隊を離れて学校に戻れて嬉しい」と語る、武装勢力から解放された15歳の男の子。(南スーダン、ベンティウ、2016年8月撮影)

  •  約90万人の子どもが家を追われ国内避難民となった。
  •  1万3,000人以上の子どもたちが行方不明あるいは家族離ればなれになった。
  •  南スーダンの子どもの半数以上が学校に通えていない。これは世界で最も高い未就学率。
  •  25万人の子どもたちが重度の急性栄養不良に直面している。

ユニセフは、南スーダンで国連の「モニタリングと報告のメカニズム(MRM)の一環として、子どもの権利の侵害について監視・報告しています。MRMは子どもに対する6つの虐待について報告しています。

  1. 武装勢力による子どもたちの徴兵・徴用
  2. 子どもたちの殺傷
  3. 学校や病院への攻撃
  4. 強姦およびその他の性的暴行
  5. 子どもたちの誘拐
  6. 子どもたちへの人道支援活動に対する妨害

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