【2017年3月24日 ジュネーブ/ブラザビル(コンゴ共和国)/ニューヨーク/ダカール(セネガル)発】
西部・中部アフリカ地域の13カ国では、今後一週間をかけて、1億1,600万人の子どもを対象にポリオの予防接種を実施します。アフリカ大陸に残されるポリオの脅威に立ち向かうこの予防接種には、保健員やボランティア19万人以上が動員されます。
© UNICEF/UN036355/Abubakar |
一斉に展開されるこの予防接種キャンペーンは、アフリカにおいて過去最大規模となり、ポリオを恒久的に根絶するための緊急措置の一環として実施されます。アフリカ全域で子どものポリオに対する免疫を高めるために、ベナン、カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、コートジボワール、コンゴ民主共和国、ギニア、リベリア、マリ、モーリタニア、ニジェール、ナイジェリア、シエラレオネの13カ国のすべての5歳未満児が、本キャンペーンの下で予防接種を受けることになります。2016年8月に、アフリカで唯一ポリオ・ウィルスが未だ猛威を奮っていると認識されているナイジェリア北東部のボルノ州で、4人の子どもが感染によって麻痺状態になりました。
ユニセフ西部・中部アフリカ地域事務所代表のマリー・ピエール・ポワリエは、アフリカ諸国の指導者たちの強い決意のもと、未来の世代を含むすべてのアフリカの子どもたちを、ポリオが引き起こす麻痺の影響から完全に保護できる確信があると述べました。「ポリオの根絶は、前例のない勝利となります。それは、未来の世代を含むすべての子どもたちをこの予防可能な疾患から守るだけでなく、アフリカ諸国が共通の目標へ向かって一丸となって成し遂げたことを、世界に見せることができるのです」
この潜在的に危険な疾患の流行を、可能な限り速やかに止めるために、ボランティアたちがポリオワクチンを、13カ国の都市や町、村のすべての家々に届けます。この取り組みを成功に導くために、ボランティアや保健員たちは、高い湿度と40度を超える気温の中、徒歩や自転車で移動しながら毎日最長で12時間も活動します。それぞれの予防接種チームは、ワクチンを8度未満の低温に確実に保てるよう、保冷剤を詰めた特別の運搬用バッグに入れて運びます。
地方行政も含めたあらゆるレベルでの政治的指導者やコミュニティ指導者による積極的な関与が、このキャンペーンの成功に欠かせません。すべての子どもたちへ予防接種を届けるため、市民社会のすべてのセクターを動員するには、指導者による積極的な関与があって初めて実現するのです。
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各国政府とWHO、ロータリー・インターナショナル、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)、ユニセフによる世界ポリオ根絶のためのイニシアチブは、ビル&メリンダ ゲイツ財団やイスラム開発銀行、そのほかの官民セクターからの支援を受けて活動しています。
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