【2016年11月30日 バグダット(イラク)発】
戦闘が激化しているイラクのモスルで、主要な水道管が破壊され、市内で暮らす子どもの約半数にあたる30万人近くの子どもたちとその家族が、断水によってきれいな水にアクセスできていないと伝えられています。
© UNICEF/UN042087/Anmar |
破壊された水道管は、モスル東部の市民に水を供給する主要な3つの水道管のうちの1つで、IS(イスラミックステート)が占拠している地域を通っており、早期の修理が不可能となっています。
「子どもたちとその家族は、モスルの恐ろしい状況下に暮らしています。彼らは攻撃の犠牲になったり負傷したりする危険に直面しているだけではなく、今や50万人が安全な飲料水を手に入れられなくなる恐れがあるのです」とユニセフ・イラク事務所代表のピーター・ホーキンスは述べました。
現在、イラク当局は35キロメートル離れたモスル東部からトラックで水を運んでいますが、この供給手段では住民が必要とする量を満たすことはできません。
数日内に水道が復旧しなければ、住民は安全でない水源に頼らざるを得なくなり、子どもたちは重度の下痢などの水を媒介する感染症に罹り、栄養不良に陥る危険に晒されます。この地域で暮らす子どもたちは、何年もの間、極めて厳しい環境下での生活を強いられてきており、すでに疲弊しきっています。
ユニセフはイラク政府と共に、影響を受けているモスル南部および新たに奪還した南西部に早急に水を届けるために、破壊された主要な水道管の修復が可能になるまで、近隣地域の井戸や水処理施設を再稼働させていきます。
「ユニセフはすべての紛争当事者に対して、命を守るために必要な水の輸送と水道の修繕を認めるよう求めます。民間インフラは絶対に攻撃されてはならないのです」とホーキンスは訴えました。
シェアする