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日本ユニセフ協会
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ネット上で世界の子どもたちを守る
「セーファーインターネットデー」
日本でも初めて実施

【2017年2月8日  東京発】

毎年2月、世界100カ国以上で、インターネットと子どもの安全に関する啓発など様々な取り組みが行われる「セーファーインターネットデー」。ユニセフはあらためて、インターネットに関連したリスクから子どもたちを守ることの重要性を訴えます。日本でも、この趣旨に賛同した初めての取り組みが行われました。

子どもに対するあらゆる形態の暴力の撤廃を

毎年2月の「セーファーインターネットデー」には、世界100カ国以上で、インターネットと子どもの安全に関する啓発など様々な取り組みが行われる。

ユニセフは、子どもの権利条約に基づき、性的搾取を含むあらゆる暴力からの子どもの保護に取り組んできました。日本ユニセフ協会もこの一環で、1997年から「児童買春・児童ポルノ等禁止法」の制定と改正・強化に取り組んできたほか、児童ポルノ画像のブロッキングの導入等に関して、企業の方々とも協力をさせていただいてきました。こういった取り組みは、2015年に国連で採択された、先進国を含めた全ての国や地域で達成されるべき「持続可能な開発目標(SDGs)」にも、「あらゆる形態の子どもに対する暴力の根絶」という形で反映されています。

ユニセフは、この流れを成果に結びつけるため、全世界で「子どもに対する暴力撤廃キャンペーン」を展開してきました。2月7日の「セーファーインターネットデー」にあたり、あらためて、政府、関連企業、関連団体などの様々な関係者が協力して、ネット上のリスクから子どもを守ることの重要性を訴えています。 

日本でも初開催-実務者の連携強化をめざし

「児童ポルノ・リベンジポルノ被害対策のための実務者連携会議」の様子

©日本ユニセフ協会

「児童ポルノ・リベンジポルノ被害対策のための実務者連携会議」の様子

「セーファーインターネットデー」にあたり、子どもからの相談を受け付けている機関、インターネット関連企業、行政機関など、さまざまな立場の人々が集まって「児童ポルノ・リベンジポルノ被害対策のための実務者連携会議」が開催されました(共催:セーファーインターネット協会(SIA)、グーグル合同会社、ヤフー株式会社、ECPAT/ストップ子ども買春の会、日本ユニセフ協会)。日本でこの日に合わせた活動が行われたのは初めてです。

会議の目的は、児童ポルノやリベンジポルノなどの情報がインターネット上で流通することで苦しんでいる人々への支援を、官民の連携、民間どうしの連携を深めることで、強化することにあります。被害者支援に向けては、既に相談機関、NGO、各事業者などにおいて、さまざまな活動が行われています。もっとも、被害者の支援や被害予防のためには、心身のケア、インターネット上の情報の削除、被害予防のための啓発、政策提言など多岐に渡る活動が必要であり、1つの企業や団体で全てをカバーすることはできません。幅広い関係者がそれぞれの課題を率直に共有し合い、相互に信頼を醸成することでお互いがカバーし合える部分を模索する場が必要です。

企業にできること、相談機関にできること

こうした認識のもと、今回の会議では、相談機関、NGO、企業などの各参加者から、それぞれの活動内容や課題認識について相互に共有しました。企業側からは、セーファーインターネット協会(SIA)、グーグル合同会社、株式会社ミクシィから、児童ポルノやリベンジポルノなどの削除についてどのように申告を受け付けているか、その他の個人に危害を与えるような情報についてどのような対応が可能であるかなどについて、説明がありました。違法情報に限らず、その他の有害な情報についても、各社においてサービスの特性に応じて一定の対応が行われており、実際に、SIAから実施されている削除依頼についても、海外サイトを含め、多くが実際の削除に結び付いていることが紹介されました。

また、相談機関側からは、人身取引被害者サポートセンター ライトハウス、違法・有害情報相談センター、東京ウィメンズプラザ、法務省の各団体・機関から、普段どのような相談内容が持ち込まれているか、相談内容への対応にあたって、どのような課題を感じているかについて紹介がありました。各団体・機関によって持ち込まれる相談内容は多岐に渡るものの、インターネット上に流通する違法・有害情報の削除にあたってはどのように依頼すればよいか依然分からない場合があること、仮に情報が削除されたとしても被害者の不安や悩みは続くことなどが紹介されました。

子どもたちのための連携強化に向けて

今後の対応としては、インターネット上の情報流通についての最新の技術・ビジネス動向とそれに応じた削除依頼対応のノウハウを企業側から相談機関に共有すること、相互によりスムーズに相談し合えるような信頼関係を構築すること、相談機関と企業間で違法・有害の削除に向けた運営体制の整備を進めることなどが提案されました。また、会議が終わった後も、多くの参加者が会場に残って、個別に挨拶や意見交換を続けていました。今後も、参加者間の連携を深め、児童ポルノやリベンジポルノなど、インターネット上の違法・有害情報の流通に苦しむ人々の被害の防止や支援に向けて、実際の成果をあげられるよう、連携を深めていきます。

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