【2016年8月25日 ダカール(セネガル)発】
ユニセフ(国連児童基金)は本日発表した報告書の中で、ボコ・ハラムによるここ数年に及ぶ暴力によって、チャド湖畔一帯では人道危機がさらに悪化し、140万人の子どもたちが家を追われ、少なくとも100万人が、非常にアクセスが難しい地域に閉じ込められていると報告しています。
「チャド湖一帯で起きている危機は、子どもたちの危機であり、世界的な移民・避難民問題の重要課題として位置づけられるべきです」とユニセフ西部・中部アフリカ地域事務所代表のマヌエル・フォンテーヌは述べました。「人道的ニーズの増大に、支援が追いつけない状態です。今までアクセスできなかったナイジェリア北東部にも支援が届けられるようになったことも、その理由のひとつです」
ユニセフは、2016年9月19日に予定されている国連の移民・難民サミットに先立ち発表された報告書『移動を迫られた子どもたち、置き去りにされた子どもたち』で、ボコ・ハラムによる暴力の影響を受けているナイジェリア、カメルーン、チャド及びニジェールにおいて、紛争が子どもたちに与えている以下のような影響及び子どもたちの痛ましい経験を伝えています。
© UNICEF/UN028854/Tremeau |
報告書は、家を追われた人々の10人中8人以上は、親せきや隣人の家に身を寄せているために、世界で最も貧しいとされるコミュニティにさらなる負担がかかっていると、伝えています。
「紛争の影響を受ける地域では珍しくないのですが、住民たちは、避難してきた人たちに僅かな食糧などを分け与えるという人間らしい行為をもって受け入れています」とフォンテーヌは言います。
ユニセフとパートナー団体は、紛争の影響を受ける地域の子どもたちとその家族の基本的なニーズに応えるべく活動しています。今年に入ってからこれまでに、約17万人の子どもたちが心理社会的なケアを受け、約10万人の子どもたちが重度の急性栄養不良の治療を受け、10万人以上の子どもたちが学習プログラムに参加することができました。
ボコ・ハラムによる暴力行為の影響を受けるナイジェリア、ニジェール、チャド、カメルーンの人々を支援するためにユニセフが必要とする3億800万米ドルの資金のうち、確保できているのは13パーセントにすぎません。ユニセフは、ドナーに対して影響を受ける地域へのさらなる支援を呼びかけています。資金が集まれば、特にボコ・ハラムに支配されていた地域の増加する人道ニーズを含め、ユニセフは支援を拡大して対応することができます。
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