【2016年12月13日 ニューヨーク発】
ユニセフ事務局長アンソニー・レークは、重度の栄養不良が懸念されるナイジェリア北東部に暮らす子どもたちについて、以下の声明を発表しました。
© UNICEF/UN041141/Vittozzi |
ナイジェリア北東部での暴力的衝突は、子どもたちを重度の栄養不良状態に陥らせ、命の危険に晒しています。
最も被害の大きいボルノ、ヨベ、アダマワの3州では、農作業ができなくなり作物は破壊され、蓄えられていた食糧は使い果たされた上に多くの場合略奪され、家畜は殺害若しくは置き去りにされました。
最も戦闘が激しかったボルノ州では、水と衛生に関するインフラの75%が、また保健施設の30%が破壊、略奪、あるいは損傷を受けました。
こうした事態が子どもたちに及ぼす影響は計り知れません。
影響を受けた3州では、今後1年にわたり、40万人の子どもが重度の急性栄養不良に苦しむ、とユニセフは予想しています。必要な治療を受けることができなければ、彼らの5人に1人が命を落としてしまいます。下痢、マラリアや肺炎の件数は増加しており、子どもたちの命をますます危険に晒しています。
これらの数値に表れる人数は、苦しんでいる人々のほんの一部です。ボルノ州の広範囲にわたる地域が、あらゆる人道支援から完全に遮断されています。我々はこの地域で身動きが取れない子どもたちを非常に心配しています。
支援を届けることのできる地域では、状況は良くなっています。WFP(国連世界食糧計画)などのパートナー団体と共に、重度の栄養不良の子どもの手当てをしています。子どもたちに対し、はしかとポリオの予防接種も行っています。安全な水や公衆衛生設備も提供しています。
しかしこれらは、十分な支援からほど遠いものです。
十分な資金や人員などが足りず、また安全なアクセス方法も確保されていないため、我々は命が差し迫った危険にさらされている子どもたちに支援を届けることができません。
既に『危機』と呼べる状況が、『大惨事』になる可能性があるのです。
シェアする