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日本ユニセフ協会
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欧州難民危機
ユニセフ等、欧州委員会の指針を歓迎
子どもの移民・難民保護の優先行動提示
あらゆる段階での保護を強化

【2017年4月12日  ブリュッセル(ベルギー)発】

ユニセフ(国連児童基金)と国連難民高等弁務官(UNHCR)は、本日、欧州委員会が提示した新しい政策指針を、移民・難民の子どもの保護に関する重要な節目として歓迎します。「これは、子どもたちが難民か移民か、家族の同伴があるかないかに関わらず、全ての移動する子どもたちが置かれている状況と権利の問題について対処するもので、EUにおいて初めて、移民と難民保護、子どもの保護をリンクさせた施策です」とユニセフ・ブリュッセル事務所代表のノアラ・スキナーは述べました。

難民・移民の子どもたちのニーズに応える

拘留施設の混み合った部屋に立つ子ども(リビア)2017年1月29日撮影

© UNICEF/UN052793/Romenzi

拘留施設の混み合った部屋に立つ子ども(リビア)

「この重要な指針は、EU諸国が、難民・移民の子どもたちのニーズにより良く対応する手助けとなります。私たちは、この指針が、暴力や戦争、紛争から逃れるため家を追われ、ヨーロッパ諸国に到着した多くの子どもたちの保護に、確実に貢献することを強く期待しています。多くの子どもたちは、旅中や到着後に想像を絶する苦難を経験しています」とUNHCR欧州局副局長Diane Goodmanは述べました。

主な具体的行動には、子どもの後見人の任命、難民が集中する地域を含む子どもが通るすべての段階における子どもの保護の強化、子どもたちを適切に追跡するためのデータ収集の改善、恒久的な解決策を見出すための統合的なアプローチの採用、国家間によるモニタリングと協力体制の改善を含みます。

私たちは、欧州委員会が加盟国に対して、EUおよび各国内の子どものための支援予算を優先的に確保し、不要かつ執拗な年齢の確認を控え、子どもたちが安全にヨーロッパに辿りつくための再定住などの法的措置の増加を求めたことを歓迎します。欧州委員会が、子どもの保護に関する研修、指導およびツールに対する資金提供を約束したことも前向きな展開で、子どもたちに関するすべての決定において子どもたちの最善の利益が適切に反映されることを確保するための手助けとなります。

子どもの保護を優先する決意を歓迎

A migrant stands against a wall in the courtyard at a detention centre, in Libya, Monday 30 January 2017. The detention centre, a concrete building in a remote location, and at the time of UNICEF’s visit housed 40 women, some of whom were minors, and 12 men. The centre itself is divided in two wings - one for women, the other for men, with a padlocked gate separating each area. There is neither electricity or running water at the centre and with no funds from the government for the prison guards or director of the centre, migrants often have nothing to eat. Prison cells are overcrowded, housing as many as ten people sleeping on blankets piled onto the ground. Sanitation is poor and in the men’s wing, raw sewage covered much of the floor. Medical and humanitarian organisations have no access to the centre. Security in the area around the centre is an issue and deadly clashes between local authorities and militias are a regular occurrence. Libya is a country in turmoil. Since 2014 security is precarious, living is hard, and violence is commonplace. The country is riven with militias in conflict with each other or Government forces. Thousands of children and women hoping to reach Europe travel from Africa and the Middle East to the sea in Libya. They endure exploitation, abuse, violence and detention. In 2016, 181,000 migrants used the route to reach Italy, 25,800 were unaccompanied children. Children and women making the journey live in the shadows, unprotected, outside the law, and reliant on smugglers. Migrants are easy prey and the average number in detention is 6000-7000, depending on the season. The international community, including UNICEF, only has access to some of the Government run detention centres. Women interviewed by UNICEF reported harsh conditions with detainees suffering from the intense heat in the summer and cold in the winter. The detention centres were extremely overcrowded with as many as 20 migrants crammed into cells not larger than two

© UNICEF/UN052639/Romenzi

拘留施設の壁にもたれかかる子ども (リビア)

ユニセフとUNHCRは、欧州委員会が加盟国に対して、子どもやその家族に対して、確実に拘留以外の措置を提供するために、あらゆる努力をつくすよう求めたことを歓迎します。私たちは、拘留は決して子どもたちにとって最善の利益ではなく、彼らの心身の健康に極めて有害であることを強調します。子どもたちは、法的地位や移民としての地位、彼らの両親の地位に関わらず、移民に関連した目的のために拘留されるべきではありません。

子どもたちの保護のためには、まず暴力や長期化した紛争、強制的な避難、子どもの貧困や搾取など、子どもの移民を生み出す主な要因に取り組むことから始める必要があります。ユニセフとUNHCRはまた、EUによる、家を追われた子どもやヨーロッパに入ってから住処を追われる子どもたちを守るための国家的な子どもの保護システム構築を優先し支援する決意を歓迎します。

ユニセフとUNHCRは、EUと加盟国がこの施策を行動に移し、各国があらゆる段階で子どもたちを保護し、子どもたちに対する恐ろしい搾取や虐待を終わらせることを期待しています。

* * *

ユニセフは、故郷を追われた子どもたちを保護するために、国際社会に以下のことを求めています。

  1. 特におとなの同伴者のいない子どもの難民・移民を、搾取や暴力から保護すること
  2. 難民認定や移住を求める子どもたちの拘留を終わらせること
  3. 子どもを保護し、法的身分を与えるための最善の方法として、家族を離ればなれにしないこと
  4. すべての難民・移民の子どもたちに、学ぶ機会や、保健、その他の質の高いサービスへのアクセスを提供すること
  5. 難民・移民の大規模な動きの根底にある原因を解決するための行動を強く求めること
  6. 難民・移民が通過する国や目的地の国々で、外国人に対する嫌悪、差別、社会的排除と闘う対策を促すこと

 

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