【2017年4月21日 キンシャサ(コンゴ民主共和国)/ニューヨーク/ジュネーブ発】
ユニセフ(国連児童基金)は本日、コンゴ民主共和国カサイ地域での危機が、子どもたちに甚大な影響を与えている、と警鐘を鳴らしました。150万人以上の子どもたちが激しい衝突の中で危険に晒されており、そのうち60万人は、すでに家を追われ避難民となっている子どもたちです。
© UNICEF/UNI181394/Almeras |
「カサイ地域の子どもたちは、恐ろしい試練を耐え抜かなければなりません」と、ユニセフ・コンゴ民主共和国事務所代表代理のタジュディーン・オイウェイル(Tajudeen Oyewale)は、影響を受けている地域を訪問後に語りました。「何百人もの子どもたちが、暴力行為の中でケガを負い、また拘束されたりレイプされたり、処刑されたとの報告も届いています。子どもたちに対するこの恐ろしい虐待が、続くことがあってはなりませんし、加害者の責任が問われなければなりません」
コンゴ民主共和国の中でももっとも貧しいこのカサイ地域での暴力と不安定な情勢は、2016年8月に治安部隊との戦闘の中で地域の伝統的リーダーが殺害されたことをきっかけに始まり、2017年に入って3カ月間で状況はさらに悪化しました。
ユニセフの推計では、
暴力は、この地域の教育と保健システムにも、甚大な影響を及ぼしています。350校以上の学校が破壊されました、カサイ中央州では、3分の1の保健センターがもはやその機能を失っており、子どもたちへの病気のリスクも増大しています。
「子どもたちは、戦場で戦わされたり、暴力で傷ついたり殺されたりするのではなく、家庭や学校や遊び場で安全に過ごすことができなければならないのです」とオイウェイルは述べました。
状況が迅速に改善されない限り、カサイ3州の子どもの人口に相当する600万人が危険に晒される、とユニセフは訴えています。
ユニセフは、民兵組織に徴用され、カサイ地域で拘束されたり取り残されていた384人の子どもの解放を支援しました。
ユニセフはまた、この地域への緊急支援を拡大し、17万3,000人を対象に保健、栄養、保護、教育、水と衛生、食糧以外の支援物資の提供をおこなっています。
ユニセフは、あらためて、全ての紛争当事者に対し、子どもの権利が確実に守られるよう求めます。
そして、活動への資金支援も呼びかけています。今日までにユニセフが確保できた資金は、カサイ地域での危機への対応に必要な資金2,060万米ドルのうち、わずか350万米ドルです。
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